選抜クラス稲垣です。
先日の外画の吹き替えのレッスンについてお話させて頂きます。
作品は、20歳前後の女の子が主人公のヒーローもの。今回レッスンしたのは主人公、母親、兄の三人で食事をするシーン。
母親と兄が先に食事をしていて、主人公がアルバイトから遅れて合流。
主人公は大学を中退してカフェでアルバイト。母親と将来について口論するシーンでした。
3回程映像を見て、全員やるからと順番に当てられ森川先生の前で発表。私は母親役を振り当てて頂きました。
全員演技をした後、どうだった?と森川先生に質問を頂き、私は「ただ怒ってるだけにならないように意識しました。」とお伝え。ですが質問後に演じた後に「ただ怒ってるだけにしか聞こえない」とご指摘を受けました。頭では理解し、こうしようと演技をしても、それが音に出てなかったら意味がないと実感しました。なぜ母親は怒ってしまったのか、声を張り上げてしまったのか、それは娘に対する愛情や心配から。
口論しているシーン=怒りの感情だけで演じてしまってはただの雰囲気芝居、なんちゃって声優だと痛感しました。
キャラクターはなぜこう言っているのか、全てのセリフには理由があり気持ちがある。
それを理解しないとモニターに向かってただ上っ面の芝居をしているだけ。
選抜クラスに入って一番学んだ事は、『気持ち』。発音発声等、他に大切な事はいくつも有りますが、まずはキャラクターの気持ちを理解していないとそれはお芝居ではないと学びました。
当たり前にプロの声優さん達はこの技術を身に付いた上で芝居をしているんだなと思うと尊敬の気持ちと、そんな人達と作る物語はきっととっても楽しく、素敵なものになるに違いないと思い、私もそんな人達の現場で収録させて頂けるプロの声優の一員になりたいと改めて心から思いました!
選抜クラス 稲垣