【皇室ウイークリー】(195) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








「女性に大人気」53年前の陛下の旅。
サワガニ、花火、キャンドル…愛子さま夏満喫。





8月11日から那須御用邸(栃木県那須町)で静養していた皇太子ご一家は9月1日、帰京された。ご一家は夕方、新幹線でJR東京駅にご到着。水色のワンピース姿の愛子さまは、かごのバッグを持たれていた。

 皇太子ご夫妻は改札前に集まった人々に笑顔で手を振られたが、皇太子妃雅子さまの表情は少し硬く、お疲れだったのかもしれない。ご一家の到着前、宮内庁職員がカメラをもった人々に「3殿下はお疲れのため、写真撮影はご遠慮ください」と声をかける場面もあった。

 那須滞在中のご様子については、2日に開かれた宮内庁の小町恭士東宮大夫の会見で、「御用邸内外でゆっくりお過ごしになりました」と説明があった。

 小町氏によると、今年は那須どうぶつ王国(8月24日)、りんどう湖ファミリー牧場(21日=夜には花火をご覧に、23日)、東急ハーヴェストクラブ那須(22、23日=プールなどが目的)、那須ステンドグラス美術館(26日)などへ出かけられた。このうち、那須どうぶつ王国については、皇太子妃雅子さまはお疲れのため同行されなかった。御用邸内では昨年同様、サワガニ取りも楽しまれた。愛子さまの友達やその家族らも、場所によっては行動をともにしたという。

 また、敬宮愛子さまは工房でガラスやキャンドルづくりも体験された。26日にはご一家で茶臼岳に登る計画を立てられていたが、天候不順のため中止になったという。

 雅子さまが病気療養中であることなどを鑑み、宮内庁東宮職では、静養中の取材を行わないよう報道各社に「お願い」しているが、静養中の様子を報道したとして、フジテレビと日本雑誌協会に対し、協力を求める書面を申し入れたという。日本雑誌協会を対象にしたのは、加盟社の一部週刊誌の記事を問題視したためだ。

一方、静養のため長野県軽井沢町と群馬県草津町に滞在していた天皇、皇后両陛下は8月29日、帰京された。

 27日、皇后さまは草津町で「第32回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」のワークショップ(体験型講座)に参加された。

 皇后さまはクラリネットとビオラの世界的な演奏家とともに、ピアノでモーツァルトの曲をご演奏。テンポについて「Quicker? More slowly?(もっと速く? それともゆっくり?)」と質問しながら、「ここが難しいところ」という箇所を、繰り返し練習された。

 ワークショップ後、クラリネット奏者のペーター・シュミードル氏は「皇后さまは本当に音楽的な方。常に好奇心、向上心を持たれ、一緒に音楽をするのが楽しい」。ビオラ奏者のルカ・ラニエリ氏も「皇后さまは、もっといい、新しい表現があるのではないかと模索される。ある意味、満足されないところが、プロだ」と感想を述べていた。

 陛下は2日、皇居・宮殿で野田佳彦新首相の親任式、新大臣17人と官房副長官3人の認証官任命式に臨まれた。

 皇太子さまは8月29日、東京国立博物館(東京都台東区)で開催中の特別展「空海と密教美術展」をご覧になった。

 国宝や重要文化財に指定されている仏像など70件が展示してあり、皇太子さまは約1時間かけて会場をまわられた。

 空海は優れた書道家としても有名だが、会場には自筆の手紙や巻物なども多数展示してあり、皇太子さまは「素晴らしいですね」と感想を述べられた。特に空海が最澄に宛てた自筆の手紙を見て「立派な書体ですね」と話し熱心に鑑賞された。

空海が嵯峨天皇に、書体に併せて使い分けるようにと、4本の筆を贈ったというエピソードを聞くと、皇太子さまは「(『弘法筆を選ばず』という)ことわざとは違うんですね」と話され、周囲に笑いが広がった。

