死ねよ、東電!シリーズ「脅しの銃口」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「yohkan様のブログ・愛国画報 From LA」 より。




東電幹部は緊張の面持ちで、官房長官室に通された。大きな事務机の向こうに座る長官は、窓を背にしてシルエットになっている。


長官は黒い革張りのソファをあごで指し、着席を勧めながら、唐突に切り出した。

「呼び出して、すまなかったな。オヤジ(総理)の指示を伝えたかったんだ。」


何事かと訝る東電幹部を無視して、長官は続ける。

「例の注水の件だが、『中断はしていなかった』と証言しろ。用事はそれだけだ。」

東電幹部は驚き、絶句する。「・・・・・・・」


長官はゆっくりと立ち上がり、来客用ソファに歩きかけながら、語り出す。

「何を今さらと思うだろうが、嘘に嘘を重ねているうちにボロ が出始めた。誰が見たって、オヤジの指示が間違っていた。だからと云って、この非常時に嘘を認めるわけにもいかん。仕方がない。お前らが勝手に、注水を継続していたことにするんだ。」


「・・・ま、待ってください!」と、東電幹部の悲痛な叫び。

「既に中断の事実は世間に知れ渡っています。東電は、官邸と保安院の指示に従っただけだ。せ、政府は、われわれに嘘を強要するのですか!?」


鷹揚に構えた長官は、にやりと笑いながら云う。

「オヤジは息をするように嘘をつく。ここだけの話だが、あれは血筋だ。本人は嘘だとも思っちゃいない。その場、その場で思いつきを語る。だから後になれば辻褄が合わない。だけど、そいつを認めるわけにもいかん。」そして、真顔になった。

「ほんの少し、現実を捻じ曲げるだけだ。協力しろ。」


床に視線をおとしたままの東電幹部。無言の抵抗にいら立った長官は、背広の内側に隠していた拳銃をおもむろに取り出す。





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幹部に銃口を向け、長官は舌足らずな口調で脅しの言葉を吐く。

「・・・俺たちは革命政府だ。資本主義で甘い汁を吸ってきた大企業の連中をぶち殺すなんて、ワケもない。特に電力会社は日本経済の背骨だ。お前らは反革命分子なんだよ。わかってるのか。おいっ!」

引き金に手をかけた拳銃が、がちゃりと音を立てる。


「うわああっ!」怯えた東電幹部が顔面蒼白となって、ソファから転がり落ちる。

「ちちち、ちゅうちゅう、中断なんぞ、ししし、しませんでした。ずず、ずっと、みみ、水かけてました。すすす、すみません!ううう、嘘つきます。きょきょ、協力します!」

土下座した東電幹部の足元から臭い湯気が立ち上る。恐怖のあまり、失禁したのだ。



1時間後、大型TVに映る東電記者会見の様子を横目で見ながら、長官は国際電話をかけていた。

「・・・はい、全てご指示のとおりです。はい。・・・はい。・・・いや、心配無用です。野党も攻めようがないでしょう、東電が発言を翻したのだから。・・・わははは、いやいやいや・・・おみやげ?じゃ、お言葉に甘えまして・・・高級ワインを待ってます・・・はい、どうも。失礼します。」


電話を切ってから部屋を見回す長官。ふと来客用ソファの位置に目を止め、つぶやく。


「臭えな。小便垂れやがって・・・・。放尿くらい、中断すりゃいいものを」





(了)