越谷ワークショップ2日目


前回のワークでは、

1)モノになって動いてみる、

2)視点を変えてみる、

3)イメージを具体的にする


をやっていました。


今回はこれらを踏まえて創作です。


前回同様、体を動かして、


相手との関係を探るゲームをして、


舞台に居続ける続ける感覚を体験するゲームをやりました。


それから前回の振り返りをし、紙としていろいろな形になってみました。


柔らかさ、重さ、鋭さ、体のどこにどんな力を加え、加えられるか、


呼吸はどうか、、などなど丁寧に振り返ります。


さて、そこから今回の創作、「紙の旅」を作っていきます。


グループに分かれ、


(前回から見ていてやりたくなったのか主催者側の市の職員の方も参戦(笑))


イメージを出し合い、動きながら作っていきます。


今回は時間が短いこともあり、


こちらである程度の物語は作っていきました。


もちろん、それを使ってもいいし、オリジナルを考えても良いということで


グループに分かれて創作しました。


紙が扱われる際にどんな感情なのか、


それぞれのグループが想像を広げ、徐々に形を作っていきます。


まず紙になる、そして変化し、形作る。


形ができたら動かす、動かされる。


その中で湧き出てくる感情を大切に紡いでいく。


コロンブスの卵ではないけれど、


感情があってから動くのか、


動くから感情があるのか、、


そんなことはどうでもよくて、


きっと寄り添っているし、乖離しているものだと思います。


こうしたい!って時も、なんでこんなことしてんだ!って時もありますね。


ともあれ、それぞれ違う想像が体を動かしたり、イメージを一緒に作ることで


共有していく、相手があって伝わっていく。


今回の創作がとても面白かったのは、


参加者たちが事象のみを表現するのではなく、


そこにまつわる空気や感情まで表現したことでした。


それはそれはとても素敵なロマンチックな作品だったり、


怨念に満ちていたり(笑)、同じ物語でもいろんな表現を探っていました。


1度発表して、こちら側からリクエストをいくつかして再構築します。


ここからは見せ方も頭の片隅に置いてもらいます。


いわゆるフォーカスです。


今、お客さんはどこに目線、関心があるのか、


どのようにして次の動きに向かうか、


お客さんと一緒に旅をすることが大切です。


そして出来上がった作品。


5分前後の小品達ですが、


ここにいた人たちでしか作れない作品でした。


参加者が18歳~78歳と幅広い年齢層でしたが、


改めて身体は使いようで、


それぞれの体が既に物語っていたり、


身体に意識を持っている人間のひと振りはそれだけで美しいのだと


改めて学びました。



毎回のことですが、


本当に参加者の方々から学ぶことが多く、とても恵まれています。


今回はプロに向けたものではなく、


また、主催が公共機関だったこともあり、


まさに蓋を開けるまでわからない感じでしたが、


なんのことはない、


あいも変わらず笑って、悩んで、動いて、遊んで、作った贅沢な空間でした。


ありがとうございました!


参加者から振り返りの時に言われた言葉を紹介します。


「ここにいるみんなで宇宙に放り出されて


一緒に旅をしているようでした」


「こんなバカみたいなことやっている場合ではない日常があるのだけれど(笑)、


ここに来て豊かになった気持ちがします」


「ここでやったことで、ちょっと違うモノの見方を感じるようになったので、


この次のところを見てみたくなりました」



また、皆さんと、またこれをご覧になった皆様と


ご一緒できることを楽しみにしています。


11/30(土)、12/7(土)の13時より

埼玉県越谷市にある

サンシティ・アート講座の一環として

「モノと遊ぶ」をテーマに

ワークショップを開きました。



詳しくはこちらから!

http://www.suncityhall.jp/events/vol12.html


また、長らくご無沙汰しておりましたが、ご報告です。

講師の中澤がイギリスでのカンパニーで

今年のエジンバラ演劇祭において「ベスト・アンサンブル賞」(最高賞)を受賞しました。

今冬は、イギリスツアー、ロンドン公演が控えています。

http://www.thestage.co.uk/news/2013/08/theatre-ad-infinitum-wins-second-stage-award/


