「愛国画報 From LA」 より。
世界を感動させたヒーロー、Fukushima50。約10日前、高濃度の放射能が満ちる福島原発で、壮絶な復旧作業に挑んだ50人の男達。危険を覚悟しながら、国を救うため、愛する人を救うために志願し、暗闇の原発高炉で必死に働き、メルトダウンをくい止めた東電や下請け企業の社員達。
ABCなど米三大ネットワーク、CNNやFOX、BBCなど大手メディアが揃って彼らをFukushima50と呼び、勇気と犠牲的精神を褒め讃えたので、その名はあっと云う間に世界中で広まりました。
実際には、大半の作業者が避難した後、現場に残ったのは約200人だったとか。50人のグループに別れて、短時間づつ交代して作業したのなら、Fukushima200ではないかと思うけど、ま、細かいことはどっちでもいい。
東電に勤務する定年間近のお父さんが志願して原発に向かったと、その娘さんがツイートしたエピソードを、ABCなどが紹介。もちろん、アメリカ人も涙した。滅私奉公の精神が世界中どこでも通じる証拠です。日本人は凄い!と、とにかく賞賛の嵐になっています。
さて、ここで多くの人々が気にするのは、ところで、Fukushima50って誰よってこと。日本を、いや世界を大惨事から救ったヒーローは一体、誰なのだ?どんな顔してるのだ?どんな家族なのだ?なぜ、日本政府や東電は隠すのだ?って不思議がってます。
これがアメリカなら、Fukushima50全員の顔と名前が新聞の特別欄に掲載される。復旧活動を終えた途端、彼らは先ず会社で盛大に歓迎を受け、大臣や知事が感謝状やメダルを贈呈する。それぞれの地元ではパーティが開催され、家には花束や感謝のメールが山のように届く。たぶん、大統領だって感謝のメッセージを送ります。
ところが日本では無名のまま。英雄を英雄として讃えようともしない。勇気ある行動を正面から褒めることもしない。もちろん、原発問題がまだ解決できていないからって理由は大きい。でも、おかしいじゃないか、英雄に対して失礼じゃないか。これが世界の人々の感覚です。
Fukushima50のうち、既に5人は亡くなったと一部の海外メディアが報じています。デマだと信じたいけど、そんな噂が流れるのは、世界が消息をとても気にしているから。
菅内閣が今すべきは、英雄たちの名を挙げ、その消息を伝えること。本人達とご家族の名誉を日本人の鏡として讃えること。
そんな当たり前のことをしないから、日本政府や東電は、何か余程うしろ暗いことを隠していると疑われるのです。