今回はもう、真面目に感想書くのも馬鹿馬鹿しい……というか怒髪天を衝くほどに憤りを感じましたので、ネタ風にまとめるのが精一杯でした。
と或る取調室。
与力「……で、オッサンの名前は？」
イゼルカント「……イゼルカント。フェザール・イゼルカントです」
与力「い、ぜ、る、か、ん、と……ね。職業は何？」
イゼルカント「独立国家ヴェイガンの指導者をやってます」
与力「べいがん？」
イゼルカント「いえ、ヴェイガンです。ウに濁点の」
与力「厨二病臭ぇ響きだな、まぁ、いいや。それじゃ、本題に入るけど、まず、アンタが地球に戦争を仕掛けた動機から聞こうか」
イゼルカント「はい。地球に住む人間共は火星への移住計画の失敗を【なかったこと】にして、自分たちの失策を隠蔽してきました。そのため、我々は今でも劣悪な環境で生きることを強いられているのです。そのような現状を打破するため、母なる地球を取り戻すため、私は地球に戦いを仕掛けました」
与力「あー、はいはい、要するに報復戦争ね」
イゼルカント「違います。私は今までの戦い全てにおいて、地球種に生き延びるチャンスを与えてきました。生きることの意味も知らずに過ごす地球種に『生きる意志と生きる価値があるか』を問うてきたのです。これは只の戦争ではありません」
与力「はぁ？ 何いってんの、おまえ？ おめぇん所の軍隊、これまでに何度も非戦闘員や火星移住計画の失敗に何の責任もない人間も無差別に殺してきたじゃねーかよ。どのツラさげて、生き延びるチャンスを与えてきたとかほざく気だよ」
イゼルカント「……いや、それは火星の過酷過ぎる環境が生み出した難病や貧困が人々から他者を愛するという当たり前の感情を奪ってしまったからです。私個人はヴェイガン、地球種という区別なく、全人類のことを考えてい……」
与力「うるせーよ、このイカレポンチ。だいたい、テメー、さっきの俺の質問に何て答えた？」
イゼルカント「は？」
与力「テメーの職業は何だってんだよ！」
イゼルカント「ヴェイガンの指導者です」
与力「指導者ヅラすんなら、テメーの国の民草のことを第一に考えるべきじゃねーのか？ 病気が蔓延しているんなら、その治療方法の開発に全力をそそげ！ キオのバッグを奪ったガキみたいな少年犯罪の撲滅や貧富の格差の是正に取り組めよ！ 貧民街の兄妹にはパンの欠片と泥のようなスープを飲ませておきながら、自分は豪勢な食事したり、ちゃっかりと薬も飲んだり……何のことはない、テメーも火星移住計画を隠蔽した地球の腐った権力者共と同じ穴の狢だよ！」
イゼルカント「そ、それは元を糾せば地球の権力者が悪……」
与力「関係ねーよ。挙句の果てに火星に住む人々の唯一の希望である地球奪還計画もテメーのくだらねー理想で先延ばし先延ばしにしているんじゃねーかよ。
『地球種に生きる意志と意味を問う』？
そんなことをしている間に今回出てきた兄妹みたいな死病に冒された無辜の民草が何人死んだんだよ？ そんなテメーのくだらねー理想も知らないで戦場で散った軍人が何人いたんだよ？ ソイツらの生命や犠牲をムダにしないように務めるのが指導者の役割じゃねーのかよ？」
イゼルカント「…………」
与力「敵を殺すのも欺くのもいい。所詮は戦争だからな。理想に殉じる国家があってもいい。現実だけに足を取られた集団は自浄作用を喪失しやすいからな。しかし、味方を欺いたり殺したりする指導者は敵よりも性質が悪いし、真の理想を国民にしめさないままで犠牲を強いるのは偽善そのものだ。おまえは自分の不遇を環境や他人の所為にした挙句、敵よりも性質の悪い偽善で味方を殺すクズ人間だよ。スペースノイドを選民思想で煽って一年戦争おっ始めたギレン・ザビや、武装中立を貫こうとして国を滅ぼしたウズミ・ナラ・アスハのほうが、はるかに健全な指導者じゃねーかよ」
イゼルカント「」
与力「最期にこれだけはいっておく。俺の言葉じゃねーから偉そーな顔でいえたもんじゃねーが、しかし、いっておかねーと気がすまねーから仕方ねー。
草薙素子『世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ』
張維新『俺がこの世で一等嫌いなことは偽善だ。そいつは悪事よりもたちが悪い。相手だけじゃない、己自身すら欺く毒だ。バケツ一杯のシャネルをぶっかけた糞と同じ代物だ。匂いは薔薇の香りだが、糞だって事実は変わらない』
以上！」
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