東北大震災発生は世界に衝撃を与えた。荒れ狂う津波に飲み込れていく家並み、瓦礫と化した街で呆然と立ちすくむ人々。唖然とするような壊滅的な光景だった。ただしCNBCやBBCなど主要な経済ニュースを見る限り、悲観的な意見はまったく聞こえてこなかった。
歴史的な大災害で日本が受けた被害は甚大だ。短期的には被害者の救出やインフラの復旧に莫大な支出を要する。多くの製造ラインが止まり、生産力が低下するだろう。しかし日本は世界一豊かな国だ。ふつうの国ならとても負担しきれない復興費用を全て自国のファイナンスで賄うことが出来る。従って中長期的には、日本は再び成長のチャンスを入手したコトになる。何しろ日本は「需要不足」に悩んでいた。災害に見舞われのとは不幸だが、巨大な需要がもたらされたのはラッキーだ。こんな論調だった。
こうした意見は特殊ではなく、世界中でおおかたの経済人に共通した見方だと思う。世界一の債権国だし、国内に最高に洗練され安定した巨大市場を抱え、知恵と技術で莫大な貿易黒字を恒常的に生み出す黄金の国Japan。90年代初頭のバブル崩壊以降、低成長とデフレが続いているのは極端に大きな生産力に比して需要が不足しているからだと見抜いている。ここに復興需要が生まれた。おっ、コレは日本の力強い躍進が始まりそうだぞ、そう感じたに違いない。
実際に海外では、日本の将来が真っ暗だと云う話は聞かない。これからは支那の時代だとか、躍進する韓国 が日本を抜くなんてトンデモ話も聞いたことがない。これらはわが国のマスコミが日本人を騙すために垂れ流すプロパガンダの類だ。昔も今も、日本は常に国際社会を指導する大国のひとつ。そしてアジアの盟主だ。民主主義国家として機能し、国民が自由と繁栄を謳歌し、誇るべき信頼を勝ち得ている国なのだ。だからこそ通貨への信用度もとびきり高く、嫌になるほどの円高だ。
ちなみに政治の混迷は知れ渡っているし、民主党 が北朝鮮 とも近しい出鱈目な政党であることも認識されている。でも政府与党が大馬鹿でも役所や民間がしっかりしているから、瓦礫の除去なども勝手に着々と進んでしまう。このあたりは世界の国々がひっくり返っても真似の出来ないこと。きっと神業のように見えるだろう。
さて、そうこうするうちに大震災から半年が過ぎたものの、本格的な復興計画にも至らなければ、成長への足掛かりも掴めていない。全て民主党 政府の責任だ。何もしないどころか、不必要に原発を止めようと企むなど、一種のサボタージュを働くからだ。いい迷惑としかいいようがない。
その上、更に経済にダメージを与えようと思ったか、増税すると云う。5%とか10%とか所得税を上げるんだとか。なぜ、デフレ 下で悪影響しか生まないような愚策に走るのか、理解できない。だって貧血気味の人間から生き血を吸うようなもんじゃないか。
財政再建などと盛んに云うけど、そもそも政府は民間の余剰資金を吸収しているだけで「借金」しているわけじゃない。増税して再建なんて無意味だし、経済全体のパイを萎縮させるだけで、債務圧縮にはつながらない。
今必要なのは増税じゃなくて、大型国債の発行だ。世界が期待する、日本が自国内で出来るファイナンスだ。そして、政府の公共投資による復興事業だ。10兆円でも20兆円でも50兆円でもいいから国債 を発行し、政府ががんがん公共事業をすすめればいい。社会インフラの再構築なんて民間がちょろちょろやるわけにはいかないからだ。こう云うと、人によっては50兆円の国債をどうやって償還すると心配するけど、経済成長によってパイが大きくなれば税収だって自然に大きくなる。
ついでに云うと、日本国民のためにならない支出を削除するのは当然だ。不良外国人に生活保護を渡す社会福祉政策など必要ないし、朝鮮学校 を含む外国人学校無償化なんて論外だ。こんなつまらない政策だけを進める一方で、復興の青写真も描けぬまま、増税だけを主張する野田民主党 。野田と云う男は水の飲み方だけでなく、頭ん中がおかしいと思う。