「濃厚な足跡」そして「無念」・・・拉致問題は国家維新を促す。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「西村慎悟の時事通信」 より。



一昨日、昨日と本時事通信で、日本人拉致被害者救出が、如何に我が国家にとって重要な課題かを指摘し、今こそ、挙国一致そして一致団結してこの課題克服のための内閣を造る時がきたと書いた。
 そして今朝も、三度目に言う。その為の具体的方策は、党派の枠を超えて拉致被害者救出の中心人物である平沼赳夫拉致議連会長を内閣総理大臣に指名することだ。

 さて、二日連続の時事通信に続いて、本日は、午後から堺東の街頭で広報活動を行い、国家の大事である拉致被害者救出問題に我が国家の存亡がかかっていると述べる。そして、明日二十七日は、北海道に飛び、札幌で、救う会北海道主催の「拉致被害者救出集会」に参加して横田ご夫妻とともに講演する予定だ。八月十五日の靖国神社参拝以来、拉致問題が脳裏から離れたことはない。
 衆人皆酔うも我一人醒めているのか、もしくは、我一人酔っているのか。
 国家の衰退という観点から見れば、リビアのカダフィー政権末期よりも更に低調で嘆かわしい菅政権末期において、国家のために拉致被害者救出という国の大事を説き続けろ、という使命を頂いているようだ。

 ところで、表題の「濃厚な足跡」そして「無念」のことから始める。
 「濃厚な足跡」とは、
 平成十四年九月十七日の夕刻、訪朝している小泉総理からの「残念ですが、貴方の娘さんは既に死亡されています」という伝達(死亡宣告)を東京の外務省飯倉公館で受けた横田めぐみさんの母早紀江さんが直後の記者会見で発した言葉である。
 早紀江さんは、拉致問題を、「ほんとに日本にとって大事なことでした、北朝鮮にとっても大事なことです」と位置付け、その中で「めぐみは犠牲になりまた使命を果たした」と述べた。その次に、「いずれ人は皆、死んでいきます。本当に濃厚な足跡を残していったのではないかと、私はそう思うことでこれからも頑張ってまいります。まだ生きていることを信じ続けて戦ってまいります。皆さん、めぐみを愛していただいて、めぐみちゃんのことを報道していただいて、ありがとうございます。」と結んだのだ。(数年後、北朝鮮が提出した遺骨はめぐみさんとは別人のもので、めぐみさんは生きていることが確実となった。)
 また「無念」とは、
 同年十月十五日の拉致被害者五名の帰国を受けて、十月二十日の皇后陛下のお誕生日に述べられた皇后陛下のお言葉である。
 皇后陛下は述べられた。
「一連の拉致事件に関し、初めて真相の一部が報道され、驚きと悲しみとともに、無念さを覚えます。
 何故私たち皆が、自分たちの共同社会の出来事として、この人々の不在をもっと強く意識し続けることができなかったかとの思いを消すことができません。」

 諸兄姉、
 横田早紀江さんの発言を横で聞いていて私は、戦後日本の空洞に愕然とし、めぐみさんの「濃厚な足跡」が戦後国家を揺るがし覚醒を促しているのを感じた。
 後日、早紀江さんに聞くと、全く考えることなく自然とあの発言が口から出てきたと言われた。
 やはり、その時、天が横田めぐみ、早紀江という母娘をして我が国家と全国民に、国の大事を語らしめたのだと思う。
 皇后陛下の「無念」とのお言葉は、
 国民が拉致されたことについて言われる以上に、拉致された国民をそのまま長年放置してしまった、我が国家と共同体のあり方に対して言われているように思われる。
 皇后陛下のお言葉に、「無念」との表現が顕れた事態に驚愕しないものは、日本国の政治家ではない。改めて、拉致被害者救出問題の重大性を指し示されたお言葉である。
 
 このまま拉致問題を放置してきた戦後体制の維新もなく、今のように漫然と進めば、いずれ日本は無くなるのである。
 まさに、これ以上の無念が、あろうか。

 そのうえで、今のマスコミを賑わす面々の顔を思い浮かべて書かねばならない。
 私は、朝に各マスコミを精査することをしない。つまりおおざっぱなのであるが、今の民主党の代表になると言って名乗り出ている者達と、元総理や元幹事長に対して、今朝当たりから、外交や安全保障について何も語らないという論調がやっと現れてきた。
 時あたかも、中国の漁業監視船と称する二隻の公船が、尖閣諸島の我が国領海内に「ここは中国の固有の領土、領海である」という電光掲示板を掲げて悠々と遊弋し、領海を侵犯して去っていった。
 これは、中国が、かつて南シナ海の南沙や西沙諸島をベトナムやフィリピンの漁民を追い払って武力制圧したときと同じやり口である。
 
 この中国の侵略行動を見せ付けられても、民主党代表候補達は、外交・安全保障を語らない。
 ましてをや、如何にして拉致被害者を救出するか語れと期待するほうが間違っている。これらは、北朝鮮の工作活動の網の中で泳いできて、北朝鮮に訪問させていただいてきた輩である。
 驚くべきことだが、国民を救出する側(日本)より拉致する側(北朝鮮)に取り込まれている輩である。
 もう多言を要しない。三島由紀夫の次の言葉を借りるのが一番適切だ(自決四ヶ月前)。
 この民主党代表選に群がる輩は、
「日本はなくなって、その代わりに、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目のない、」
やつらなのだ。つまり、彼らには、ソフトバンクの仕事がよく似合う。決して、日本国の政治の場に似合わない。

 諸兄姉、最後にまた同じことを申したい。
 永田町のぼけた連中の頭に、「国家」を吹き込もう。
 
 国民を救えない国家に、領土が守れますか。
 国民を救えず領土を守れない国家が、存続しますか。
 抜本的解決は、拉致された国民を放置した戦後体制から脱却すること、つまり、具体的に、拉致被害者救出を実現する政治体制を作り上げること。
 これが国家の誇りと尊厳を回復して維持し、国民を守り、領土を守り、資源を守り、通商路を守り、経済を守り、国民生活の安泰を確保することに繋がる国家存続の大道だ。
 
 国難に際して、明治維新は幕藩体制を改めた。
 現在唯今の国難に際して、維新とは戦後体制を改めることだ。





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