中台は映画「おしん」にて

主演のおしん役濱田ここねさんの演技指導のため冬は山籠もりをしていました。

その濱田さん、この度、山路ふみ子新人女優賞を受賞しました。

映像の世界においてもやはり身体がいかに大切か、

実感していただける作品になっています。

是非、ご覧下さい。

http://pr.livedoor.com/movie/oshin/

11月には「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)

http://kaguyahime-monogatari.jp/

12月には「永遠の0」(山崎貴監督)が公開されます。

http://www.eienno-zero.jp/index.html


そんなこんなであっちこっちに行ったり来たりしておりますが、

僕らは皆さんと探れるワークショップが

演じるうえでも、表現教育のうえでも

とても大事でぜいたくな時間だと考えています。


そんなワークショップの模様を綴っていきます。

今回は越谷市のアート講座の一環としてワークショップを開きました。


年齢層が幅広く、果たしてどんなワークになるのか、


楽しみにして会場に向かいました。


今回は「モノを遊ぶ」。


われわれのワークショップではおなじみになってきましたが、


モノになって、モノから想像し、関係し、遊び、創作します。


今回は2日間だったので、


多くのモノを扱うより、絞っていこうと中澤と話し合い、


「紙」を扱うことにしました。


「紙」といってもコピー用紙、新聞紙、ダンボール、トイレットペーパー、銀紙、、


様々あります。


まずは参加者の方々と体を動かしながら少しずつお互いを知ります。


ゲームをやったり、ほぐしたり、


われわれのワークショップではここがとにかく楽しい!!


毎回いろんな体と出会い、いろんな想像を遊びますが、


このゲームではそんな空間が一気に花開きます。


さて、そんな形でそれぞれの体、心が緩んだところで


本題です。


参加者の前に様々な「紙」が現れます。


日常的に見て、触れているものばかりです。


まずこの紙たちに何かしら力を加えます。


例えば、折る、握る、高いところから落とす、投げる、、、


それを観察してもらいます。


ここで参加者に紙になってもらいます。


今回は素晴らしく勘の良い方々で、


毎回「さ、では紙になってみましょう!」というと


きょとん、、とされますが(笑)


今回はすんなりと皆さん紙を触り、試し始めました。


「紙になる」といっても


「でも、僕は人間ですから」ということになります。


当然ですね(笑)。


骨があるし、筋肉があるし、体硬いし、、などなどあります。


ところがです、例えばトイレットペーパーをやってくれた参加者は


体を緩めてふらりふらりと滑るように部屋を横切りました。


体は人間ですが、その姿はトイレットペーパーが風に漂う姿でした。


そのモノを表すのに、どういう形を用いるか?


体を素材にしてどんな変化をさせるか、


骨があっても、筋肉があっても体が硬くても使いようですね。


今回の参加者の方々は市民向けの講座だったので


(市民以外も参加できますが)


とにかく発想が面白く、自由でした。


どうすれば、「紙」になれるか、、


その距離を楽しんでいるようでした。


「紙」のどの状態がその紙を表すのに適しているのか、、


先ほどのトイレットペーパーが漂う姿、


普段トイレットペーパーはあまり漂いませんね(笑)。


それでも、とてもわかりやすかったです。


ダンボールをやった方は


工場のように力強く折られ、同じアクションを繰り返していました。


これは重さや耐久性がとてもはっきりしていますので


なるほど、ダンボールだなぁと感心しました。


また違った視点で見ることもできます。


トイレットペーパーの人は柔らかい人、雑踏で流されている人、


目的を失って彷徨っている人、、


ダンボールの人は頑固な人、しっかりした人、不器用な人、、


イメージは広がります。


もちろん、これはあくまで例の一つで、


参加者の数だけ多くのキャラクターが生まれていきます。


今回は演技に繋げることを目的としていませんので


そっちを深めてはいきませんでしたが、面白いだろうなぁと思ってました(笑)。


さて、ここから、これまで体で感じたことを


言語化していきます。


イメージを言葉にする、音にする、色にする。


丁寧に好き勝手に出していきます。


包まれる、固い、ヒステリック、頼りがいがある、自分の意見がない、、などなど


参加者からたくさんの言葉が出てきました。


体で感じたことを必ず言葉にします。


この言葉は自分の言葉で良いのです。


自分が「冷たい」と感じてもほかの人は「熱い」と感じるかも知れない、


それは違いであって、間違いではありません。


自分の言語をまず持つことです。


そして、ほかの人と一緒に新たな言葉(表現)を探る旅に出ます。


次は


この紙を3種類(トイレットペーパー、ダンボール、銀紙)に絞り、


組みになって「紙」になってもらいます。


一人でやっていた時よりダイナミックな表現ができるようになります。


そこで先ほどの自分の言葉が大切になります。


協力しながら自分の役割を持ち、創作します。


潰され、広げられ、飛ばされ、、、


初日にしてかなり想像が飛躍してみなさん楽しまれていました。


明日は2日目12/7の模様を綴りたいと思います。