秋篠宮殿下のお言葉(全文) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【地球環境大賞】




本日、20回目の節目を迎える「地球環境大賞」の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを、大変うれしく思います。また、このたび受賞される方々に心からお祝いを申し上げます。

 環境問題に対する人々の関心はここ数年来一段と高まってきており、とりわけ温暖化の防止や、生物多様性の保全については、世界全体で取り組むべき重要な課題であると考えます。また、本年は国際連合が定める国際森林年にあたり、世界中の森林の持続可能な開発、管理、利用の範囲設定など、地球環境の諸問題を考える大切な年にもなっております。

 他方、本年3月11日に東日本大震災が、また今月に入って台風12号による豪雨災害が発生いたしました。この2つの災害では大変残念なことに、多くの人々が亡くなり、行方不明となり、そしていまなお困難な暮らしを送っている方々が、多数おられることに心を痛めております。環境問題を考えるとき、このような自然災害について意識をすることも必要なことではないかとの思いを新たに致しました。

 さて、地球環境大賞は、1992年に地球環境と共生する産業の発展、そして持続可能な循環型社会の実現を目指し、環境への負荷が少ない製品や、そのための技術を開発し、地球環境に対する社会の意識向上を図ることを目的として創設されました。

 今年で20回を数えるこの賞は、産業界から始まり、自治体、学校、そして市民グループへと表彰対象を広げながら、環境活動に熱心に取り組む人々の真摯な姿勢を広く顕彰し、環境に対する意識を高めることに貢献してきたといえましょう。環境諸問題の重要性が認識されてきた今日、日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます。

 終わりに、受賞者をはじめとする皆様が、今後とも率先して、積極的な取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がり、地球が緑豊かな水の惑星として、末永く潤っていくことを願い、私のあいさつといたします。




草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員奮励努力セヨ。 

授賞式でお言葉を述べられる秋篠宮殿下=20日午後、東京都港区元赤坂の明治記念館(宮川浩和撮影)



草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員奮励努力セヨ。 

   秋篠宮ご夫妻のご臨席のもと第20回地球環境大賞授賞式が行われた。退席される秋篠宮ご夫妻

  =20日、東京・元赤坂の明治記念館(寺河内美奈撮影)