天皇陛下に「ある程度の動脈硬化」
日常生活に支障なし。
天皇陛下は11日、東京都文京区の東京大学医学部付属病院で、心機能の精密検査を受けられた。同日夜会見した宮内庁の金沢一郎皇室医務主管らによると、心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈全体に「ある程度の動脈硬化」が認められるものの、激しい運動を控えれば、これまで通りの日常生活を送られることに支障はないという。陛下は当面、動脈硬化の治療のため薬物を服用される。
宮内庁によると、陛下は1月22日の健康診断で、激しい運動を行って心臓に負担をかけると、動脈血の流れが減少して心臓に必要な酸素や栄養が行き渡らない心虚血状態になられることが判明していた。今回の検査では、陛下の心虚血状態を引き起こす原因とみられる、血管の狭窄部分も見つかったという。
検査はカテーテル(細い管)を使い、心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管の状態を調べた。午前中に始まり、無事終了したという。病院には皇后陛下も同行し、医師の説明を聞かれた。
陛下は経過観察のため病院に1泊し、12日に退院される。
検査のため東大病院に向かわれる天皇、皇后両陛下=11日午前9時5分、皇居・乾門