「日本沈没論」の快感。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【外信コラム】ソウルからヨボセヨ(もしもし)



韓国では昔から“日本沈没”論が大好きだ。この言葉の元祖ともいうべき小松左京の小説もすぐ翻訳出版されたし、近年の同名の日本映画もすぐ輸入上映されている。マスコミも何かというとすぐ「日本沈没!」といって快感(?)を楽しんできた。

 これは伝統的に日本をことさら“島国”といってバカにしてきたことと関係がある。北朝鮮は国連演説で日本を島国と非難し留飲を下げたつもりになっているが、自分たちが大陸につながる中華文明圏の優等生という“小華意識”の産物でもある。

 東日本大震災は当然、こうした日本観を刺激する。マスコミには早速、「日本沈没!」が登場したのだが、あまりの大災難だったせいかマスコミ内で「隣国の災難にそれは品がない」と自己批判が起きた。沈没論は快感だったからだ。

 その後、マスコミが先頭に立って「日本がんばれ」キャンペーンを展開し大募金運動になったのだが、今度は日本の教科書検定の結果、領土問題の部分で竹島(韓国名・独島)を日本の領土とする日本の公式立場が記述されているのはケシカランと、また大騒ぎしている。

 「あんなに日本を思ってあげているのに…」と不満なのだ。しかし日本は“沈没”の危機なのだから領土問題ではこの際、韓国が日本に譲ってはどうかな。

               

                                       (黒田勝弘)