~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

今年、管理人が触れた作品の中で特に印象に残ったものを列挙する年末恒例にして、ここ数年は上半期での中間発表。この上半期最大の衝撃は、どの作品が選ばれたかよりも、

 

『閃光ハサ』まさかの選外

 

という事態であった。いや、決して悪い内容じゃあなかったとはいえ、第一部の鮮烈さには遥かに及ばなかったのが主要因。第一部ってホントに『判る奴だけ判れ』というスタンスで、私も初見では色々と把握出来ていない部分のほうが多かったけど、そこが繰り返しの視聴に耐え得る強度になっていたのに第二部は判りやすくファンサに奔り過ぎたという印象。特にCCAを当時のタッチを再現した回想シーンは、最新の映像技術でリファインして欲しかったのよ……あと、ハサウェイは病院に行ったほうがいい、マジで。

 

まずは6~10位の作品はこちら。

 

第6位 劉備玄徳の素顔(書籍) 関羽の北伐

第7位 劇場版名探偵コナン ハイウェイの堕天使(劇場アニメ)

第8位 爆弾(映画)

第9位 YOH VS 藤田晃生(大田区総合体育館)(プロレス)

第10位 メダリスト&ダーウィン事変(漫画)

 

『劉備玄徳の素顔』は姓+名+字呼びのタイトルや、冒頭の『新解釈三國志』の引用で感じた悪い予感を吹き飛ばす内容。流浪の大器・劉備も後漢末の学閥の面倒臭さや、本貫から離れがたい名士・豪族の思惑に翻弄されていた様子は非常に新鮮であった。『劉備はさー、人材を見る目がないよねー、田豫や陳登や陳羣を手放すとか最悪じゃんー?』とか偉そうに宣っていた若い頃のワイに読ませたい。あと、荊州失陥は漢中王・劉備が関羽に節・鉞(行政・軍事専断権)を与えたことが契機というのも納得。あれで劉備との連携が崩れてしまったんやろうなぁ。

『ハイウェイの堕天使』は大味ながらもコナンがメインではやれないド派手なアクション全振りの爽快さが◎。千速、原作に登場した時から明らかにストーリーから浮いていて『これ、劇場版向けに新設したキャラクターやろ』と思っていたけど、今回でキチンと結実した感あった。ただ、作中随一の推しキャラではあるけれども、本編の展開とはあまり関係なさそうなので、今後の出番は控えめになりそう。千速は推しとはいえ、ストーリーの進捗のためにはそうなって欲しくもある。蘭ねーちゃんの中の人の訃報を知ると特にね……。

『爆弾』はキャラクターの設定説明をほぼほぼストーリーと同時並行で展開させて、しかも、それが一切気にならないほどに密度と速度が両立した快作。映像面でも残虐描写がキチンと作品の緊張感を担保していてグロさを心地よく感じることが出来た。しかし、一番の驚きは本作の脚本家が『豊臣兄弟!』のメインライターと同一人物であること。これが出来るんなら、何で今年の大河はああなってしまっとるんや……。

『YOH VS 藤田晃生』は今年のベストオブ・ザ・スーパージュニアの決勝戦。前年と同一カードにも拘わらず、YOHさんの一人CHAOS劇場の器用さと藤田の化け物じみたタフネスさがガッチリと嚙み合っていた。更に試合後に乱入して来たSHOさんとDOUKIさんを逆金的で返り討ちにしてからの、

 

YOH「君たちなんだけど……魚やって貰っていいですか?」

 

はめっちゃシビれたわ。『大改造!劇的ビフォーアフター』の新日道場リフォーム回で初々しい姿を見せていた頃を思うと感慨深い。

『メダリスト』と『ダーウィン事変』は以前記事にしているので省略。

 

それではベスト5の発表に移る……が、同着で3作品が3位にノミネートされるという椿事となった。

 

 

 

第3位『あかね噺』(TVアニメ)

 

阿良川一生「えー、今日の出場者、全員『破門』です」

 

『女子高生』と『落語』という『女子高生』と『戦車』に匹敵するミスマッチから始まるジャンプ連載漫画のアニメ化作品。バトル要素から最も程遠いポジションの『落語』というジャンルでありながら、冒頭から立ちはだかる無慈悲なラスボス、親父の遺志を継ぐ子供(死んでない)、厳しくも暖かい師匠や先輩、一癖も二癖もあるライバルなど、ガッツリとジャンプの王道を征く設定で、今日日流行りの露悪趣味なバトル漫画よりも安心して見ていられた。アニメの質も高く、話題性でも内容的にもゴールデンの地上波でやれないのが悔しく思える一作。練磨家からしとかいうジャンプバトルものの序盤の難敵の定番のようなデザイン&言動のキャラクター、好き。ワイ的に可楽杯のナンバーワンは君や。

