政府の情報収集衛星「光学4号機」を搭載し打ち上げられるH2Aロケット19号機
=23日午後1時36分、鹿児島県・種子島宇宙センター
政府の情報収集衛星・光学4号機を搭載したH2Aロケット19号機が23日午後1時36分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。事実上の偵察衛星である情報収集衛星の打ち上げは約2年ぶりで、光学4号機は同2号機の後継機として運用する。
情報収集衛星は昼間の晴天時に撮影する光学衛星2基と、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星2基の計4基での運用が基本。平成19年に4基体制を確立したが、その後、レーダー2基は電源の不具合で相次ぎ故障しており、今回の打ち上げで光学衛星だけが一時的に4基に増えるいびつな態勢となった。
光学衛星は、識別可能な物体の大きさ(解像度)が1メートルの第1世代(1、2号機)が5年間の設計寿命を超えて現在も運用中。21年に打ち上げた3号機と今回の4号機は後継の第2世代で、解像度を約60センチに向上させている。
光学4号機の開発費は347億円。打ち上げは当初、8月下旬の予定だったが、ロケットの機器の不具合や台風15号による悪天候で3回延期され、約1カ月遅れた。レーダー衛星は年内に3号機を打ち上げる。
2本の固体ロケットブースターを切り離し、上昇を続けるH2Aロケット19号機(右)
=23日午後1時39分、鹿児島県・種子島宇宙センター