英国に「皇太子ご夫妻検討」を連絡
常陸宮ご夫妻、大雪でお帰りが深夜0時に。
両陛下は1日、東京都台東区の日本学士院会館で、「第1回日本学術振興会育志賞」の授賞式に出席された。両陛下は、受賞した若手研究者17人に拍手を送られた。続いて開かれた記念茶会では全員と言葉を交わし、「研究を続けてください」などと激励された。
マダガスカル語の方言の記述について研究している京都大大学院生の西本希呼(のあ)さん(28)は、「若手研究者の士気を高める機会を設けてくれた両陛下に篤く御礼申し上げます」と、受賞者代表として両陛下の前であいさつした。
受賞者17人にはそれぞれ110万円が贈られる。また、希望すれば日本学術振興会に採用され、翌年度から最長数年にわたって月額20万円(特別研究員の場合)が支給される。
受賞者全員が2年間、特別研究員になると仮定すると、育志賞は1回につき、受賞者に支払うお金だけで約1億円がかかることになる。お下賜金はそのすべてを賄えるほど高額ではないため、国の予算をもとにした、日本学術振興会の運営金で補っているという。
両陛下は翌2日、静養のため葉山御用邸(神奈川県葉山町)に入られた。宮内庁によると、3日、御用邸近くの海岸を両陛下で散策されたという。4日午後には秋篠宮妃紀子さまと長男の悠仁さまも合流された。5日に秋篠宮さまも加わり、家族水入らずのひとときを過ごされる。
秋篠宮ご夫妻はこれに先だって中米コスタリカを公式訪問しており、1日、経由地の米ニューヨークから民間機で成田空港に帰国されたばかり。ご夫妻はコスタリカの感想を発表し、「世界でもっとも有名な雲霧林のひとつでもあるモンテベルデや生物多様性研究所(INBio)への訪問は、私たちにとって非常に有意義なひとときでした」と振り返られた。
モンテベルデはエコツアーの観光地として有名な場所で、ご夫妻はこの地で緑や赤の鮮やかな羽を持ち「幻の鳥」「世界一美しい鳥」と呼ばれるケツァールとご対面。羽ばたく様子などをカメラで撮影されたという。
4月29日にロンドンで行われる英王室のウィリアム王子とケイト・ミドルソンさんの結婚式について、宮内庁は今週、皇太子ご夫妻が出席される方向で調整していることを明らかにした。
病気療養中で、4年以上海外訪問のない皇太子妃雅子さまが、皇太子さまと一緒に出席されることはできるのか…という点が注目を集めている。宮内庁関係者によると、その後、英国王室側にも皇太子ご夫妻の出席で検討を進めることを伝えたため、仮にお二方で出席できないことになっても、代わりにほかの皇族方の出席が検討される可能性はほぼなくなったという。
「出席される、と連絡した後に、欠席に転じることは避けたい」(宮内庁幹部)との配慮から、ギリギリまで雅子さまのご体調を見極めるため、今後英国から招待状が届いても、出欠についての判断を、可能な限り先に延ばす可能性があるとみられる。
宮内庁の野村一成東宮大夫の4日の定例会見でも、雅子さまの出席の可能性について質問が繰り返されたが、野村東宮大夫は「招待状が届いていない段階でお話しするのは控えたい」「どういうご招待があるのかを正式に把握しないで推測に基づいて話すのはよくない」などと、慎重な言い回しに終始した。
宮内庁の風岡典之次長による31日の記者会見をもとに、今回の経緯を振り返ってみよう。
まず1月27日、エリザベス女王の意向として、天皇、皇后両陛下のご出席の可能性について尋ねる打診があった。だが、ご出席が難しいため、「仮に招待をお受けにならない場合は、女王陛下が皇族の誰かを招待していただけることに問題はないか」と宮内庁側が28日にファクスで返答。すると翌29日、英国側から宮内庁の式部官長に電子メールで、「仮に両陛下がご出席頂けない場合には、喜んで皇族の方をご招待したい」とする回答があった。
宮内庁はこれを踏まえ、両陛下にもご相談をした結果、皇太子ご夫妻が出席される方向で調整することが決まった、というのが今回の流れだ。
ところで、ウィリアム王子は、英国の王位継承順位が2位。皇太子さまが“格が上”になられるため、今回は異例の人選だとする意見が週刊誌などでみられている。
風岡次長はこの点について、「いろいろな考え方がある。例えば、ヨーロッパの王室はいろんなつきあいがあるから、格でやるというわけでもないように思う。それぞれのご招待があったときに、総合的に判断して、ということ」「先方のご招待の考え方みたいなのを加味しながら判断する。ある国は大事にし、ある国は機械的に、ということではない」などと説明している。
ところで今週は、強い寒気のため日本海側を中心に大雪に見舞われたが、皇族方のご公務にも影響が出た。
1月28~30日にかけて、「常陸宮賜杯第61回中部日本スキー大会」のため、石川県を訪問された常陸宮ご夫妻。29日午前に、白山市でクロスカントリー競技を観戦する予定が、競技場までの林道が大雪のため通行できずお取りやめとなった。
また30日、小松空港(石川県小松市)から午後5時過ぎの民間機で帰京する予定が欠航となり、急遽(きゅうきょ)、特急と新幹線を利用されることに。しかし、特急も運行が大幅に遅れ、ご夫妻はJR加賀温泉駅の駅長室で約1時間40分、特急の到着を待たれることになったという。
乗車された特急が停車し“缶詰め状態”になるようなことはなかったが、徐行運転が行われ、名古屋駅に着かれたのは予定より30分遅い午後9時22分。その後、新幹線で東京に向かい、東京都渋谷区にある宮邸に戻られたのは午後11時55分と深夜になった。「お二方とも70代でお疲れになったと思うが、翌日の昼には宮殿で両陛下とともに駐日大使夫妻との午餐(ごさん)に臨まれた」(宮務課)という。
1月30日には皇居・宮中三殿の皇霊殿で孝明天皇例祭の儀があり、両陛下、皇太子さま、高円宮妃久子さま、承子さま、典子さまが拝礼された。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮さまは3、4の両日、岐阜県をご訪問。日本動物園水族館協会「第55回水族館技術者研究会」に臨まれた。
寛仁親王殿下は1日、肺炎のため、佐々木研究所付属杏雲堂病院(東京都千代田区)に入院された。宮内庁によると、2週間ほどで退院される見通しという。
東京大医学部付属病院(東京都文京区)に入院していた桂宮さまは1月31日、退院された。桂宮さまは、感染症の指標となる数値が上昇したため、大事をとって18日から入院されていた。
久子さまは1日、高島屋東京店(東京都中央区)で、「第42回現代女流書展」を鑑賞された。4日、東京ドーム(東京都文京区)で、「テーブルウェア・フェスティバル2011」の開会式と内覧会に臨まれた。
