『西郷どん』第三十七話『江戸無血開城』超々々簡易感想(ネタバレ意味なし) | ~ Literacy Bar ~

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『台風報道で休止の「西郷どん」、1週延期し放送』

 

台風二十四号の臨時ニュースで地上波放送が延期された今週の『西郷どん』。当方はBSで録画をかけておいたため、視聴に影響はありませんでしたが、地上波放送は来週に順延するようですね。尚、BSは今週分を再放送して、地上波とスケジュールを合わせる模様。穏当な判断とはいえ、本作を二度も放送することに関して恥の上塗りという言葉を思い浮かべたのは私一人ではないでしょう。奇しくも一九九〇年の同日に放送された『翔ぶが如く』の『両雄対決』を再放送したほうが、喜ぶ視聴者も多いのではないでしょうか。

地上波で本編を追いかけている方もおられるので、今回感想をUPするかどうか多少迷いましたが、見所が全くないうえ、上記のようにネタバレしても何の問題もないレベルの内容なので、ササッと片づけてしまいましょう。今回のポイントは2つ。江戸無血開城の回で語るべきことが悪い意味でも二つしかないって、ある意味凄いよね。

 

 

① 徳川の空気嫁№2

 

シリーズ序盤で猛プッシュされていた天璋院が、今回の江戸無血開城では屁の突っ張りにもなりませんでした。確か、番組では『西郷と篤姫の絆が江戸無血開城に繋がる』と予告されていた筈なのに……何のために『篤姫』の再放送レベルと見紛うレベルの時間を割いて、天璋院の描写に時間を割いたのやら。まぁ、西郷と篤姫の絆で江戸無血開城が成立するなんてストーリーは慎んでノーサンキューなのも確かですが、事前に『やる』といっていたことを『やらない』制作陣の姿勢には疑問を呈さざるを得ません。実際、新政府のダークサイドを描くに欠かせない赤報隊のエピソードを『やる』といっていたにも拘わらず、完全にスルーしていますからね。出来もしないことをブチあげて、やらずにテキトーに誤魔化す。無能のうえに不誠実。何処かで見た人物像と思ったら、

 

「民を見捨てることはオイにはできもはん」

「守るべきものは民でございもす。誰よりもまず、か弱き民でございます」

「オイは民を救うっとが薩摩武士の本懐ち心得ちょりもす」

 

とか言いながら、

 

 

とか宣う某主人公と同じですね。作品の影響力を侮るなかれ。真っ先に作品の影響を受けるのは作者自身だからな。しっかし、Masaさんの画像の使い勝手が良過ぎる。総評記事もこれ一枚でいいんじゃないかな。

 

 

② メロスとセリヌン

 

フキとサトウから耳にした『慶喜、薩摩をフランスに売り払うってよ』という出所も判然としない又聞きレベルの噂を真に受けて、唐突に慶喜絶対殺すマンになった西郷ですが、勝の勧めで慶喜と直接会談することに。そこで慶喜の口から『ロッシュからフランスの支援の口約束があったが、日本を英国と仏国の食い物にする訳にはいかないから鳥羽伏見の戦場から逃げた』と聞いた途端、

 

西郷吉之助「僕とヒー様はズッ友だよ……(意訳)

 

と呆気なく掌を返す西郷。控え目にいってワケワカメ。いや、ホント、このシーンは何で感動的なシーンみたいに描かれているのか全然判らない。これって、フキとサトウに騙された西郷が勝手に被害妄想を拗らせて、慶喜を大政奉還に追い込んだ挙句、鳥羽伏見の戦いを引き起こしておきながら、今になって、それらが全部勘違いと気づいたってことですよね?

 

じゃあ、まずは『ごめんなさい』だろ?

 

又聞きを信じてすみません。勘違いで戦争起こしてごめんなさい。戦死者を弔うために腹を斬って詫びます。これが普通の反応でしょう? それが何でサスガサイゴージャみたいな話になっているの? 本当に気持ち悪い。今時、カルト宗教のPVでもこんなんやらないよ。ううん、知らないけど絶対そう。

 

そんな訳で教科書レベルの江戸無血開城の知識さえあれば、何一つ見る必要性のない内容で終わった今週の『西郷どん』。来週の地上波も何食わぬ顔で一回飛ばしても誰も困らない気づかないんじゃあないかな?