 また、国宝の「両界曼荼羅図」を見て「どのような特徴があるのですか」とご質問に。数年前に足を運んだという京都・東寺の仏像の展示では「普段は見られませんね」と話しながら、仏像の背中側の様子をじっくりご覧になっていた。

 ところで、すでに発表されているが、天皇、皇后両陛下は来週9日から12日にかけ、北海道を訪問される。道によると、陛下の北海道ご訪問は4年ぶり8回目で、皇太子時代を含めると18回目になるそうだ。

 陛下が初めて北海道を訪問されたのは、皇太子時代の昭和33年、24歳のときだった。6月23日から7月10日まで、18日間の長期日程の「一人旅」で、札幌、旭川、網走、阿寒、釧路、夕張、函館、小樽などにある60カ所を回られた。「北海道一周旅行」として連日報道を続けた当時の新聞をもとに、53年前のエピソードを振り返ってみよう。

 飛行機では学習院大学の同窓生だったスチュワーデスがお世話をした。行きの機内で昼食を取られた陛下は、「操縦室が見たい」と席を立ち、「津軽海峡にさしかかるあたりから機長と副操縦士の間に座られ(中略)技術の進歩に感心されていた」(毎日新聞)という。

 道内での移動にはオープンカーがたびたび使われ、各地の住民は大喜びだったという。旭川市の自然博物館では、アイヌ民族についての風俗や生活をご覧に。ウラシチセ(ササ小屋)でアイヌの古老の話を聞いたり、「鶴の舞」を堪能したりされた。夕張市では炭坑ストについて労使の話を聞かれた。

また、旅の終盤には同行記者団との会見があり、北海道について「土地が広いのに人口が少なく将来性がある」、女性の印象について「一般に色が白いですね」などと述べられた。読売新聞は「きさくなプリンス 若い女性間に断然人気」と、記者の印象を見出しにしてこの旅を総括している。

 今回の北海道では、両陛下の移動距離は約400キロになられるという。これに対し、昭和33年の陛下のご旅行は6倍の約2400キロだった。今回は国際微生物学連合の式典出席が主な目的で、札幌市の魚類関連施設や、白老町のアイヌ民族博物館なども訪問される。

 勤務先の立命館大学衣笠総合研究機構の業務で、スウェーデンとエストニアを訪問していた寛仁親王殿下の長女、彬子さまは8月29日午前、成田空港に帰国された。

 一方、高円宮家の三女の絢子(あやこ)さまは同日、在学する城西国際大学の福祉研究の授業に参加するため、成田空港からカナダに向け出発された。児童福祉や子育て支援の調査、視察などを行われる。

 各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮ご夫妻は8月29日、宮邸で、外務省国際法局長から進講を受けられた。

 秋篠宮さまは2日、宮邸で、世界自然保護基金ジャパン会長らから年間活動について説明を受けられた。

 秋篠宮妃紀子さまは8月30日、宮邸で、ガールスカウト日本連盟会長らから、同連盟の活動状況について説明を受けられた。

 2日、結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)で、東日本大震災における被災地支援活動報告と震災対策検討会に出席された。

常陸宮ご夫妻は8月28日、昭和女子大人見記念講堂(東京都世田谷区)で、アジアユースオーケストラ2011東京公演を鑑賞された。9月1日には、東京都慰霊堂(東京都墨田区)で、関東大震災と都内戦災遭難者の秋季慰霊大法要に臨まれた。

 高円宮妃久子さまは8月28日、ホテルグランドパレス(東京都千代田区)で、第27回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会授賞式に臨まれた。31日、セルバンテス文化センター(東京都千代田区)で、日本・ウルグアイ外交関係樹立90周年公演とパーティーに出席された。

 高円宮家の長女、承子さまは28日、国立代々木競技場第1体育館(東京都渋谷区)で、2011JAPAN CUP チアリーディング日本選手権大会に臨まれた。