「夕刻の備忘録」 様のブログより。
「ゴミ処理」が済むやいなや、自称「側近」から洩れてくる「あの日の出来事」。退陣後僅かに三日である。本来、この種の話は「棺桶の中まで持って行く」のが常識である。少なくとも主な関係者が物故するまでは、軽々に話さないのが常識である。たとえそれが、何処で何を食ったといった程度の話であっても、「分かる人には分かってしまう」、その日そこに居ること自体が問題視される場合もある。従って、「側近」を自称する人間ならば、貝になるのが当然なのである。それが僅かに三日で以下の記事である。
菅前首相側近の寺田氏「不信任可決なら総辞職だった」
幻の議員辞職計画 (政治部 水内茂幸)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110904
/plc11090418010010-n1.htm
単に長いだけで、引用するのも憚る程度の低い記事なので、中身を読みたい方はアドレスを辿って頂きたい。話す馬鹿も馬鹿なら、聞く馬鹿も馬鹿である。馬鹿を煽てて、「秘中の秘」を探り出すのなら、これぞ記者魂との讃辞もあろうが、大半は自称「側近」の自慢話であり、「ゴミ」の為の弁解である。
★ ★ ★ ★ ★
そして、最も理解し難いのは、取材場所が焼肉屋であり、記事の中にその紹介が執拗に混じっていることである。署名原稿で、いや署名原稿だからこそ出来た「離れ業」なのか、一体産経新聞の倫理感はどうなっているのか。これは「記者の食べ歩き」の欄なのか。「お勧め店の紹介」の欄なのか。記事は以下で締め括られているのである。
「一番館」東京都港区麻布十番1ー8ー11。
TAKADENビル1F。03(3587)0298。
営業時間は午前11時半から翌朝4時まで。
定休日は元旦のみ。
過去の記事を辿れば、【水内茂幸の夜の政論】という名称で同じ趣向の記事がある。その紹介文には
「夜の政論」は、旬の政治家になじみの店を紹介してもらい、
くつろいだ雰囲気で本音を引き出そうという企画です。
毎月1回掲載します。
となっている。実に陳腐な企画である。何しろ一番くつろいで見えるのは、記者本人なのだから。これだけ甘い切り口で記事を書くなら、別に相手をリラックスさせる必要もあるまい。自分がリラックスしたかっただけではないのか。
ましてや「政治家側のなじみの店」を、これだけの幅を取って「大宣伝」をするなら、「政治と焼肉の関係」を突くのが筋であろう。あからさまな「焼肉誘導」「焼肉利権」ではないか。単に「なじみの店を紹介して」貰ったのではなく、「なじみの店を読者に紹介している」のだから。
記者はどれだけその特権を利用して、前菜のサービスを受けたのか、ビールのお代わりを貰わなかったか、実に気になるところである。これではフジテレビ同様の「ステルス広告」ではないか。寺田が常連の店ならば、先ずは官房機密費と焼肉の関係から調査すべきであろう。
何しろ、麻生総理の「食後の一杯」をあれだけ叩いた新聞社なのだ。実際は、サラリーマンでも回数さえ抑えれば、気軽に出入り出来る程度の店であるのに、繰り返し繰り返しネタにしていた。その一方でルーピーが、一本「2500円也」のミネラルウオーターを出す会員制の店に出入りしていたことに関しては無言を貫いた。連日連夜、高級店に入り浸っていた前職に対しても、ほとんど紙面を割かなかった。寺田はその一味、その筆頭ではないか。
自民党なら「料亭」で、民主党なら「日本料理店」である。内閣総理大臣が「千円散髪」で済ませるからデフレになるのだ。議員会館にも床屋はあるだろうに、国民にそのわざとらしさを伝える記者魂は欠片も無いのか。
産経が政治家に求める倫理基準は、一体何処にあるのか。エリートがエリートとしての責任を果たし、それに相応しい店で、相応しい態度で、ゆっくりと自分の時間を過ごすことが罪悪で、意地汚い乞食根性丸出しの人間が、国民の税金を横領して高級店で下品な笑い声を挙げることが罪悪でないとは、実に不思議な感覚である。
自分もやってみたい、自分の下世話な虚栄心を充たして、精一杯下品に笑ってみたい。バーコード禿を掻き毟りながら、歯茎丸出しで、駄洒落を言ってみたいのだ。長年に渡って野党とマスコミが作り上げてきた、自民党大物議員のイメージそのままに。
何のことはない、これもまた唯の“自己紹介”であった。ハマグリ、山岡、北沢、脂ぎったオヤジは幾らでも出て来る。マスコミ関係者もまた然りである。絵に描いたような風貌で、絵に描いたような下劣な話をする人間が実際に居るのである。
だから今、目の前に居る「ゴミ」のことは黙っていよう。こんな半端な俺でも、何時の日か他人の金で飲み食いし、店長に「これは店からのサービスです」と奢って貰う日が来るに違いない。その日のために、「ゴミ」のことは忘れよう、という話だろう。
政治家に倫理を求めるなら、求める政治記者はより一層の倫理感を持たねばならない。当り前の話ではないか。こうした記事の金主が誰であれ、結果的に政治家の一存で店が決められ、その店の宣伝をすることが前提になっている企画なら、まさに政治家と政治記者と店の癒着構造そのものである。小さなことに文句を附けるな、細かいことでガタガタ言うな、という反論はお断りする。それは、そのままマスコミにお返ししたい反論だ。襟を正すべきは女工作員だけではない、マスコミこそ自戒し自制すべきである。
