陸自部隊の派遣計画全容判明。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








南スーダンPKO 活動地域は首都ジュバ




南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊の施設部隊派遣に関する政府検討案の全容が22日、明らかになった。焦点の活動地域は治安が比較的安定している首都・ジュバを想定し、分遣隊をヘリコプターで周辺地域に展開させる。防衛省は年明けに第1陣となる300人規模の施設部隊を派遣する方針だが、先遣隊を年内に送る案もあり、国連との調整を加速させる。

 一方、野田佳彦首相は21日夕(日本時間22日朝)、国連本部で潘(パン)基文(ギムン)国連事務総長と会談し、「日本の得意分野で新しい貢献をしていきたい」と述べ、南スーダンPKO参加に向け、国連南スーダン派遣団(UNMISS)がジュバに設置した司令部に陸自から要員2人を送る方針を表明した。これを受け、一川保夫防衛相は22日、統合・陸海空幕僚長に司令部要員の派遣準備を指示した。派遣は11月になる見通し。

 複数の政府筋によると、政府は、道路などインフラ整備を担う陸自施設部隊の派遣についても国連と非公式に調整を進めてきた。活動地域は比較的治安が安定し、各国に実績をアピールしやすいジュバが最善だと判断し、国連も受け入れる意向を示している。

 近く施設部隊派遣に関する政府調査団もジュバに送り、現地のニーズなどを情報収集する。調査団は部隊の生活拠点を置く候補地も調べるが、イラクに派遣された陸自部隊が開設したような宿営地は設けず、既存の国連施設や民間の物件を借り上げる考えだという。

国連はジュバ近隣地域での活動も要請してきており、政府は施設部隊の中に分遣隊を設け、近隣に展開させる方針。ただ、4月~9月が雨期に当たる南スーダンでは未舗装道路がぬかるみ、陸路での移動が困難となるため移動手段として各国軍などにヘリの提供を求めることになるという。

 PKOへの自衛隊の部隊派遣は、少なくとも3カ月の準備期間が必要となる。調査団の報告を受け、首相が10月中に決定したとしても派遣は年明けになる公算が大きい。これでは出遅れ感が否めないため、海外派遣の専門部隊でもある陸自「中央即応連隊」を中心に先遣隊を年内に送ることも計画している。

 活動に必要な重機や物資は大半を海路でケニアのモンバサに送り、そこから陸路でジュバに運ぶ予定。空自C130輸送機やロシアの大型輸送機アントノフによる輸送も想定している。

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【用語解説】南スーダンPKO

 南スーダンは、アラブ系イスラム教徒主導の旧スーダン政府と南部の黒人キリスト教徒らの対立による20年以上の内戦を経て7月に分離独立した。インフラが未整備な上、南北国境で武装勢力の戦闘が続いており、国連安保理は同月、PKO部隊派遣を決議した。