北スパイの暗躍を許すな。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【主張】米軍資料収集



北朝鮮からの不正輸入事件で逮捕された在日朝鮮人の自宅から、在日米軍に関する資料が押収されていた。日米の安全保障にかかわる問題である。同盟関係や国益は損なわれていないのか、背後関係も含め、徹底した解明と再発の防止が求められる。

 この資料は「米軍軍事郵便」と書かれた封筒の写真などを印刷した文書類で、「軍事機密書類」を示す記号もあった。郵便物は見つかっていないという。別の容疑者の自宅からは、北朝鮮の秘密警察にあたる国家安全保衛部の幹部と容疑者らが一緒に写った写真も押収された。

 逮捕された在日朝鮮人らのグループが郵便物をこの幹部に渡していた疑いが強い。このケースは氷山の一角とみられ、北との関係や組織的な諜報活動について、容疑者らを厳しく追及すべきだ。

 北朝鮮は昨年、韓国哨戒艦撃沈事件を起こし、韓国領の延坪(ヨンピョン)島を砲撃した。日本に向けたミサイル発射訓練も繰り返しており、一部は米国にも向けられた。「先軍政治」の北朝鮮が特に狙っているのが、日米韓3カ国の防衛・軍事機密であることは明白である。

 平成18年1月には、陸上自衛隊の最新型地対空ミサイルシステムに関するデータが朝鮮総連傘下の在日本朝鮮人科学技術協会に流出していたことが発覚した。3年前にも、韓国で脱北者を装った北の女性工作員が韓国軍将校らに近づき、情報を入手して北に送っていた事件が明るみに出た。

 今回の東日本大震災で自衛隊と米軍が共同で行った大規模な救援・復旧活動の詳細な情報なども狙われている可能性がある。警戒を怠ってはならない。

 在日朝鮮人らの直接の逮捕容疑は、経済制裁で禁止されている北朝鮮からの衣料品を輸入した外為法違反である。日本製の生地を北朝鮮で加工し、中国・大連の企業で「中国製」と偽装したうえで日本に持ち込んだとされる。

 不正輸出も後を絶たない。2年前も、核開発に使える磁気測定装置を東南アジア経由で北に輸出しようとした都内の貿易商社や、ミサイル運搬に転用可能な大型タンクローリーを中国の貿易会社を通じて北朝鮮の商社に輸出した京都府の会社が摘発されている。

 こうした核・ミサイル技術の流出には、とりわけ徹底した監視が必要だ。