山田さん「子明、陸奥は体の『でき』が違う。それは『金剛』という業だ。忍釘じゃなくて、もう少し切れ味のいい刃物を隠しもっておくべきだったな」
暗器封じの『金剛』。
何とも地味な業が決め手になった陸奥九十九VSルゥ・ズ・ミィン。『傾葵』をワザと食らい、密着状態から隠し持っていた忍釘で九十九の脇腹をブスリと刺したルゥ・ズ・ミィンでしたが、圓明流の『業』(『旋』や『狼牙』と違い、陸奥や不破の一族の他は修練しても習得できない技術)である『金剛』に阻まれ、そのまま絞め落とされました。そういえば、暗器使いのブラッド・ヴェガリー戦や『刻』戦国時代編の雑賀孫一戦でも『金剛』が決め手になっていました。便利過ぎるぞ、この業。
かなり、呆気なく倒されたルゥ・ズ・ミィン。敗因は研究不足か? ヴァーリ・トゥードでのヴェガリー戦を見ていれば、圓明流に刺突系の暗器が効かないことは判ったでしょうにね。或いは、それほどに自らの暗器の技術に自信を持っていたのか。いずれにせよ、圓明流の『本気』を舐めた感は否めません。自業自得です。これ、拙劣に九十九と戦わせないほうが面白かったんじゃないかなぁ。同じ圓明流でも山田さんが属していた不破は歴史の影で暗殺を生業としてきた一族だし、山田さんVSルゥ・ズ・ミィンのほうが『何でもアリ』同士のエグイ戦いが楽しめた気がします。ルゥ・ズ・ミィンのジャイロ弾VS山田さんの『雹』とかね。
ルゥ・ズ・ミィン「蘭陵王に手は触れられない。攻撃は当たらないよ。私が魔法師なら、あいつは不可触(アンタッチャブル)」
山田さん「たしかに、とらえた……と思ったのに面は取れなかった。不可触蘭陵王……。『攻撃は当たらない』……か」
ルゥ・フォン・シェンは『攻撃に当たってはいけない』相手でしたが、蘭陵王は『こちらの攻撃が当たらない』相手のようです。海堂や片山クラスの見切りの技術を有しているのか。それとも、発勁のように呂家独特の業なのか。ルゥは巨体ゆえに動きが鈍かったですが、蘭陵王のほうは相当の反射神経&スピードを有している可能性濃厚。その状態から発勁を自在に放たれると些か厄介な相手になりそうです。ただし、今回のルゥ・ズ・ミィンの攻撃から判るように発勁といえども、放つ人間のパワーとウェイトが破壊力に比例するのは明白ですから、ルゥ・フォン・シェンほどの一撃必殺にはならなそうなのが救い。それにしても、刺突系暗器が九十九に通用しないことを見抜いて助けに入ろうとした(山田さんに阻止されましたが)辺り、蘭陵王は格闘家としても暗器使いとしても、ルゥ・ズ・ミィンを凌ぐ器のようです。
山田さん「長恭さん、投了でいいよね」
高長恭「謝々……それとも、いいえ……と言った方がいいのですか?」
不敵に笑う蘭陵王。普段は大人しいが、仮面を被ると殺戮機械に変化する二重人格……というわけではないらしい。先々回の可憐な姿は全部演技とか……この胸のトキメキを返せ。それとも、ラストのコマで顔が見えない状態の山田さんが蘭陵王と戦いたいような表情でも浮かべているのかな。
ルゥ・ズ・ミィン「あなたはたしかに私の知る五指の内の一人だが、蘭陵王は三指の一人だ」
山田さん「ちなみに、あと二人は?」
ルゥ・ズ・ミィン「私……と、陸奥九十九だ」
それはないわー。
いや、九十九が三指に入るは同感だが、アンタは五指に入るかどうかも微妙だと思う。ちなみに私が考える十指(何でもアリVer.)は、
1.陸奥九十九
2.ケンシン・マエダ
3.不破北斗
4.海堂晃(修行終了時)
4.片山右京
4.イグナシオ・ダ・シルバ
6.山田さん
7.蘭陵王(暫定)
8.ルゥ・ズ・ミィン
9.ブラッド・ヴェガリー
10.ルゥ・フォン・シェン
かなぁ。異論は認めます。