【東日本大震災】要員交代なく1カ月。
香川・新設14旅団 石巻、女川で懸命の活動。
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市と女川町。ここで懸命の支援活動を続けているのが香川県善通寺市に司令部を置く陸上自衛隊第14旅団だ。部隊規模が小さく要員を交代させる余裕はないが、物資輸送ではモデルケースとなるシステムを構築した。同旅団が活動を開始してから、17日で1カ月。全校児童の7割が不明となった小学校では「最後の一人まで捜し出す」と、がれきに分け入る日々が続く。(半沢尚久)
16日午前9時半、女川町の水産会社の冷凍庫。足を踏み入れると経験したことのない臭いが鼻をついた。前日に壁に穴を開け空気を通していたにもかかわらず、3秒ほどで目にも強い刺激を感じた。
「みんな慣れたものですよ」。男性隊員(42)はこともなげに話し、ゴーグルとマスクにゴム手袋姿で、黙々と残骸(ざんがい)を整理し始めた。この施設で作業を続けるのは、男性従業員1人が行方不明だからだ。
そこから車で1時間ほどの場所にある石巻市立大川小学校。14旅団は連日、約200人を投入し、残る10人ほどの児童の捜索にあたっている。
14旅団の担当エリアは石巻市東部と女川町で管内の不明者は1063人、避難者は4664人。3月18日に現地入りし、旅団総人員の3分の2にあたる1500人を送り込んだ。14旅団は平成18年新編で、陸自で2番目に新しいが、保有ヘリコプター6機のうち5機も派遣し、「最大限の人員・装備を展開した」(陸自幹部)という。
「師団(4千~6千人)であれば要員を交代させる余裕があるが、被災地の最前線で働ける人員は旅団では限界がある」。石巻方面調整所長を務める住田和明陸将補はこう指摘する。
14旅団は物資輸送のネットワークを独自に構築した。避難所に入っていない被災者の居住地をグループ化することで、物資のニーズをまとめて把握し、迅速に輸送も行う。高齢者や妊婦については個別に支援するきめ細やかさもあり、他の部隊でも適用すべきモデルケースと位置づけられている。
ある隊員(43)は「われわれがテント生活を送る宿営地と避難所は近く、毎日、被災者の方が温かい声をかけてくれるのが支えだ」と話す。
縁もゆかりもない地での必死の活動が、かけがえのない「絆(きずな)」を生んでいる。
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改めて、自衛官の献身的な活動に敬意を表します。
そして自衛官の殉職者を出さない為にも、交代制を導入してはどうか?