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~声優のたまご達~アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」のブログ

アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」~熱血講師と声優を目指すたまご達の成長記~

選抜クラスの辻岡です。

 

先日、なかのZERO声優体験教室の発表会にて、朗読劇『銀河鉄道の夜』を拝見いたしました。星空が広がるプラネタリウムの中での観劇は、たいへん印象深い経験となりました。

 

この物語は、少年ジョバンニが親友カンパネルラとともに銀河鉄道に乗り旅をするという筋書きになっています。最初は「よし、勉強だ!」という気持ちで傾聴していたのですが、次第に『銀河鉄道の夜』の世界観に引き込まれていきました。幻想的なだけでなく、ジョバンニとカンパネルラの友情や、彼が消えたあとにジョバンニが「みんなの幸せのために生きる」と決意する姿が特に印象的でした。最後の「本当の幸せって何だろう?」という問いかけは、私自身の幸せについても考えるきっかけになりました。今回は朗読劇用に要約された台本でしたが、恥ずかしながら原作を拝読したことがなかったので、これを機に本を購入しました。朗読劇を聞いて深く知りたいと思ったのは、カンパネルラがなぜ姿を消してしまったのか、2人の生活背景・母親のことです。朗読劇で触れられなかった部分を楽しみながらも、役者としてどう表現できるかを意識していきたいと思います。

 

そして演技未経験の受講生の方々による朗読劇はとても素直で、物語の内容や登場人物の動き・心情がまっすぐに伝わってきたことに驚かされました。作品にまっすぐ向き合う姿勢や、言葉を一生懸命に伝えようとする素直さに心を打たれました。受講生の方々は、「ジョバンニ役とカンパネルラ役で視線を合わせて、コミュニケーションをとることを意識しました。」「ダブルキャストなので、前半と後半で雰囲気を合わせるように工夫しました。」「語りなので、物語を正確に伝えることが難しかったです。」とおっしゃっていました。朗読劇を通して素直にアウトプットする姿勢も印象的でしたが、全5回の受講でいかに素直にインプットを積み重ねてきたかも伝わってきました。私がすぐに物語の世界観に引き込まれたのは、この両方の素直さがあったからだと思います。

その後の授業で森川先生が「プロはそこで技を使ってお客様を引き込む。でも見せびらかさない。見せびらかすとお芝居・演技がわざとらしくなってしまう。」「受講生のみんなは着飾っていない。ひけらかしていない。登場人物の気持ちを汲み取りながら、ナチュラルに引き込んでいる。」「みんながこの朗読劇を見て、1人1人収穫できるものがあったら良いね。」とお話しされました。

私は現在アクセルゼロ生として学んでいますが、「うまく演じよう」「評価されないと」という気持ちで頭がいっぱいになってしまう時があります。特に今は後期の駆け出し、どうしても所属することという1つの事柄に意識が縛られがちです。けれども今回の朗読劇を聞き、作品に対して真摯に向き合い、言葉や感情をまっすぐ届けようとする姿勢がとても大切なものであると改めて感じる事ができました。また、それを大切にした上でプロになるために技術を磨いていかなければならないと痛感いたしました。この経験を活かして「うまくやろう」と力むのではなく、習得した技術を活かしながらも、素直に役と作品に向き合っていく事を忘れずに頑張っていきたいと思います。

そして受講生の皆様。素敵な朗読劇をありがとうございました。

 

選抜クラス 辻岡