選抜クラスの辻岡です。
先日、オーディオドラマの収録に参加させていただきました。私にとって、人生で初めての現場です。
私は病院の受付アナウンスと、ガヤ撮りを担当させていただきました。
まず、スタジオに入り、スタッフの皆様や先輩方にご挨拶をします。本当に温かく迎え入れてくださいました。
先輩方が「マイクワークとか見ておいた方がいいよ。今のマイクは性能がいいから…盗めるものはいっぱいあるよ!」とアドバイスをくださったり。「今は何をやってるの?」とゼロでの事を聞いてくださったり。
先輩方のおかげで、より沢山のことを吸収しよう!頑張ろう!とリラックスすることができました。
収録が始まってから、先輩方の集中力、柔軟性、そして前に出す力に圧倒されてばかりでした。
何よりも印象的だったのは、ディレクションへの対応の速さです。
大量の指示を受けた瞬間に考えて、集中して、迷いなく形にしていく。自分のお芝居に責任を持ち、明確に提示する。
先輩方のそんな姿を見て、考え抜いた先にある「手放せる強さ」があるから、あの柔軟性と集中力が生まれるのだと感じました。
ディレクションに即座に答えることができる柔軟性があるのは、自分のお芝居を手放すことができるから。
前に出す力があるのは、それまで考えていたことを手放して、目の前のお芝居に集中できるからであると。
収録が終わってから、「そういえば収録の最中は緊張しなかったな」と自分でも驚きました。
普段の授業の方が、何倍も緊張してしまっています。
その事を振り返った時、普段の授業で自分がいかに不要な緊張を抱いているか、余計なことを考えながらやっているかを改めて思い知らされました。
森川先生からは、「ニュートラルなことが大切である」と何度も教えてくださっています。
もちろん、自分の将来がかかっているわけですから、緊張感を持ち挑むことは当たり前です。ですが、余計な緊張はただ邪魔にしかならないもの。不要なものです。
去年の音響監督さんの授業で「君たちは個人競技をしている。面白くない。作品はみんなで作るものだ」と言われたことを思い出しました。
あの現場はまさに、みんなで作品を作り上げる場所でした。かつ、自分の事には集中して、プロとして商品価値のあるものを提供する場でもありました。
作品のことを考えて、自分のやるべき事に集中している先輩方に引っ張られて、自分も近しい状態になっていたからだと気づきました。
初めて「ニュートラルな状態」というものを体感できたかもしれません。私にとって、1つの大きな成功体験です。
直近の授業で、朗読とナレーションがありました。
私は「こういう事に気をつけないとな」と、やっている最中にも余計な考えが止まりませんでした。
自転車の補助輪を外してもいいのに、怖いから外していない…そんな状態です。
外郎売でも、森川先生から「調子悪い?大人しいね。もっと弾けていいんじゃない?」というコメントをいただきました。
考えているけれど手放せていない。
そんな自分にもどかしさを感じるばかりでした。
もちろん、考えることは大切です。
ですが、それを実践する時に「手放す」という事。
これが今の私にとって何よりも大切な事なのだと気づきました。
考えて、手放せる人。
これがプロなんだと思いました。これができて初めてスタートラインに立てるのだと痛感しております。
今回、ゼロ生であるうちから現場での経験を積ませていただき、本当にありがとうございました。
せっかくいただいたこの1年、自分自身にも負けていられません。
これからも精進してまいります。
選抜クラス 辻岡