エリン「ごめんね、リラン。もう、飛ばなくていいの。リランが飛びたくなった時に訓練を始めましょ」
先回の感想で今回は箸休めの回といったな。
あれは嘘だ。
ごめんなさい。
本放送に見た時の記憶ではエリンとリランのグダグダ飛行訓練しか印象に残っていなかったのですが、今回、改めて見直したら、色々と重要なことが語られているのな。
まず、上記のグダグダ飛行訓練。ハッキリいって、この飛行訓練の描写自体に意味はない。リランが自ら飛びたいと思った契機も安直で曖昧である。しかし、ここで大事なのはエリンが『リランが本当に飛びたいと思う時にしか飛ぶことを強要したくない』と考えていること。先回のナソンの言葉が気になっているのか、エリンはリランを人間の定めた『掟』で縛りたくないという思いを強くしている。そして、問題はここからなんだが、今回の『人間の都合で王獣に飛ぶことを強要しない』というエリンの誓いが最終話の一回前のラストで大きな意味を持つことになる。詳しいことはネタバレになるので、ここでは明言しないし、第一、そこでも今回の場面を回想することもないので深読みの可能性もあるが、私は今回の話とその回は密接にリンクしていると思う。
次にドクター・キリクに届いた密命。
キリク「此処の王獣に毒を仕掛けろという命令……光を闇夜に導けとのお達しか」
光とはいうまでもなく、リラン(劇中の言葉で『光』の意味)の謂。毒と共に届いた一輪の花といい、矢鱈と旧体制の維持に拘り、エリンとリランが見せた可能性を否定したがる言動といい、キリクの真の雇い主の正体が少しずつ明らかになってきました。まぁ、花といえば『あの人』しかいないわなぁ。
リョザ神王国という籠に囚われたリランに亡き妹の姿を重ねるキリク。籠の鳥は所詮、籠の鳥。その枠を越えれば生きてはいけない。だからこそ、その枠を頑強に固めることが大事なのだとキリク、ひいては彼の雇い主は考えている。しかし、エリンとリランの再びの飛翔でキリクの心も大きく揺れ動いている様子。
そして、エサルとトムラの雑談にあった『野生の王獣がカザルムに運ばれてくる』という件。これは次の次の回にやってくる『エク』と命名された雄の王獣の話ですが、これ、前振りがあったんだ。今回、見直して初めて気づいた。このエクとリランが【アッー!】で【ピーッ!】して【バギューン!】なことになるのだが、この辺は当該の回で詳しく触れたいと思います。ちなみに次回に運ばれてくる王獣はリランと関係ないので悪しからず。