夕刻の備忘録 様のブログより。
「デモ」と聞けば、条件反射的に「無視」と答えるマスコミが、何故か多数取材に来ていたようであるが、そんなに民主党が好きなのか。
民主党が絡むと全てがダメになる。これは「法則」である。そんな民主党に絡めば、自分もまたダメになる。この「法則」を知りながら、「TPP」を潰したい一念で参加された勇士達が見たものは、恐らくこの「法則」の強さ、例外の無さではなかったか。
街宣もデモも仕切れない「左翼政党」とは一体何なのだろう。自称「市民活動」は共産・社民が加わらないと、盛り上がらないのか。呉越同舟で自民党議員も含めた「大同団結」を意図していたはずが、何やら訳の分からない珍妙な連中まで取り込んで、方向性の見えない、緊張感の乏しいものにしてしまったのである。
それを「TPP賛成派の産経」は以下のように伝えている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111105/stt11110519090006-n1.htm街頭で「断固阻止」訴え TPP慎重派が集会 原口氏「民主ぶっ壊してでも」
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対する有識者らによる「TPPを考える国民会議」(代表世話人・宇沢弘文東大名誉教授)は5日、東京・有楽町で街頭演説会を開き、民主党の山田正彦元農水相ら約25人の国会議員が参加してTPP交渉入りの「断固阻止」を訴えた。
山田氏は「いよいよ党の意見集約がされる。日本の将来に禍根を残すようなことがあってはならず、交渉参加を阻止しなければならない」と力説した。原口一博元総務相は「民主党政権が強行するならば、民主党をぶっ壊してでも頑張りたい」と気勢を上げた。演説会には自民党の山田俊男参院議員も参加した。
会場には民主党議員のツイッターなどによる呼びかけで多くの聴衆が集まり、その後、同党の篠原孝前農水副大臣や川内博史衆院議員らを先頭に、永田町の首相官邸や国会の周辺までデモ行進した。
何処からみてもこの記事はオカシイ。
中野剛志は、この日の主賓格である。国民会議のHPにおいても、中野の動画が掲載されている。いわば反対派のエース投入の場面である。山田の冒頭挨拶に続いて中野の演説があり、明らかに全体中のハイライトになっていた。しかし、その中野登壇に関する記述は一切無い。まるで日毎の「日の丸デモ」を無視するかの如くではないか。
そして、この街宣の致命傷は、正体不明の珍獣を弁士として、議員やその他関係者と同等に扱ったところにある。その結果は予想通り、あるいは予想以上に場の雰囲気を壊していった。調べれば、「よくもまあ……」という人物ではないか。社民党の推薦でも受けたのか。一体、国民のどの層を代表する人物だと言うのか。その正体を知って嫌悪感を感じない人間など、そう多くは居ないだろう。
また、「ブタコウモリ」の異名を持つ役立たずが登場した時の、会場の荒れ具合も一切報告されていない。沸き起こった「帰れコール」に当惑した参加者もいるかもしれない。この問題に関しては団結しようと、これまでのことは腹に収めて、我慢して参加した方も多いだろう。従って、ヤジに批判的な意見が多く出ることも理解出来る。
しかし、それは違うのである。実際、ブタコウモリはやってくれた。ヤジにたじろぎ、「帰れ」の連呼に憮然として声を張り上げながら、最後の締めは場違い極まる「自民党批判」だったではないか。「小泉構造改革に対する決別を国民が選択した結果、民主党が政権を取った」という事実誤認、いや虚偽の発言で壇上を降りたのである。「民主党をぶっ壊してでも……」は、その小泉の有名な発言を真似て、聴衆の歓心を買おうとしただけではないか。流石の所業と言わざるを得ない。ブタに失礼、コウモリに失礼である。
多くの聴衆が堪えきれずにヤジったのは、菅の偽装退陣前夜の出来事をよく覚えているからである。コウモリが飛び、ルーピーが撥ね、汚縄が隠れて、NHKが仕上げたあの茶番を忘れていないからである。誠に「ぶっ壊す」べきは、己の浅ましい根性である。声を限りに「帰れ」と叫んだ人達は、瞬時に「スパイが潜入した」と感じたのである。今日は反対派を装っても、明日には賛成派に回ると直観したのである。
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産経の記事の代わりになるものを書いてみた。ほぼ同じ文字数になるように揃えたので、大変窮屈ではあるが、こちらの方が遙かに真実を伝えているのではないか。
所謂「捏造報道」の最も危険なところは、虚偽・捏造にあるのではなく、「事実を伝えて真実を隠す」ところにある。産経の記事に嘘は無い。しかし、あの場の状況を全く伝えていない。会場の空気を、参加者の心情をまるで伝えていない。中野の参戦を紹介すると何か不都合でもあるのか。ブタがコウモリだと分類にでも困るのか。見事に真実が隠されているのである。産経も民主党にこれ以上関わると……
方向性定まらぬ街宣活動 TPP反対派が集会 原口氏ら罵声にたじろぐ
TPPに反対する「TPPを考える国民会議」は5日、東京・有楽町で街頭演説会を開き、民主党の山田元農相ら約25人の国会議員が参加してTPP交渉入りの「断固阻止」を訴えた。
先鋭的な批評で評判の中野剛志(京大准教授)が弁士として先陣を切り、巧みな話術でこの問題の危険性を訴えた。しかし、その後の演説は、短時間に弁士が次々と交代する為か、国民会議としての一貫した主張が見え難いものであった。
また議員以外の人選に問題があり、年少のタレントや、自ら左翼と名乗る画家などが「反原発」を叫び、その場違いな主張に聴衆は反発した。その時々で態度を豹変させることで批判の多い原口一博元総務相に対する罵声は凄まじく、「帰れ」の声が響き渡った。
会場には川内博史民主党議員らのツイッターによる呼びかけで多くの聴衆が集まり、その後、首相官邸や国会周辺までデモ行進したが、全体に統率の取れない対応で、参加者の折角の熱意も空転していた。
[夕刻の備忘録]