【皇室ウイークリー】(167) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






「天覧相撲」に白鵬が熱い視線?

雅子さまをお支えする女官トップが退任へ



 皇室に関連する一連の新年行事は続き、今週も天皇、皇后両陛下は、講書始の儀(12日)、歌会始の儀(14日)をはじめとするさまざまな行事に臨まれた。

 

 歌会始では、両陛下と皇族12方のお歌が披露された。天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻の作品については、当日の記事で詠まれた背景などを紹介しているので、ここではそのほかの皇族方のお歌について触れてみたい。

 

 秋篠宮妃紀子さまの作品は「天蚕(やままゆ)はまてばしひの葉につつまれてうすき緑の繭をつむげり」。これは、長男の悠仁さまが世話をされたカイコ(天蚕)が、美しい繭を作ったときの情景を詠まれたものという。

 

 宮内庁によると、カイコはきれいな緑色で、悠仁さまが昨年5月下旬に皇后陛下 からもらい、マテバシイ の葉を与えて育てられていた。毎日観察し、食べる量が少なくなるとまた新しい枝を与えられるなどした結果、約2週間後に繭を作ったのだという。

 

 また、昨年成年皇族となり、今回初めて歌会始 で歌を披露された高円宮 家の三女、絢子さまは、通学している城西国際大の実習先の保育所で出会ったほほ笑ましい光景を詠まれた。お歌は「風吹きてはらはらと舞ふ落葉手に母への土産と喜ぶをさな」。

 

 儀式後には、入選者10人の記者会見が宮内庁で行われた。今回最年少で入選した兵庫県伊丹市 の中学3年生、大西春花さん(14)は夏休みの宿題で初めて書いた作品が見事入選。陛下は、大西さんが歌に込めた友人への思いについて「ちゃんと伝わっていればいいね」「一生支え合っていける友達ですね」と話されたという。

 静岡県富士市 の高校3年生、中村玖見さん(18)は、両陛下の印象について「優しい笑顔で私のとぎれとぎれの話を聞いてくださって、ほっとしました」と話した。

 棚田づくりをしている山口県周南市 の農業、岡本義明さん(69)に両陛下は「棚田は何枚ですか」「ヒガンバナ は咲きましたか」と質問されたという。

 今回の最高齢の入選者、鳥取市 の森本由子さん(76)は、皇后陛下 から「私と同じ(昭和)9年生まれでいらっしゃいますね」とお声をかけられた。それを受け陛下は「私の方が(誕生日は)近いですね」と話されたという。森本さんは昭和9年3月生まれ。陛下は同年10月生まれの皇后陛下 より、昭和8年12月生まれの陛下のほうが誕生日が近いことを指摘されたのだ。同世代の森本さんに対する、両陛下の親しみのこもった語りかけに、森本さんは「本当にうれしく思いました」と感激していた。



 両陛下は9日、国技館(東京都墨田区 )で大相撲初場所 の初日を観戦された。午後5時ごろ、両陛下が来場することが突然アナウンスされ、直後に姿をお見せになると、「満員御礼」の観客は総立ちに。大歓声に包まれた。

 皇室担当の記者は、日常的に両陛下や皇族方の訪問先に同行させていただいているが、これほど熱烈な歓迎は珍しい、といえるほどの大きな拍手で、観客の喜びや高揚感が伝わってきた。

 観戦されたのは結びまでの10番。陛下はめがねをかけ、皇后さまと言葉を交わしながら楽しまれた。

 皇后陛下は、怪力の大関・把瑠都 (ばると)が土俵際まで豊ノ島を押し込みながらも、引き落とされて土俵の外へ吹っ飛んだ迫力満点の場面で、驚いたように両手で口を押さえられていた。

 昨年は不祥事の影響で、大相撲名古屋場所 では優勝力士に天皇賜杯 が送られなかった。だが、それを残念がって表彰式で悔し涙を流した横綱・白鵬にねぎらいとお祝いを伝える異例の書簡を、天皇陛下は8月、日本相撲協会あてに送られている。

 協会の放駒理事長は今回、「白鵬は非常に感激しておりました」と感謝を伝えたというが、陛下は特にこの件や、白鵬については触れられなかったという。一方の白鵬は気合十分の相撲で「圧勝」。土俵わきから両陛下の方へ「熱い視線」を送った写真を掲載するので、合わせてご覧になっていただきたい。

 日本相撲協会によると、平成になってからの天覧相撲は今回で19回となった。すべて皇后さまも一緒に観戦されている。

平成元年と、不祥事の影響などがあった15、20、21年はなかったが、例年、大相撲ご観戦は1年1回で、1月の初場所となることが慣例化している。初場所でなかったのは平成2、3の両年(5月)と、9年(9月)のみだという。

 また、訪問日は今回の「初日」が8回でトップ。「8日目(中日)」が7回、「13日目」が2回、「14日目」が1回となっている。ちなみに、相撲は開催の曜日が決まっているため、初日と8日目は常に日曜、13日目は金曜、14日目は土曜となる。意外な気もするが、千秋楽は1回もない。


 

 皇太子妃雅子さまのお世話をする東宮女官のトップ、木幡清子・東宮女官長が17日付で退任することが14日、決まった。

 木幡氏は、皇太子さまと雅子さまの「結婚の儀」が行われた平成5年6月に東宮女官となり、以降、約17年間にわたって雅子さまを支えてきた。14日は67歳の誕生日だった。

 昨年末には、皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまの養育専任東宮女官、小山久子さんが退任したばかり。新たに女官1人が17日付で入るものの、女官は女官長を含め当面、通常の5人から4人態勢となる。

 宮内庁東宮職の野村一成東宮大夫は14日の会見で、欠員が一時的に生じても、お世話の面では支障は生じないとする認識を示した。木幡氏の退任理由については、「かねてより本人から希望があったが、新年行事が一段落するこの時期を選んだ」と説明。「たいへんよくやっていただいた」とねぎらった。




各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 

 秋篠宮ご夫妻は13日、今月24日からコスタリカを訪問するのに際して、武蔵野陵、武蔵野東陵(東京都八王子市)を参拝された。

 

 寛仁親王殿下の長女、彬子さまは13日、14日からオーストリアを訪問するのに際して、皇居・宮中三殿の賢所を参拝された。14日午前、成田から同国に向けて民間機でご出発。スノースポーツ指導者の代表が世界から集まる「第19回インタースキー」の各種プログラムを視察し、21日に帰国される。

 

 高円宮妃久子さまは9日、第一生命ホール(東京都中央区)で、「高円宮殿下メモリアル第11回日本マスターズオーケストラキャンプ」に臨まれた。

 10日、国立霞ヶ丘競技場(東京都新宿区)で、第89回全国高等学校サッカー選手権大会決勝戦を観戦された。

 12日、ホテルオークラ東京(東京都港区)で、「2011年日加協会新年会」に臨席された。




草莽崛起

      大相撲初場所観戦のため東京・両国国技館に到着し、出迎えを受けられる
     天皇、皇后両陛下。先導は放駒理事長=9日午後



草莽崛起

           大相撲初場所の初日を観戦された天皇、皇后両陛下=9日、両国国技館
















草莽崛起-天皇旗