此処ではあまり自分のお店の話はしないつもりなのですが、甲子園駅からほど近い場所で生のギネスビールを提供する小さなお店を営んでいます。「Zero1988甲子園」通称Zero。



お店の名前の由来は様々で其々にストーリーがあったり無かったり、何となく雰囲気でつけたり、自分の名前だったり、思い入れ先行型もあったり……。
ランチを食べながら、何の気なしにそんな事を考えてみた…。


近所の小さな喫茶店「ガルフ」で五百円のランチカレーを。手作り感は無いけどサラダが付いててワンコイン。
物価上昇にも係わらず値上げしていない優しいお店。


食事しながら、ふと思う。
なぜ店名はガルフなのだろう?

ガルフストリームというカクテルがあるけどそれはメキシコ湾流のこと。
ガルフはペルシャ湾やメキシコ湾を意味するらしいけど、そのどちらの雰囲気も店内にない。海が見えるわけでも無いしモールの中だから風通しも良くないし。

そう言えば私が中学生の頃に開業した母の喫茶店は「マーブル」という名だったけど、大理石など何処にも使われていなかった。
それでも地域に愛され、姉夫婦に引き継がれ30数年間営まれた。
長年そこにあり、そこを日常的に使う人々の意識の中には自然とその店名は一つのささやかなランドマークになるのだろう。

では我が店、Zeroはどうだろう?


30数年前の開業時、良い店名が思い浮かばず思考錯誤していた頃に、当時大好きだった彼女が考えてくれた店名で、Zeroの意味には彼女の哲学があった。


頭の悪い私は良く理解しないまま、当時はあまり使われていなかったZeroと云う名でスタートした。

その後ずっと使い続けてきたこの抽象的な店名。
今ではその哲学が私の中の深〜いところに意味をなしている。


Zeroの店頭のネオンサインは開業当時から使われていて30数年消えないのは奇跡的な長持ちネオンだけど、一抹の不安がある。


それは、昔パチンコ屋のネオンのパだけが消えて「◯チンコ」なんて悲惨な状態を見たことがあったのだが、ZeroのZだけが消えると「◯ero」エロになる。
それは困ったものだが、エロとはギリシャ神話の愛の神エロスから来る言葉。
たとえZが消えたとしても残るのは愛だよ、愛。

或いはZが消えなくても、アルファベットの最後のZとeroでZ−ero。Zeroは最後の愛、という意味になる。素敵じゃないか!

それにしても、ここの五百円カレーは実にお値打ちだなぁ。イッキ食いしちゃったよ。
もう少しゆっくり寛ごう。


ボブ・ディランじゃないけど、
コーヒーをもう一杯♪