これは『相棒』じゃない。
『クローズアップ現代』だ。
全編を通してミステリとは関係のない、社会報道じみた寒くて痛いエピソードがてんこ盛りである。柴田貴史が自分で自分を傷つける最期の場面は色々な意味で痛々しくて見ていられなかった。せめて、ラストは犯人が逮捕されることで、多少なりともカタルシスが訪れるかと思いきや、死因は『自殺』。現代社会の抱える問題点を指摘したつもりなのかも知れないが、これは『物語』で描かなければならない話じゃないだろう。今までも似たような話は幾つかあったが、それでも、ラストでは僅かな救いの描写があった。しかし、今回は只管に暗いだけ。
プチ『火垂るの墓』ともいうべき鬱展開。
昼間の『東京都青少年健全育成条例』可決の件で落ち込んでいるところに、畳み掛けるような鬱話。ダメだ。これ以上、レビューを書く気力が奮いたたない。出来不出来という点では『悪くはなかった』。これだけは評価して、今回の〆にします。スミマセン。
※この記事の続編である【『相棒』第8話『ボーダーライン』の衝撃】はこちら です。