「権利侵害ない」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








靖国合祀訴訟で控訴棄却。




沖縄戦で戦死した肉親を靖国神社に無断で合祀(ごうし)したのは違法だとして戦没者の遺族5人が国と靖国神社に合祀の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が6日、福岡高裁那覇支部で開かれ、橋本良成裁判長は「合祀により法的救済を求めることができるような権利、法的利益が侵害されたとはいえない」などとして、訴えを退けた一審判決を支持、控訴を棄却した。

 裁判では、合祀に当たり、国が靖国神社に戦没者の情報を提供したことが共同不法行為に該当するかどうか、合祀されることで遺族らが法的救済が必要とされる程度の権利や法的利益の侵害を受けたといえるか、国による情報提供行為が政教分離の原則に反し遺族らに対する不法行為に該当するかどうかーが争われた。

 この日の判決で橋本裁判長は、国の共同行為性については「情報提供行為等は神社が合祀を行うための付随的な事務である」とし、「国が神社の合祀行為を主導的に推進し、または情報提供行為等が神社の合祀及び合祀継続行為の一部を構成しているとまではいうことができない」と一審判決を踏襲。

また、遺族らの権利、法的利益の侵害については、「信教の自由の保障は、強制や不利益の付与を伴うことにより信教の自由を妨害するものでない限り寛容である」と述べ、「合祀によって戦没者の追悼等が妨げられ、神社の教義の信仰等を強制されたものといえないから、法的救済を求めることができるような権利、法的利益が侵害されたとはいえない」と断じた。

 政教分離原則については、「政教分離規定は、私人の信教の自由が直接侵害されない限りは私人との関係では国家賠償法上違法であると評価されない」とし、「合祀によって権利や法的利益が侵害されたとはいえない」と判示した。

 今回の判決に國學院大の大原康男教授は「過去に原告に対してリップサービスをするなどねじれ判決があったが、今回は裁判所が司法の謙抑主義をまっとうした」と評価した。