『BLACK LAGOON~Robertas Blood Trail~』④感想(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

バラライカ「……こちらはソヴィエト連邦空挺軍所属。名前は……そう、ジェーン・ドゥ大尉であります」


バラ姐襲来。


地球で一番おっかない女の上位三人(ベニー談)の筆頭。我らが姐御、バラライカ参戦の回でした……が、


意外にもスタッフ、これを(ほとんど)スルー。


原作では中盤のヤマ場として、気合の入った描写がなされていた場面でしたが、アニメ版ではアッサリ風味の戦闘場面に終始していました。まぁ、よく考えれば、如何にロベルタといえども、バラ姐率いる遊撃隊とド正面から戦りあうのはムリがありますから、理解できなくもない判断ですが、もう少し、戦闘場面を愉しみたかったなぁ。『日本編』の中盤のヤマ場である雪緒奪還戦も、アニメ版では違和感を覚えましたから、広江礼威氏の描くアクションは漫画でこそ輝くのかも知れません。


逆に大幅な改編が加えられたのは何と、レヴィVSファビオラの舌戦。

原作ではファビオラがレヴィに対して、アンタは偽悪主義を装っちゃいるが、本音はお花畑みたいな世界に憧れてるんだろう? と生命知らずも甚だしい、しかし、核心をついた指摘をする場面でしたが、アニメ版では更に踏み込んだ発言が描かれています。


ファビオラ「アンタは彼(ロック)の中に深く突っ込むことで、アンタの憧れているものがそこにないと知ることが怖いんだ。あたしに見えるあの男はアンタが思っているような人間じゃない。アンタは彼の正体に触れたくないんだ。二度とあの男を眩しく思えなくなるから。アンタはあたしのことを自分と同じものだと思い、彼を自分と正反対の存在だと思おうとした。思い込むことで自分自身が救われたいから……アンタはあの男をお花畑と思い込んでいるんだ」


つまり、レヴィの憧れるお花畑の世界とはロックのことであるが、ファビオラの観るところ、ロックの本質はお花畑どころか、他人の生命を抵当にしたギャンブルを人助けのボランティアと宣うロアナプラ一のクソ野郎(原作9巻)である。しかし、その現実を受け入れてしまえば、レヴィには縋るものがなくなってしまうから、ロックの人のいい面だけを都合よく捉えたままで、それ以上、踏み込むことも遠ざかることも怖く思っている。そんな人間に他人をお花畑呼ばわりする資格なんかないということらしい。要約すると、


キモい。

自分のキャラを考えろ。

このお花畑脳のアバズレめ。


……という解釈でいいのかな。誰もが恐れて口に出せないことをズバズバといってのけます。流石はファビオラ、俺の嫁。この辺りの解釈の自由度の高さと大胆さは単に漫画のアニメ化というよりも、映画化に近いものを感じます。B級アクション映画の臭いがする『Black Lagoon』の映像化には、やはり、アニメよりも映画の手法が相応しいようです。


残りは雑感。


人虎(レンフー)状態のロベルタ。

シェンホア&ソーヤがマジビビリ状態。怖い。サウンドエフェクトが完全に『虎』のものになっていました。こんなバケモノを完璧に足止めしたバラ姐の手腕に改めて敬服。


ロックVSエダ。

原作では同じ方向を向いての会話劇でしたが、アニメ版では斜めから対峙するポジションに変更されていました。悪徳の都・ロアナプラを代表するロックと、それを呑み込もうとするアンクル=サムの幇間・エダという構図を、より鮮明に表したものと思われます。


そのエダ。

スーツ姿のCIAバージョンのお披露目。唐沢潤女史の演技もインテリジェンスな雰囲気でした。高島雅羅女史の声質に近い。かなり意外だった。


今回はいいところなしのレヴィ。

豊口めぐみ女史の悪ぶった演技。はじめは違和感がありましたが徐々に慣れてきました。ファビオラが指摘したように、どんなに悪ぶっていても所詮、レヴィは夢見る女なのですから、マッチした演技に思えます。『心霊探偵八雲』の土方真琴役は素敵だったなぁ。


次巻、遂に『Robertas Blood Trail』完結編! その解禁までに本編の連載は再開されるのか? いや、多分、ムリだ!


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