「愛国画報 From LA」 より。
きっと猛烈な反論があるだろうけど、日本人は核や放射能への恐怖感が薄いみたい。政府官庁への信頼度が高いからか、電力会社のメディア対策が巧妙なのか、理由はさておき、「核は安全」と云う認識が浸透しています。
今回の福島原発、これだけの大事故なのに、何故か安全、安全の大合唱ばかり。核燃料封じ込めに失敗しても安全、放射能の基準を超えても安全だなんて、ちょっとなあ。それじゃこれまでの規格や基準は何だったんでしょ?
思い出すのは、1999年、茨城県東海村で発生した核臨海事故。核燃料事業者JOCの実験炉で突如、ウラン溶液が核分裂連鎖反応を起し、中性子線に被爆した作業者ふたりが死亡。700人近くが被爆したこの事故、首都東京の近郊でもあり、海外メディアは衝撃的な大ニュースとして報じました。
当時のクリントン大統領はじめ、欧米の首脳が日本に対して見舞いのメッセージを送っただけでなく、緊急救援隊の派遣案を発表した。メディア各社が予想される最悪の被害状況を次々とシミュレーションした。だんだん異様な緊迫感が漂ってきて、こちらも慌てて日本の実家や友人に連絡を取ったのです。
驚きましたね。東海村では自宅避難はあったし、被爆者もいたらしい、でももう収まったよ、めでたし、めでたし。電話の向こう側は、そんな感じで何処吹く風だったのです。とても冷静。何を大慌てしているのか、わからないって感じでした。
チェルノブイリの記憶が生々しい欧州人とは意識が違う。軍事民生両面で長年、核を現実的に捉えてきたアメリカ人とも感覚が違う。広島長崎で原爆を投下された悲惨さを思い出せば、多少のことでビクビク怯えていられるかいってな感じかな。
核の危険性を煽る気はないけれど、常に安全とは限らないのが現実です。仮に被爆しても、発病まで時間もかかるし、個人差もある。病気との因果関係はなかなか証明されにくいかも知れない。でも、放射能による健康被害はやはり怖い。と云うか、怖がったほうが身のため。
福島原発から放出され続ける放射性物質。気にしない人もいるだろうし、それぞれ自分で判断すればいい。でも自分で判断できない子供は守ってあげなきゃいけない。乳児や幼児、成長期の子供たちに与える影響は絶対に排除すべきです。
風向きや雨に注意して、降ってくる放射能物質は出来るだけ避ける。放射能汚染した食品は可能な限り摂取しない。「ただちに」健康被害がないと幾ら政府や専門家が繰り返しても、念には念をいれて、被爆を避ける努力を惜しんじゃいけません。
野菜の出荷停止に伴い「風評被害」なんて言葉が飛び交っているけれど、そんなものは致し方ない。所詮、世の中は風評だらけ。生産農家は別途どこかに補償を求めるしかないと思う。
子供たちの「健康被害」を避けるほうがずっと大事です。愛する国、日本の未来を担うのは彼らなのだから。