歴代皇室のご慈愛。被災地への「祈りの旅」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【消えた偉人・物語】



東日本大震災の被災、被害は想像を絶する事態を生み、今もその災禍はさまざまな形で拡大している。被災地の方々の心痛はいかばかりかと心よりお見舞いを申し上げます。

 そのような人々の苦痛を少しでも和らげ、励まし、元気づけられるべく、天皇、皇后両陛下はご高齢の御身も厭(いと)わず、被災地を訪問され、お見舞いのお言葉をかけておいでである。

 東京、埼玉の避難所、千葉、茨城の被災地・避難所、そして宮城、岩手と6週連続でお見舞いをされている。両陛下は両膝を床につけ、一人一人の被災者にお言葉をかけられ、励まされる由である。手を振って立ち去られる両陛下に「ありがとうございました」とあちこちから声が上がり、広がり、大きな拍手となって両陛下をお送りした、と新聞は報じている。

 昔の教科書には天皇、皇后について書かれた話が載っている。

 「第一 皇后陛下

 皇后陛下はおちいさい時からしっそにあらせられ、又下のものをおあはれみになりました。皇太子妃にならせられましてから、ごじしんでかひこをおかひあそばしたり、いくさの時にははうたいをおつくりになって、ぐんじんにたまはったりなさいました。又皇后におなりあそばしてのちも、けういくのことやさんげふのことにお心をとめられ、まづしいものをおあはれみになるなど、ありがたいことがたくさんございます」(第三期尋常小学校修身書 巻三 大正八年)。

「第一 明治天皇

 明治天皇は常に人民を子のやうにおいつくしみになり、之と苦楽をともにあそばされました。(中略)又天皇はぢしん・こうずゐ・くわじなどのさいなんにかかった人民を度々おすくひになりました。

 愛知県で大えんしふのあった時、天皇ははげしい雨のふるなかでへいしと同じように御づきんをもめされず、御統監になりました。(後略)」(同・巻四 大正九年)。

 これらの教材を読む時、改めて日本の歴代皇室の慈愛の深さを尊く思う。このように常に国民と共にあって苦楽を共にされるお姿に我々は大いなる感謝と誇りを捧(ささ)げたく思う。世界に例のない125代に及ぶ一系の皇統の真価は実にここにあるといえよう。(植草学園大学教授 野口芳宏)



草莽崛起  頑張ろう日本! 

明治天皇について書かれた修身教科書