人々の交流で文化はぐくむ「美し国」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【都道府県 伝統の教え】三重県




三重県が地域おこしのキャッチフレーズにもしている「美(うま)し国」は、自然に恵まれ、満ち足りた、人々が暮らすのに理想的なよい国という意味がある。

 「美し国」は、日本書紀などに登場し、倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神から「美しい国なのでこの国に鎮座しよう」という神託を受けたという伊勢神宮(内宮)創建の神話などにちなむ。

 三重県は、海や山など特色ある自然や歴史、文化などを生かし、地域の魅力をさらに高め、発信していく「美し国おこし三重」のプロジェクトを進めている。「この地で暮らし続けたい、訪れたい」と感じるような地域づくりに力を入れている。

 ふるさとを知り、先人に学ぶ教育の一環では、県教育委員会が中学生向けの教材「三重の文化」の第1部「熊野古道編」に続き、第2部「郷土の文化編」を作成した。

 教材では地域ごとの特徴を説明するほか、三重県は古くから交通の要衝で、全国から人々が集(つど)っていたことを紹介。東海道、伊勢街道、熊野街道など県内を通っていた約20の街道を取り上げ、人の交流が工芸や文学、食など多彩な文化をはぐくみ、旅人をもてなす心や祭りなど「街道遺産」といえる有形無形の遺産が多く残ることを説明している。