「西村眞悟の時事通信」 より。
先日、畏友の南出喜久治弁護士から知らされたことであるが、東京の永田町では、憲法の改正規定である九十六条を改正することを目指した議員集団の会合が開かれたという。
憲法九十六条による改正は、「各議院の総議員の三分の二以上の賛成による発議」が必要であり、非常にハードルが高い。
従って、その改正要件を緩やかに改正して、憲法を改正しやすいようにしようというのが会合の目的である。
そして、会合には、保守系とされる議員が多く集まり、また趣旨に賛同したという。
之を聞いてから今まで、富山県砺波市や名古屋の会合で、机を叩いて話す機会は数度あったが、今朝になって京都の画家の中尾新也さんにメールしているとき、未だ本時事通信に書き込んでないことに気付いた。
よって、今まで話してきた時の雰囲気に忠実に書き込んでおく。乱文失礼。
1、無効なものを改正してどうするのだ。
「憲法九十六条の改正規定を改正する会」を呼びかけた者と集まった者は、一体、我が国家のことを、考える能力がないのか考える意思がないのか。
彼らは、中学校で憲法を習ってから、何も学ばずに国会議員をやっているとしか考えられない。
もちろん、中学校では、昭和二十二年五月三日に施行された憲法は「有効」であるという前提で教えている。従って、その段階で学ぶことを止めれば、五十歳になっても六十歳になっても「有効」だと思っていることになる。
しかし、政治家たる者、我が国の歴史と、そこからもたらされた現在の状況を見つめて深思し、我が国の将来のために、「その憲法」が有効か無効かを見抜かねばならない。
それが、政治家の責務ではないか。
2、では「その憲法」は有効か無効か
無効に決まっているではないか。
およそ考える能力があれば結論はこうなる。
従って、中学生に、「その憲法」の公布と施行に至る歴史、つまり、我が国の敗戦と連合軍の軍事占領、その占領の目的、占領下の日本では検閲が徹底して言論の自由が奪われ、国民は真実を知らされていないこと、憲法を起案した者はアメリカ人であったこと、等を教えれば、その教室では、「憲法」は、我が国の憲法としては無効だという結論しかでてこない。
3、無効なものを改正する効果は
それは、無効なものを未来永劫定着させる結果をもたらす。
もともと、この憲法を我が国にもたらした連合軍の意図は、日本の弱体化であるから、之が定着し続けるということは、我が国の亡国をもたらす。
従って、改正規定を改正して改正しやすいようにするなどということは、亡国の無効憲法を我が国に定着させる、まことにおぞましい亡国の所為である。
3、戦後体制をもたらしたものは何か
安倍内閣で「戦後体制からの脱却」が謳われた。
大賛成である。
では、脱却すべき戦後体制をもたらしたものは何か。
それこそ、昭和二十二年の被占領中に施行された憲法である。
よって、戦後体制からの脱却とは、
即ち、憲法からの脱却であり、それは即ち、憲法の無効確認ではないか。
それを、何か!
こともあろうに、戦後体制からの脱却論者が、
無効な憲法を改正して無効なものの定着、つまり戦後体制の固定化を謀るとは何事か!
4、では、昭和二十二年施行の「憲法」が無効ならば、我が国の真の成文憲法は何か
それは言わずと知れたこと。成文の憲法は、
明治二十三年十一月二十九日施行の大日本帝国憲法である。
九十六条の改正規定を改正する会に集まった者達、びっくりしたか。
しかし、東日本の巨大地震と中共の軍事的巨大化という国難に遭遇している今、我が国の万世一系の天皇を戴いてきた二千六百七十一年の歴史と国の形に思いを致せば、六十四年前に我が国の歴史も知らない外国人が、我が国の弱体化を図るために書いたものなどに係わることは無意味だと分かるはずだ。
5、これから為すべきことは
まず、国会議員たるもの、さらに地方議会議員、さらに在野の各種団体、およそ国家を思う組織は、それぞれ憲法無効の確認を為すべきである。国会や地方議会に関しては、出席議員の過半数で無効決議は為せる。
その上で!
日本弱体化の為に無効な憲法が禁じていた手枷足枷を外して、国軍を創設し国民が国家を守る体制を一挙に構築する。
これが、戦後からの脱却の具体的な第一歩である。
しかも、この第一歩を早急に踏み出さないと、我が国と国民は、早晩、中国の軍事的制圧下に引きずり込まれる。
従って、戦後体制をもたらした憲法の無効確認は、国家を救うための急務なのだ。
軽佻浮薄は、世の常である。
しかし、選良たるものは、衆人皆酔うも、一人醒めよ!
我が国家の高貴ある歴史と根本規範に目を閉ざして、
占領軍が残した無効な憲法の改正規定を改正するなどというペテンに引っかかっておれば、国を滅ぼすぞ!