細川VS長妻 醜い責任なすり合い。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【民主崩壊】 ほくそ笑む野党



専業主婦年金の救済策をめぐる混乱は8日、細川律夫、長妻昭の新旧厚生労働相による醜い責任のなすり合いに発展した。違法献金問題で辞任した前原誠司前外相に続く「閣僚ドミノ」を狙う野党の格好の“餌食”となるのは確実。野党の攻勢を尻目に民主党では「菅降ろし」のマグマが噴きこぼれつつある。

(杉本康士、坂井広志)

 「引き継ぎ書の中にこの件はなかった。事前に救済策の内容を聞いていたら私なりの考えを話した」

 細川氏は8日の衆院厚労委員会で、長妻氏から救済策の引き継ぎがなかったことを暴露した。

 これに長妻氏の堪忍袋の緒が切れた。国会内で記者団に「救済策で不公平が発生することはあるが、負の遺産をいったん整理しなければならないと判断した。マスコミも入れたフルオープンの形で決定したので周知されているのではないか」と断じた。当時厚労副大臣だった細川氏が「知らぬはずがない」と言わんばかりだった。

 厚労省は当初、救済策の決定時期を課長通知が出された昨年12月と説明してきたが、国会で追及され始めると、長妻氏が厚労相だった昨年3月だったと説明を変えた。厚労省の政策に理解のある細川氏を守り、「嫌われ者」だった長妻氏に責任を押しつけようとの魂胆が透けてみえる。

 自民、公明両党は両氏の泥仕合に「1粒で2度おいしい」とほくそ笑む。

 細川氏が前原氏に続く「第2のターゲット」であることは間違いない。参院での問責決議を武器に閣僚の辞任ドミノを起こさせ、菅直人首相に衆院解散を促そうという算段だ。

ところが地味で目立たない細川氏を辞任させても世論へのアピール度は低い。そこで「ミスター年金」で知られる長妻氏を参院に参考人招致し、徹底追及することで民主党の党勢をそごうという「二正面作戦」を編み出した。

 公明党の坂口力元厚労相も衆院厚労委で「ミスター年金といわれた人が大事な問題を引き継ぎ書に書いていないのは問題だ」と長妻氏を指弾。自民党の田村憲久衆院議員も「長妻氏が決めたということでいいんですね!」と念を押した。

 民主党では、野党の攻勢になすすべもない首相や党執行部への不満は募る。

 「人の意見を聞かないオカダ(岡田)フィ。それを背後で動かすのがカン(菅)ダフィだ」

 8日、次期首相の座を狙う小沢鋭仁前環境相のグループ「国家ビジョン研究会」の会合ではこんな揶(や)揄(ゆ)が飛び交った。岡田克也幹事長の手法を「庶民に銃を向ける恐怖政治だ」と断じ、リビアのカダフィ大佐になぞらえた。首相はその独善性から「生気のないカダフィ」とも称せられる。

 8日の常任幹事会でも小沢一郎元代表に近い議員が「前原氏は党で処分しないのか」と岡田氏にかみついた。今や党執行部はリビアの首都トリポリと同様に陥落寸前だといえる。

 こうした動きを警戒した党執行部は、衆院当選1回生を集めた会合を開いた。平成23年度予算案の衆院採決時の造反劇を繰り返さないための「締め付け」が狙いだが、石森久嗣衆院議員は「出席をとるほどの会議か!」と食ってかかった。

 小沢氏支持派「一新会」の会合後、松木謙公前農水政務官はこう言い切った。

 「菅さんが一秒でも早く辞めることが大事ですね。自爆されちゃ困る。辞めてもらいたいものは辞めてもらいたい…」


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http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110309/plc11030900420000-n1.htm