『機動戦士ガンダムAGE』第31話『戦慄、砂漠の亡霊』感想(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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おい、どーしたんだ。


凄く面白くなっているぞ。


第三部に入ってからの『AGE』ですが(現段階では)面白いです。尤も老害フリット&主人公キオの描写を除いては、単純に物語のテンポがよくなっていたり、キャラクターの個性がハッキリしていたりと、第一部、第二部の積み重ねとは別の意味での面白さですね。もっと早く、こういう描写ができなかったかともったいなく思いました。でも、面白いです。

今回は気になった点を箇条書き。


1.主人公キオ


落ち込んでいると勘違いした私のローラシャナルアさんからハグされかけるとか、実に羨まけしからん。しかも、全く照れたりしないのな。ウッソだったら、完全にデレデレでしょう。他にもウッドビットが何で怒っているのかが判っていなかったり、如何に戦争とはいえ、生命の重みを理解していなかったりと、第三部の主人公は人間の心が判らない殺戮機械(キリングマシーン)です。それでいて、あんな可愛い容貌なんだから、まさに魔少年ですよ。この『爺ちゃん好き好きキリングマシーン』が何時、全うな人間として目覚めるのか。目覚めた時にどれほどの衝撃を受けるのか。今から楽しみで仕方ありません。できれば、絶望のズンドコまで叩き落して欲しいです。いや、別にキオが嫌いじゃないんですが、それくらいの非情な展開を期待したいじゃないですか。


2.シャナルア姐さん


先週のへっぽこ艦長ナトーラ・エイナスといい、今週の頼れる姐さんシャナルア・マレンといい、第三部は皆、キャラがたっているなぁ。喪うもののないシュミレーションでしか戦闘を計れないキオの陥りやすい『オフェンス偏重・ディフェンス軽視』の悪癖を矯正するとか、上記のように生命の重さの自覚がない点を叱責したりとか、実に良識派の大人です……と思ったら、ラストでまさかのスパイ疑惑。しかも、99%確定っぽい予告。ざけんな、スタッフ。しかし、そう考えると、キオの積極果敢な攻勢を諌めたのはガンダムの力を脅威に感じていたからなのか。それとも、スパイであっても、キオのような子供が危険に晒されるのを見ていられなかったのか。どちらにせよ、魅力あるキャラです。その分、正規ヒロインである筈のウェンディが既にフラウ・ボゥの位置に落ちているのは見ていて辛い。


3.ファントム3の『デルタ・アタック』


ガンダムの様式美である三人組の連携攻撃。しかし、今回のは意表を衝かれました。砂漠の砂の中から、鮫のように背鰭(?)を出して接近するだけでも面白いのに、目標の周囲を高速移動で包囲して砂嵐の中に閉じ込めるとか、いい意味でリアルロボットものの戦い方じゃありません。いや、スーパーロボットでもないなぁ。強いていえば男塾っぽい。厳娜亜羅十六僧の大僧正が似たような技を使っていた記憶があります。あれは雪の中でしたけどね。別にムリにガンダムっぽいことをしなくてもいい。ガンダムっぽいことは『UC』に任せれば大丈夫ですから、今回のような新しい面白さを追求して欲しいですね。


4.ウッドビットとの対立


非常にウザイ奴でした。握手を求めるキオの掌を払い除けた瞬間、キノコとメガネのイチャコメのような何の需要もないサイドストーリーが展開されるのかと鬱になりかけましたよ。だって、もう、一目でキオに勝てないのが視聴者には丸判りじゃん。こんな奴がダラダラと主人公に絡んでくるのかと思うとねぇ。しかし、意外にも今週で決着がつきました。よかった。本当によかった。


5.裏切り者の正体


シャナルアさんで99%決まりだと思いますが、へっぽこ艦長がへっぽこなフリをしている可能性(唐突に『ファントム3』の名を口にしたのは本部からの報告ではなく、迂闊に暴露してしまったのかも……いや、ないな。ないない)、戦場のホームズが実は真犯人(探偵役が真犯人というのはミステリで時折見かける手法です)、次回も登場するフレデリック・アルグレアスが(中の人の点で)怪しい、などの展開も予想しておきます。まぁ、シャナルアさんで鉄板でしょう。でも、裏切り者でもいいから死なないで、お願い。