今回は越谷市のアート講座の一環としてワークショップを開きました。


年齢層が幅広く、果たしてどんなワークになるのか、


楽しみにして会場に向かいました。


今回は「モノを遊ぶ」。


われわれのワークショップではおなじみになってきましたが、


モノになって、モノから想像し、関係し、遊び、創作します。


今回は2日間だったので、


多くのモノを扱うより、絞っていこうと中澤と話し合い、


「紙」を扱うことにしました。


「紙」といってもコピー用紙、新聞紙、ダンボール、トイレットペーパー、銀紙、、


様々あります。


まずは参加者の方々と体を動かしながら少しずつお互いを知ります。


ゲームをやったり、ほぐしたり、


われわれのワークショップではここがとにかく楽しい!!


毎回いろんな体と出会い、いろんな想像を遊びますが、


このゲームではそんな空間が一気に花開きます。


さて、そんな形でそれぞれの体、心が緩んだところで


本題です。


参加者の前に様々な「紙」が現れます。


日常的に見て、触れているものばかりです。


まずこの紙たちに何かしら力を加えます。


例えば、折る、握る、高いところから落とす、投げる、、、


それを観察してもらいます。


ここで参加者に紙になってもらいます。


今回は素晴らしく勘の良い方々で、


毎回「さ、では紙になってみましょう!」というと


きょとん、、とされますが(笑)


今回はすんなりと皆さん紙を触り、試し始めました。


「紙になる」といっても


「でも、僕は人間ですから」ということになります。


当然ですね(笑)。


骨があるし、筋肉があるし、体硬いし、、などなどあります。


ところがです、例えばトイレットペーパーをやってくれた参加者は


体を緩めてふらりふらりと滑るように部屋を横切りました。


体は人間ですが、その姿はトイレットペーパーが風に漂う姿でした。


そのモノを表すのに、どういう形を用いるか?


体を素材にしてどんな変化をさせるか、


骨があっても、筋肉があっても体が硬くても使いようですね。


今回の参加者の方々は市民向けの講座だったので


(市民以外も参加できますが)


とにかく発想が面白く、自由でした。


どうすれば、「紙」になれるか、、


その距離を楽しんでいるようでした。


「紙」のどの状態がその紙を表すのに適しているのか、、


先ほどのトイレットペーパーが漂う姿、


普段トイレットペーパーはあまり漂いませんね(笑)。


それでも、とてもわかりやすかったです。


ダンボールをやった方は


工場のように力強く折られ、同じアクションを繰り返していました。


これは重さや耐久性がとてもはっきりしていますので


なるほど、ダンボールだなぁと感心しました。


また違った視点で見ることもできます。


トイレットペーパーの人は柔らかい人、雑踏で流されている人、


目的を失って彷徨っている人、、


ダンボールの人は頑固な人、しっかりした人、不器用な人、、


イメージは広がります。


もちろん、これはあくまで例の一つで、


参加者の数だけ多くのキャラクターが生まれていきます。


今回は演技に繋げることを目的としていませんので


そっちを深めてはいきませんでしたが、面白いだろうなぁと思ってました(笑)。


さて、ここから、これまで体で感じたことを


言語化していきます。


イメージを言葉にする、音にする、色にする。


丁寧に好き勝手に出していきます。


包まれる、固い、ヒステリック、頼りがいがある、自分の意見がない、、などなど


参加者からたくさんの言葉が出てきました。


体で感じたことを必ず言葉にします。


この言葉は自分の言葉で良いのです。


自分が「冷たい」と感じてもほかの人は「熱い」と感じるかも知れない、


それは違いであって、間違いではありません。


自分の言語をまず持つことです。


そして、ほかの人と一緒に新たな言葉(表現)を探る旅に出ます。


次は


この紙を3種類(トイレットペーパー、ダンボール、銀紙)に絞り、


組みになって「紙」になってもらいます。


一人でやっていた時よりダイナミックな表現ができるようになります。


そこで先ほどの自分の言葉が大切になります。


協力しながら自分の役割を持ち、創作します。


潰され、広げられ、飛ばされ、、、


初日にしてかなり想像が飛躍してみなさん楽しまれていました。


明日は2日目12/7の模様を綴りたいと思います。