横田めぐみさんの母、ラジオで語り掛ける。
北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(75)が8日未明、ラジオ日本「ラジオ時事対談」(毎週土曜午前1時~)で、娘に語り掛けるコーナー「めぐみへの手紙」をスタートさせた。第1回放送では、早紀江さんが、めぐみさん誕生の瞬間などを情感たっぷりに語った。リスナーからは「涙がこぼれた…」といった反応も寄せられた。
このコーナーは、拉致問題を「風化させたくない」(同局編成部)との思いから制作された。
早紀江さんは「めぐみちゃん、聴いていますか? 本当に、お母さんの声が聞こえるといいなと思っています」と語りはじめ、こう続けた。
「(めぐみさんの誕生日がある)10月が来ると、あなたが生まれたころを思い出します。その時の風の感じや、もうすぐ咲くキンモクセイの香りとか…。名古屋の病院で生まれた、あなたのいろいろなことを思い出します」
「京都のおばあちゃんは心配して『どうか元気で生まれますように』と、隣の部屋でずっとお祈りしてくれました。あなたが生まれたとき、お父さん(=滋さん、78)は『ああ、女の子で良かった…』と本当に喜んで、めぐみちゃんを抱っこしていたことを覚えていますよ」
このほか、めぐみさんが早紀江さんのおなかにいたときの気持ちを「不思議で幸せな感覚でした」といい、めぐみさんが初めて立ち上がったときの様子を「あのうれしそうな顔は忘れることができない」などと感動的に語った。
最後に、番組パーソナリティーの有泉孝さんが「拉致問題は、今も続いているテロ事件です。われわれ日本人は被害者を救出しなければなりません」と呼び掛けた。
「めぐみへの手紙」はこれから毎週5分間、放送されるという。
拉致被害者家族の支援者からは「放送を毎回録音して、野田首相以下、全閣僚や全国会議員に配りたい」という申し出もあるという。