尖閣衝突の中国漁船を「日中友好のレストラン船」に?
=香港紙。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0524&f=national_0524_244.shtml
香港紙、明報は24日、昨年9月に尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた中国漁船衝突事件で、一躍有名になった漁船に「商機」を見いだした中国企業が、漁船を競売にかけ、「日中友好のレストラン船」にする計画があったと報じた。また中国で「英雄」とされた漁船船長をイメージキャラクターに起用する商談もあったが、いずれも船長が断ったという。
今年1月、中国のオークション会社「北京佳士凱国際拍売公司」が北京で「中国初の特別人材オークション」を開催した。このとき、漁船衝突事件で逮捕・釈放され、中国で「英雄」となったセン其雄船長を招待し、イメージキャラクターとして「年俸100万元」(約1260万円)から競売にかけるとしていた。(センは「譫」のつくり部分)
しかし、セン船長は明報の取材に対し、招待を断ったと述べた。「ある人は私の名前を商標登録して、『セン其雄酒』を作って売れば儲かるぞと言ってきた。またある会社からイメージキャラクターになるよう誘われたが、行かなかった。もし本当にそんなことがあったら、国民は恥をかくし、政府にも迷惑をかける」。船長は、政府当局が許可しないとはっきり言い、「大局を考えないといけない」と主張した。
2カ月ほど前、セン船長はまた佳士凱から手紙(契約書)を受け取った。今度は事件の漁船「ビン晋漁5179」号を競売にかけたいという話だった。開始値は1000万~1500万元(約1億2500万~1億9000万円)。だが船長は取り合わなかったという。(ビンは門構えに「虫」)
明報は、船長の手元にあったという漁船の「競売委託契約書」を写真つきで報じている。オークション会社の提示した契約内容は、1500万元以上で売買が成立したら30%の手数料を支払うというもの。さらに売り出した「ビン晋漁5179」号は「日中友好のレストラン船」として経営すると宣言している。
セン船長によると、ほどなく政府がこのことを知り、250万元(約3150万円)で漁船を買い上げたいと言ってきたという。ただし船の出資者は3人おり、船長の取り分は3分の1になるようだ。船長は政府から「宣伝活動」をしないようくぎを刺されたという。
明報は5月初めにセン船長にインタビューしたとしており、日中首脳会談の終わった23日から漁船衝突事件の関連記事を一斉に報じている。23日の記事によると、セン船長は日本の「将兵」(海上保安庁職員)に「こん棒で殴られた」などと話している。
(編集担当:阪本佳代)