メディアで宣伝をがんがんやってるし、プロ球団をかかえてるし、社長は世界でも指折りの大金持ちって話だし、うん、それならきっとソフトバンク って優良企業なんだな、と思っている人は多いのかも知れない。でも決算報告を見れば、実は結構厳しい状況にある会社だなと判ります。
2009年度(2010年3月期)の決算報告書によると、売上高は2兆7600億円、営業利益4700億円と大きな数字だけど、税引き後の当期純利益は967億円しかない。で、リース 債務を含まぬ長期の有利子負債が何と、2兆2000億円。かってのボーダフォン買収によるものとは云え、とにかく莫大な借金を背負ってる会社なのです。
キャッシュフローは2008年度からプラスに転じたものの、台所は苦しそうで、設備投資 は年間僅か2000億円程度。競合相手のNTTドコモやKDDIに比較すると、桁違いに少なくて、だから回線状態が他社に太刀打ちできない構図ですね。
増収増益と云うけれど、好調の原因はアップルのiPhone 4。別にソフトバンク の技術とか独自商品が人気を得ているわけじゃない。全てはアップルの力です。
このiPhone 、アップル社の方針転換により、アメリカ では既に今年2月から、従来のAT&T独占をやめて、Verizonにも解禁。ソフトバンク はアップルとの独占契約はしていないので、日本国内市場でも他のキャリアがiPhone を扱う可能性はある。となれば、過大な債務を背負うソフトバンク 、孫さんの立場なら、さてどうしようかと悩んだとしても不思議はありません。
さて、いつの間にやら振って湧いたような再生エネルギー法案。どうやら詳細はまったく決まってないらしいが、「太陽光パネルで電気を作ってやるから国策として高く買い上げろ」と云う孫さんのアイデアなんだとか。
よい商品を作れば、市場が喜んで受け入れると云うのが、ふつうのビジネス。効率の悪い不安定な電気だけど、取り敢えず作るから国で買え、ってのは、ビジネスの常道を外れています。もしや、孫さんもソフトバンク も結構追いつめられた状態じゃないのかな。
借金に溺れそうになった孫さんが、藁をもつかむ心境だとしても、空き菅じゃいつまでも浮いてはいられない。早晩、沈んじゃいます。
そもそも、再生エネルギーなんてインチキ法案で、一私企業を儲けさせるための税金投入や電気料金値上げを、国民が許す筈ないんだもの。