皇居はホットスポット?
両陛下は16日、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)で、「日本体育協会・日本オリンピック委員会創立100周年記念祝賀式典」に臨まれた。
奉祝行事では、ロサンゼルス、ソウル両五輪の柔道95キロ超級金メダリストの斉藤仁さんが両陛下の前で柔道の演武「古式の形」を披露。両陛下は迫力ある取り組みを見て、盛んに拍手を送られた。
演武の最中、皇后さまは右手で左腕を握るようなしぐさをされていた。頸椎(けいつい)症性神経根症による痛みがまだ残っていらっしゃるのかもしれない。
さて、福島第1原発事故の影響で、国が指定した避難区域以外でも局地的に放射線量が高くなる「ホットスポット」が問題となる中、皇居がホットスポットだとする報道が週刊誌でみられている。報道では、関東各地で独自に放射線量を調査したとしており、皇居については先月、近隣より高い測定値が報じられた。
「放射線量を気にする親御さんもいる。報道後は、園児の散歩で皇居に行く回数を少し減らしました」。皇居近くにある保育所の関係者は、不安を口にした。
こうした報道を受け、実態を把握しようと、環境省は先月30日、皇居外苑の芝生上など計6地点で1時間あたりの放射線量を測定。二重橋前の砂利で0・15マイクロシーベルト、桔梗(ききょう)門近くの芝生で0・14マイクロシーベルト、楠公像近くの芝生で0・17マイクロシーベルト、北の丸公園内の3カ所で0・13~0・14まいくろシーベルトを観測した。
いずれも地表から5センチの数値で、環境省は「周辺で観測されている線量と変わらず、これまで通り利用してもらって問題ない」という見解を示した。
一方、壕の内側を管理する宮内庁は「一般開放されている東御苑や天皇、皇后両陛下のお住まいがある吹上地区を含め、皇居内で放射線量を調査することはしない」と静観している。
両陛下や皇族方が静養する那須御用邸(栃木)についても放射線量が高いと報じられたが、宮内庁の羽毛田信吾長官は14日の定例記者会見で「栃木県が精緻に頻度も高く状況を把握しており、問題ないと聞いている」と説明。宮内庁による独自の調査について「いまのところ何かをするつもりはない」と否定した。
宮内庁によると、宮内庁には、宝物のエックス線調査を行う正倉院事務所(奈良)に、放射線測定器が唯一あるだけで、皇居には置いていないという。
一方、両陛下や皇族方の身辺を守る皇宮警察には配備されているそうだ。関係者によると、放射線測定器は今回の原発事故ではなく、10年以上前に起きたある事件をきっかけに配備されたものだ。
平成12年6月、首相官邸や警察庁、宮内庁など10省庁に、放射性物質を含む鉱物が封筒で郵送される事件が起きた。当時の産経新聞は、封筒の物質は、放射性物質のトリウムを含む鉱物「モナザイト」の粉末で、約1マイクロシーベルトが検出されたと報じている。皇宮警察は同様の事案に備えるため、放射線測定器を導入したという。
ある幹部は「原発事故後、しまってあった測定器を久しぶりに出してみた。周辺を測定してみたが、大きな値は示さなかった」と話していた。
また、今週は女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」のワールドカップ(W杯)優勝で日本中がわいた。宮内庁は19日、天皇、皇后両陛下がこの快挙を心から喜び、佐々木則夫監督に祝意をお伝えになったと発表した。
両陛下は18日朝のニュースをテレビで見て決勝戦が続いていることを知り、実況中継の番組に切り替え、優勝決定までご覧になったという。
「祝意を伝えた」とは言っても、実際には文字通り両陛下が監督に直接電話したわけではない。側近の侍従を通じて、日本サッカー協会の関係者に対し思いを伝えられたということだ。
両陛下は、昨年南アフリカで開催された男子サッカーのW杯では、試合の多くを夜間に生中継で見たことを、大会直後に皇居を訪れた日本代表の岡田武史監督らに話されている。このときはゲームキャプテンの長谷部誠選手ら主力選手も両陛下がお住まいの御所を訪問。なでしこの面々も、両陛下に優勝を報告する機会があるだろうか。
また、昨年8月には、直前の大相撲名古屋場所で全勝優勝を果たした横綱白鵬関に、陛下から「お祝いの書簡」が届けられたこともある。
愛子さまに新たな「お姉さん」役。
皇太子ご夫妻の長女、敬宮愛子さまは22日、学習院初等科の1学期の終業式を迎えられた。愛子さまはこの日、午前8時前に皇太子さまとご登校。終業式にも出席されたという。約1時間後、皇太子妃雅子さまが初等科に入り、皇太子さまと付き添いを交代された。
下校時は雅子さまの付き添いはなく、東宮職の職員とともに徒歩で帰られた。雅子さまは約1時間後、車で東宮御所に戻られた。
宮内庁は21日、愛子さまの養育を担当する東宮職の出仕として、霜鳥加奈さんを採用した。宮内庁によると、出仕は「内親王(天皇の娘、女性の孫など)の日常のお世話をする方」だという。愛子さまには現在、霜鳥さんを含め、3人の出仕がいる。20代後半から30代の女性で、愛子さまにとって、“お姉さん”のような存在という。
過去には、天皇、皇后両陛下の長女、黒田清子さんに出仕がいた。だが、幼少期の皇太子さまや秋篠宮さまには付いていなかった。あくまでも内親王のお世話を専門とする役職というが、同じ内親王でも秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまや次女の佳子さまには出仕はいないそうだ。
宮内庁は「年齢に応じて、適任者を採用する」としており、愛子さまが5歳だった平成19年3月から4年以上出仕として働いた筒井美奈さんは20日付で辞職が承認された。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮さまは20日、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)で、所員会議に出席された。
秋篠宮妃紀子さまは19日、明治記念館(東京都港区)で、平成23年度特別研究員-RPD研究交流会に臨まれた。20日、宮邸で、平成23年度「ストップ結核アクション研修-効果的な結核対策実施に向けたオペレーションリサーチ強化コース-」研修生と懇談された。
常陸宮ご夫妻は20日、宮邸で、離任するデンマーク大使夫妻を引見された。
常陸宮妃華子さまは21日、日本橋三越本店(東京都中央区)で、「東日本災害復興支援 第53回慈彩会展」をご覧になった。
華子さまは19日、71歳の誕生日を迎えられた。
寛仁親王殿下の長女、彬子さまは19日、東京国立博物館(東京都台東区)で、特別展「空海と密教美術」の展の開会式と内覧会に出席された。
高円宮家の次女、典子さまは22日、23歳の誕生日を迎えられた。
日本体協とJOC創立100周年を記念して開催された祝賀式典で、あいさつされる天皇陛下
=16日午前、東京都内のホテル
日本体協とJOCの創立100周年を記念して開かれた祝賀式典に出席された天皇、皇后両陛下
=16日午前、東京都内のホテル