御巣鷹山で遺族ら慰霊登山「娘を近くに感じる」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110812/dst11081209210005-n1.htm
520人が犠牲になった昭和60年の日航ジャンボ機墜落事故から26年を迎えた12日、遺族らが墜落現場の御巣鷹(おすたか)の尾根(群馬県上野村)を目指し、早朝から慰霊登山を行った。今年は「空の安全」に加えて、東日本大震災で亡くなった人々の鎮魂も願われた。
木々の切れ間から強い日差しが照りつけるなか、遺族らは山道を一歩一歩踏みしめながら登り、標高1565メートルの尾根の各所に散らばる墓標に献花した。
事故で長女、淳子さん(20)を失った泉谷明造さん(77)=大阪府河内長野市=は、この日が69回目の慰霊登山。毎年、春の山開きと秋の閉山時にも欠かさず訪れている。
午前6時台から妻と長男とともに登り始めた泉谷さんは「26年たっても寂しさは変わらないが、この場所に来るたび、娘を近くに感じる」と静かに話し、墓標に手を合わせた。震災についても「事故と災害は違うが、突然愛する人を奪われたという点ではわれわれと同じ。犠牲者の冥福を祈りたい」と思いをはせた。
尾根の頂上付近にある「昇魂の碑」の前では午前10時半、遺族らが集まり黙祷(もくとう)を捧げられ、シャボン玉が飛ばされた。
日本航空によると、この日は遺族や関係者ら約350人が慰霊登山を行う予定。午後には大西賢・日航社長が登り、献花する。夕方からは尾根のふもとの「慰霊の園」で追悼慰霊式が営まれ、稲森和夫会長らが出席する。
日航機墜落から26年目を迎え、慰霊登山をする遺族の女性
=12日午前、群馬県上野村(中鉢久美子撮影)
日航機墜落から26年目を迎え、安全を祈る鐘を鳴らす遺族ら
=12日午前、群馬県上野村(中鉢久美子撮影)
日航機墜落から26年目を迎え、石碑の前でシャボン玉を飛ばすこどもら
=12日午前、群馬県上野村(中鉢久美子撮影)


