【from Editor】3・11大地震
ヘリコプター愛好家らで組織する団体が、被災地に無償で物資を運ぶボランティア活動を行っている。この団体は平成7年に設立された全国自家用ヘリコプター協議会。同協議会は東日本大震災の直後に、陸路からでは支援が難しい被災地でも、ヘリコプターなら迅速に物資を運べるため、いち早く支援に立ち上がった。
全国から送られてくる医薬品、飲料水、トイレットペーパー、生理用品などの生活必需品の一部は、宮城県柴田町のスポーツランド、菅生サーキットに集められており、同協会のヘリが同サーキットで待機、物資を積載して、孤立している被災地、避難所、学校、病院などへ空輸している。
これまでに延べ30カ所以上、約5千人に届けてきたという。小型機のため、1回に運べる物資は約140キロほど。
しかし、問題は燃料代。稼働可能なのは10機ほどだが、燃料の関係で、現在、稼働しているのは3機だけ。同協議会に加盟している東京都江東区に本社がある「おきだい」代表の土井勉さん(47)によると、3機の燃料代は1日フルに稼働して約40万円。これまでは自腹を切ったり、有志の援助でやってきたが、底をつきかけているという。
このため、急遽(きゅうきょ)、防災医療航空支援基金を立ち上げた。土井さんは「物資を必要としているところはまだまだたくさんある。届けるべき物資はあるが、燃料がないと届けられない。目の前にある物資を必要としている人に届けられないのは悔しい。何とか支援してほしい」と話す。
運ぶのは物資だけではない。東京医科歯科大学からは孤立集落への医師や看護師の派遣にヘリを利用できないか、との申し入れもある。また、お笑い芸人グループや歌手を派遣して、避難所などを慰問する計画も。
今回の震災では、「がんばろう、日本」を合言葉に、全国から物資、義援金など、多くの善意が寄せられている。が、迅速かつ的確に配分されないと、宝の持ち腐れになってしまう。せっかくのボランティアの民間ヘリコプター、彼らの働きが燃料切れで、エンストしてしまわないように応援したい。みなさんのご協力をお願いします。
防災医療航空支援基金の受付口座は三菱東京UFJ銀行木場深川支店普通口座0070568。問い合わせは(電)03・3521・2401。(編集委員 大野敏明)
辻本清美の悪行。