【放射能漏れ】
北沢俊美防衛相は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉への注水作業について、米側が海水の注入に懸念を示し、真水に切り替えるため米海軍横須賀基地(神奈川県)からバージ(はしけ)船などの提供を申し出ていることを明らかにした。
具体的には、バージ船に真水を積んで福島第1原発の南約50キロの小名浜港に移動。訓練をした後、原発付近に展開し、オーストラリア軍がC17輸送機で輸送してきたポンプで原発まで送水する。空になったバージ船には自衛隊の補給艦から給水し、継続的に真水が注水できるようにする。
北沢氏は、バージ船による給水は、坂下ダム(福島県大熊町)からの送水を補完する役割だと強調した上で、「今朝、作戦の指示を出した。バージが小名浜に着くには2日間かかるようだ」と述べ、実施は週明けになるとの見通しを示した。
福島第1原発には現在、消防ポンプで海水を注入しているが、蒸発後の塩で機器が故障したり、パイプが目詰まりを起こしたりする恐れがあり、真水への切り替えを検討している。