「チキンレース」は非常識な方が勝つ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「夕刻の備忘録」 様のブログより。




単なる度胸試しのための無意味な競い合いを、俗に「チキンレース」という。リスクだけが高く、リターンは皆無である。その無意味なところが、痛い連中を引き寄せるのか、「野良犬」どものお気に入りである。

「チキンレースは非常識な方が勝つ」とは、自民党・平井たくや議員のカフェスタにおける発言である。確かにこれは事実である。無意味な争いで、非常識な人間に勝てる者はいない。その構造において「キチガイに刃物」と同じことである。

実母を名乗る二人の女に、自分が確かにそうであるなら、力尽くで目の前の子供を奪ってみよ、と大岡越前は罠を掛けた。そして、泣き叫ぶ子供に耐えきれず、先に手を離した方を「本物の母親である」と大岡は裁定した。作り話だとしても実に見事である。

見掛けの上の争いなら、確かに「非常識な方が勝つ」のである。
常識は前後関係に配慮するが、非常識は後先見ずに燃え尽きる。

そして、この平井議員の発言は、「自党の敗北を予言したもの」とも言える。国会での極めて低次元なやりとりは、非常識な方、即ち民主党が勝つのである。これまでもそうであったように。

彼等は野党時代、常に「圧勝」してきた。彼等には護るものがないからである。自らに誇りも持てず、党も愛さず、国家をも恨み、国民を蔑ろにする。こんな連中に恐いものなどあるはずもない。あらゆる人々を犠牲にして、自分の快感だけを追い求めてきたのである。

常にチキンレースを仕掛けてそれに勝つ。マスコミもまた、護るものを持たない連中である故、実に無意味なこのレースの傍観者となり、時に審判になり、時に賭けの胴元になって参加する。こうしてマスコミも利益を得てきたのである。

一方、自民党には護るべきものがある。国民であり国家であり、産業であり伝統である。自らが依って立つ信念である。従って、百戦百敗。外見上は常に負け続け、その裏で実利だけを追求してきた。その結果が、戦後の経済的な繁栄である。

もし自民党が、自らの安っぽいプライドを捨て切れず、チキンレースに勝利しようと企てていれば、この繁栄は決して為し得なかったのである。与野党共に無意味な根性試しに興じていれば、その結果国家はどうなるか。それは隣国を見ればよく分かる。そこに政治は決して存在しない。あるのは爬虫類の殺し合いだけである。

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只今現在、我が国の政府は、チキンレースを好み、ただそれだけで今日の地位までのし上がった連中に占拠されている。自民党の「正攻法」では、これに打ち克つことは出来ない。伊吹や高村の論を尽くした「説得」では、何も変わらない。「話せば分かる」は通用しない。

相手を論破する必要は無い、強引に叩きのめせばいいのである。
何故なら、たとえ論破されても、その意味が分からないからである。

その一方で、バカにされることだけは極端に恐れる。
バカだからである。
それが未だバレていないと思っているからである。
簡単に激昂する。そして自ら墓穴を掘って沈没するのである。
バカにはバカと言うべきである。
この目的に適う討論者は、衆議院の棚橋、参議院の西田。

同様に「無条件に相手を苛つかせる」議員もまた有効である。
その筆頭は衆議院の河野太郎、参議院の山本一太。
彼等の持つ負のオーラは、失言を誘う最も強烈な武器となる。

赤澤議員ももっと積極的に登用すべきである。
海江田を追い詰めたことは高く評価されるべきである。
あれでもまだまだ手ぬるいぐらいである。

理不尽にも辞任させられた中川昭一を思い出せ。
自殺するまで追い詰められた松岡農相を思い出せ。
その他、全く下らない問題で職を追われた多くの仲間を思い出せ。

彼等の姿を思い出せば、まだまだ追求が甘いと言わざるを得まい。
詰まらない批判に怯えて、力を緩めることがあってはならない。
泣きたいのは我々国民の方なのであるから。


本来、政治は「チキンレース」ではない。
総理を名乗る男が言うような「野良犬の喧嘩」ではない。

にも関わらず、野党時代と同様のチキンレースを仕掛けてくる民主党には、こちらも受けて立つ以外にあるまい。融和策など以ての外である。正面撃破以外に道はない。

マスコミは、盛んに「退陣のための条件の一つが、次はこの問題が……」と、如何にも自民党が協力して法案を通せば、首相退陣が実現するかの如く印象操作に励んでいるが、こんな幼稚な戦略に乗せられてはならない。連中は決して自ら下野しない。自分の決断で辞めることは絶対に無い。それはバカだからである。

自民党がこの戦いに勝つためには、非常識を恐れず、むしろ非常識に徹することが必要である。そして何よりも我々国民が、この三文芝居の裏側を暴いて、民主党の逃げ場を塞ぐ必要がある。そうすれば、自民党はその能力を発揮出来る。いや、そうしなければ発揮出来ないのが、「常識ある政党」であり、その弱点なのである。