市民活動家とのみ連帯する総理大臣。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「夕刻の備忘録」 様のブログより。



毎度お馴染みとは言いながら、突然の「浜岡原発停止要請」。よほど記者会見が好きなのだろう。質問者が限定され、その内容も事前に知ることが出来、時間がくれば終わらざるを得ない記者会見こそ、最高の「情報発信の場」だと心得ているようだ。

「国民の皆様に重要なお知らせがあります」で始まった会見は、「国民の努力に期待する」で終わった。相も変わらぬ責任転嫁である。自分が何をする、政府として何をするということは一切言わずに、国民にお知らせすることは「オマエら努力しろ」である。

「願えば叶う!」

前任者はよく星空を眺めながら、両手でハートマークでも作って、この台詞を独り呟いていたように思える。「僕が願えば夢は叶うのだ」と本気で信じるバカだった。

さて、現職も同じ台詞を得意とするようであるが、こちらは人を見下し、怒鳴り散らしながら、「私が願えば叶うのだ、私の言った通りにしろ!」と暴れているようである。仮設住宅の問題では、自らこのことを白状していた。「盆までにとは、私の希望を言っただけだ」と。「私が強く言えば出来るはずだ」と。

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今回も全く同じパターンのようである。何の法的根拠も無く、地元への根回しも無く、代替電力の計画も無く、現地にも行かず、それは突然の記者会見から始まったのである。常に地域住民は置き去りである。国民の知らぬ間に全てが決まるのである。

はじめから国民の意見など聞く気も無い。気にしているのは、市民活動家の言動だけであろう。プロ市民やマスコミに受けることをやれば、後は彼等が大宣伝をしてくれるから大丈夫だと、高を括っているのであろう。

期待通りのコメントがネットの中に散見される。「自民党政権では絶対に出来ない英断だ!」というのがその典型である。それはその通りである。如何に自民党が無責任だとしても、何の事前通告も無く、閣内での摺り合わせすらなく、こんな無茶苦茶な「英断」など出来るはずもない。日本が火力依存を高め、石油争奪戦により深く関われば、最悪の場合、世界の均衡が崩れて戦争すら誘発しかねないのである。日本国民は、日本が世界屈指の大国であることを今こそ知るべきである。

支持率アップのパフォーマンスのつもりだったろうが、NHK記者が発した最初の質問、「夏場の具体的な電力対策は?」にすら全く答えず、ひたすら「危険だから止めます」「全国民の理解と協力を乞う」の一点張りであった。この瞬間に人気取りのパフォーマンス計画は水泡に帰した。何しろあのNHKや朝日ですら、絶句状態だったのであるから。

「法的根拠の無い要請をして、断れたたらどうするのか」という質問にも答えない。ただ説得するだけだという。原発が危険であろうと、利権の温床であろうと、電力が必要なのは事実である。国民が電気に依存した生活をしていることは事実である。その事実から目を背けて、唯々「国民の努力に期待する」というのである。要するに、実現しなければ中電が悪い、努力を怠った国民が悪い、という話だろう。

続いた海江田の記者会見も、全く無内容であり、具体案の欠片もない酷いものであった。総理からの要請という形で圧力を掛けるのは恫喝ではないのか」と聞かれて海江田は、「そんなことは一切考えていない」といった。そして、「相手が恫喝だと取ることに対する配慮はしないのか」と問い掛けても答は全く同じ、「そんなことは一切考えていない」であった。

これは、事故を起こした訳でもない中部電力に対しても、「配慮はしない、恫喝と取られても構わない」ということだ。質問の意図が分からなかったのならバカである。分かっていて答えたのなら、明白な民間企業への強権的圧力行使である。

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長期的には浜岡原発を停止し、廃炉にすることは理のあることだと考える。戦う相手が地震や津波といった何時起こるか予想出来ない自然現象では、対策が焦眉の急であることも理解できる。しかし、何時もながらの事とはいえ、ここまで場当たりのデタラメを繰り返されると、中電に依存している大手製造業は、もはや安定的な操業が出来なくなる。

「願えば叶う」と信じるのは勝手だが、二代続けて、日本国民の最低レベルの、そのさらに下に位置する妄想家をトップに戴いた我々国民の「願い」は何時叶うのか。

現内閣の最終試験、追試の追試は四月一日、彼等が勝手に防災服を脱いだ瞬間に「不合格」と決まっているのだ。大災害の渦中に内閣を替える危険を訴え、そうした政府主導のキャンペーンに乗った方々は、今一度深く考えて頂きたい。

これだけは断言出来る。自民党政権であれば、死なずに済んだ人が大勢居たことを。彼等には官僚とタッグを組み、長い年月を掛けて作り上げた各種マニュアルがある。防災計画や震災発生時に適用されるマニュアルもある。彼等自身が作ったマニュアルを、彼等自身が緊急時に否定するはずがない。従って、マニュアルは最大限その効力を発揮しただろう。それで最低でも六十点の合格答案が出せたはずだ。

民主党にはそうした準備が一切無かった。そして自民党の申し入れを徹底的に排除した。それが今の状況を作り出したのである。緊急時に思い付きで行動することがどれほど危険か。自身のアイデアに酔い痴れるバカがトップにいることがどれほど危険か。「六十点なんかで満足しない」とバカが吠え、満点狙いが零点になった。それが民主党政権の日常である。これらのことを考えれば、自民党であればここまでの異常事態は招かなかった、と考えるのが普通ではないか。

そしてこの種の見解を傍証してくれる事件を、日々民主党議員が起こしてくれているではないか。昨日の総理会見もまた、その一つであった。特定の国や、特定の思想を持つ人間の言うことだけを聞いて、国民の意見には全く耳を貸さない政府を潰そう。それを願い、そして行動しよう。