菅前首相側近の寺田氏「不信任可決なら総辞職だった」
幻の議員辞職計画 (政治部 水内茂幸)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110904
/plc11090418010010-n1.htm
単に長いだけで、引用するのも憚る程度の低い記事なので、中身を読みたい方はアドレスを辿って頂きたい。話す馬鹿も馬鹿なら、聞く馬鹿も馬鹿である。馬鹿を煽てて、「秘中の秘」を探り出すのなら、これぞ記者魂との讃辞もあろうが、大半は自称「側近」の自慢話であり、「ゴミ」の為の弁解である。
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そして、最も理解し難いのは、取材場所が焼肉屋であり、記事の中にその紹介が執拗に混じっていることである。署名原稿で、いや署名原稿だからこそ出来た「離れ業」なのか、一体産経新聞の倫理感はどうなっているのか。これは「記者の食べ歩き」の欄なのか。「お勧め店の紹介」の欄なのか。記事は以下で締め括られているのである。
「一番館」東京都港区麻布十番1ー8ー11。
TAKADENビル1F。03(3587)0298。
営業時間は午前11時半から翌朝4時まで。
定休日は元旦のみ。
過去の記事を辿れば、【水内茂幸の夜の政論】という名称で同じ趣向の記事がある。その紹介文には
「夜の政論」は、旬の政治家になじみの店を紹介してもらい、
くつろいだ雰囲気で本音を引き出そうという企画です。
毎月1回掲載します。
となっている。実に陳腐な企画である。何しろ一番くつろいで見えるのは、記者本人なのだから。これだけ甘い切り口で記事を書くなら、別に相手をリラックスさせる必要もあるまい。自分がリラックスしたかっただけではないのか。
ましてや「政治家側のなじみの店」を、これだけの幅を取って「大宣伝」をするなら、「政治と焼肉の関係」を突くのが筋であろう。あからさまな「焼肉誘導」「焼肉利権」ではないか。単に「なじみの店を紹介して」貰ったのではなく、「なじみの店を読者に紹介している」のだから。
記者はどれだけその特権を利用して、前菜のサービスを受けたのか、ビールのお代わりを貰わなかったか、実に気になるところである。これではフジテレビ同様の「ステルス広告」ではないか。寺田が常連の店ならば、先ずは官房機密費と焼肉の関係から調査すべきであろう。
何しろ、麻生総理の「食後の一杯」をあれだけ叩いた新聞社なのだ。実際は、サラリーマンでも回数さえ抑えれば、気軽に出入り出来る程度の店であるのに、繰り返し繰り返しネタにしていた。その一方でルーピーが、一本「2500円也」のミネラルウオーターを出す会員制の店に出入りしていたことに関しては無言を貫いた。連日連夜、高級店に入り浸っていた前職に対しても、ほとんど紙面を割かなかった。寺田はその一味、その筆頭ではないか。
自民党なら「料亭」で、民主党なら「日本料理店」である。内閣総理大臣が「千円散髪」で済ませるからデフレになるのだ。議員会館にも床屋はあるだろうに、国民にそのわざとらしさを伝える記者魂は欠片も無いのか。
産経が政治家に求める倫理基準は、一体何処にあるのか。エリートがエリートとしての責任を果たし、それに相応しい店で、相応しい態度で、ゆっくりと自分の時間を過ごすことが罪悪で、意地汚い乞食根性丸出しの人間が、国民の税金を横領して高級店で下品な笑い声を挙げることが罪悪でないとは、実に不思議な感覚である。
自分もやってみたい、自分の下世話な虚栄心を充たして、精一杯下品に笑ってみたい。バーコード禿を掻き毟りながら、歯茎丸出しで、駄洒落を言ってみたいのだ。長年に渡って野党とマスコミが作り上げてきた、自民党大物議員のイメージそのままに。
何のことはない、これもまた唯の“自己紹介”であった。ハマグリ、山岡、北沢、脂ぎったオヤジは幾らでも出て来る。マスコミ関係者もまた然りである。絵に描いたような風貌で、絵に描いたような下劣な話をする人間が実際に居るのである。
だから今、目の前に居る「ゴミ」のことは黙っていよう。こんな半端な俺でも、何時の日か他人の金で飲み食いし、店長に「これは店からのサービスです」と奢って貰う日が来るに違いない。その日のために、「ゴミ」のことは忘れよう、という話だろう。
政治家に倫理を求めるなら、求める政治記者はより一層の倫理感を持たねばならない。当り前の話ではないか。こうした記事の金主が誰であれ、結果的に政治家の一存で店が決められ、その店の宣伝をすることが前提になっている企画なら、まさに政治家と政治記者と店の癒着構造そのものである。小さなことに文句を附けるな、細かいことでガタガタ言うな、という反論はお断りする。それは、そのままマスコミにお返ししたい反論だ。襟を正すべきは女工作員だけではない、マスコミこそ自戒し自制すべきである。