与党と野党の間で謝る与謝野。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「夕刻の備忘録」 様のブログより。



名は体を表すということか。
与|謝|野とは実に上手いことを言うものだ。
第一発見者に敬意を表さざるを得ない。
実際には、与野党間で居直る与謝野だろうが。

さて国会も始まった。
最大の問題は、我々国民の態度である。
変節漢を叩くのは容易い。
罵詈雑言を浴びせるのは簡単だ。
過去と現在を比較をしてみても、何かが生まれるわけではない。
これらは「確信犯たる与謝野」には全く有効ではないのである。

与謝野は、何をしでかすか分からない民主党議員とは異なり、その言動にはおよその予測が立つ。官僚との化かし合いにも慣れている。そして、民主党の主張をそのまま実行することはない。それなら周囲の人間を全て敵に回してまで、入閣する意味がない。

従って、与謝野馨が実現させようとするのは、与謝野馨の政策である。財務省と手を組んで、永年の思いを遂げようとの腹である。
それが我々国民にとって、有意義か否かが問題なのである。


我々が主権者として取るべき行動は、政治家を活用することである。能力があるならあるなりに、無能なら無能なりに、現職にある議員を活用する以外に、この苦境を乗り切る手立ては無い。

何を思ってか、その心根は何処にあるのか、そんな無意味な疑問を持つのは時間の無駄だ。今は民主党政権の中枢部に潜り込んだ与謝野馨を、如何にして利用すべきかを考える時である。

問責結構。公認誓約書違反の件、なお結構。
自民党は徹底的にプレッシャーを掛けるべきである。そのプレッシャーは、実は与謝野本人にではなく、菅内閣に最も重く掛かるからである。

今、閣内に亀井静香率いる国民新党があり、元自民の大物閣僚たる与謝野馨がいる。そして、エコポイントなど麻生内閣の経済政策は延長されており、年頭のブラジル大統領就任挨拶には、政府特使として麻生太郎その人が出向いている。民主党は、まるで「自民党の善政を証明するために存在している」かのようである。

かつての自民党看板議員が居る。
自民党の政策も継続中である。
外交も自民党に丸投げをした。
そして参議院は野党が制している。
現状はこんなにも面白い状態なのである。

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平沼赳夫は、与謝野問責に関して躊躇している。

元より「たちあがれ日本」は上手く機能するはずがなかったのである。ウエットな平沼とドライな与謝野が、同格で共に代表を務めるというのは初めから無理である。仲間を裏切ったと言いながら、裏切り者になお情を寄せる平沼のウエットさが、与謝野に理解できるはずもなかった。理念主導と政策主導の二人の異なる政治家は、並び立つはずもなかったのである。

それは政治路線の違いというよりも、むしろ人間性の違いであり、その意味だけからいえば、「たちあがれ日本」の残る全員よりも、与謝野馨一人の破壊力が上回った形になったといえるだろう。非常識は力である。民主党を見ていれば、それが分かる。

さあ、それではその破壊力を、今度は民主党に向けて貰おう。同じ爆弾でも外部から仕掛けるのと、内部から爆発するのでは衝撃が桁違いに違う。


内閣総理大臣の権力の根源は、解散権を持っているところにある。
全閣僚を即時罷免出来る権限を持っているところにある。

しかし今、その権限の一部は与謝野馨に「移譲」されている。与謝野馨は、何時でも、どの場面でも、閣僚を降りる権利を持っている。理由は特に必要ではない。健康不安で充分である。ある日、ある朝、慶應大学病院に緊急搬送されれば、それでオシマイである。病名は過労で充分である。誰もこれを止めることは出来ない。

それが意図的な、本人の意志によるものであっても、不可抗力であっても、どちらでも構わない。「一番効果的な時に、一番効果的な方法」で閣僚が辞任すれば、政権は大混乱をする。その責任は直ちに総理大臣に向かう。所謂任命責任である。

その時、内閣全体が瓦解するであろう。与謝野のエラーは、民主党を葬り去るに充分なエネルギーをもっている。優柔不断の総理の解散権行使など待つ必要も無く、与謝野の決断一つで充分内閣は吹っ飛ぶのである。ワン・クッション置いているとは言いながら、直前の与党である自民党から経済閣僚を引き抜いて、予算成立の責任者に抜擢するという非常識は、それだけの破壊力を持っているのである。

仮に与謝野と民主党の間で、何らかの密約があったとしても、「ありゃ嘘だシリーズ」で有名な民主党である。そんな約束は守られるはずもない。反古にされた瞬間にスイッチオンである。どちらが先に裏切るか、与謝野と民主の裏切りゲームである。今後、与謝野馨がどう動こうと、どのような思惑を持っていようと、民主党に益することは何もない。

その党内爆弾に火を点けるのは、実は我々の仕事である。与謝野馨が悪人ならば、その悪人の悪たる部分を見事に使って、国益のために政治をさせるのが有権者の仕事である。
さて、どうやって? さて、何を使って?
それは次第に明らかになってくるだろう。

与謝野馨はトロイの木馬か、腐った卵か。
どちらにしても、民主党は破壊される。
さあ最終ステージの幕が開いた!