ただ、第一期のラスト近くで明かされたイッセー阿良川による主人公の父親への破門宣告の真相は言うてることは正論やけど概ね想定の範囲内だし破門するほどでもないよねという中途半端なところに落ち着いてしまったのが惜しい。一つにはイッセー阿良川の『落語家としての凄み』が今季では描かれなかったため、発言自体の重みが実感出来なかったのもありそう。既に第二期の制作が発表されているので、今後の展開に期待。

また、主題歌も大御所・桑田佳祐の起用が題材のレトロカルチャー感を醸し出していた、いい意味で。アニソンにかぎった話ではないが、Aメロ~サビ~Aメロ~サビの3分そこそこで〆という近年の音楽界において、Aメロ~Aメロ~Bメロ~サビ~Aメロ~Aメロ~Bメロ~サビ~サビで4分40秒近い尺を費やすクラシカルスタイルのOPテーマも、まさに本作の雰囲気とマッチしている。OPムービー自体も近年で一番好きかも。

 

 

 

 

 

 

 

第3位『黄泉のツガイ』(TVアニメ)

 

ハナ「中に馬が入っていて凄い速さで走る!」

 

『マッチョ』『バトル』『銃火器』『刀剣』『弓矢』『異能力』『漫画家最強説』と荒川弘の大好きがパンパンに詰まったバトルファンタジー。何よりも第一話冒頭の、

 

「お、古風&和風ファンタジーか」

「え? ヘリ? 現代ものなの?」

「え? やっぱりファンタジーなの?」

 

の怒涛の展開をAパートでまとめ切ったのが凄い。これを見て食いつかん人はおらんやろ。奇しくも同じファンタジーで、ほぼ同時期にBS4Kで再放送が始まり、

 

「ネズミが出るまで踏ん張れ」

 

がファンの合言葉になるほどの、序盤から一切の解説なしに主人公がワケの判らない境遇に叩き込まれて、事情や世界観が明らかになるまでアニメでも1クール近くかかる『十二国記』とは好対照。別に『十二国記』が悪いということではなく、それぞれのよさではあるのだが、今日日の作品はこれくらいの疾走感がないと多くの視聴者を繋ぎ留められないのかも知れない。

こちらは同率3位の他作品と異なり、2クール連続放送ということで、秋までじっくり楽しめそう。今のところ、気になっているのは『二体一対』のツガイの能力の縛り・設定がどのくらい活かし切れるかという点と、第一話でやりたい放題やらかしたガブちゃんの処遇かな。ヴィジュアル的にも性格的にも私の好きなキャラクターとはいえ、あれだけやって何のオトガメもなしで済ますほど荒川センセは甘い御方ではなさそうなので、どの時点で報いが来るのか、ビクビクワクワクしている。

 

 

 

 

 

 

第3位『とんがり帽子のアトリエ』(TVアニメ)

 

キーフリー「人は本当に恐ろしいよ。簡単に『恐ろしいことが出来てしまうのだ』と自覚している者が少ないのも恐ろしい」

 

拙ブログの当該企画では既に原作版が二度ランクインしている本作が、アニメ版でも高位の入賞。品質向上のために放送時期が順延された経緯を差し引いても、否、それがあるからこその本作の卓絶した映像美は、劇場アニメ版並みのハイクオリティと評するしかない。原作の主題が『創作とは何か? 描くとはどういうことか?』を追求するものである以上、生半可な作画動画では私も含めたファンが納得しないワケで、その時点でアニメ化のハードルは他作品よりも3割増しで高かった筈であるが、そこをキッチリとクリアしてくれたのは本当に有難い。最初の試験『王の許し』で、ココさんが手製の魔法ハンググライダーで王冠草を手にするシーンは原作よりも遥かに尺を費やし、しかも、それらが全てヌルヌルと動いていたのは圧巻の一言。書き込みがスゴ過ぎる所為で動きが捉えにくいところがあった原作序盤の幾つかのシーンも、アニメ版を見て『おお、こういうことだったか!』と得心出来たことも一再ではなかった。OPテーマもAメロを聞いた時は『いい感じだけど、本作の主題歌は女性ヴォーカルが良かったかな』と思っていたらBメロでヨルシカが入ってきて悶絶した。何から何まで完璧過ぎるやん。

それでも敢えて難点を挙げるとしたら、キャスティング方面で私の解釈とビミョーに異なるケースが多かったことかな。いや、全員問題ないですよ! 問題ないけど、個人的なイメージとズレているというだけで、フツーに許容範囲。そのうえでゼータクな注文と知りつつ、第2クール以降に登場するであろうキャラクターでは、

 

ヴィナンナ…榊原良子 ベルタルート…関俊彦

 

この二人はお願い、ハズさないで下さい。

 

 

 

 

 

 

 

第2位 『証言 プロレス界ケンカマッチの真実』(書籍)

 

川田利明「昔、よく小橋がカッコいいことを言っていたじゃん。『俺は今日、リングの上でいつ死んでもどうのこうの』みたいな。お母さんに電話をして『俺に何かあっても、三沢さんを恨まないでくれ』みたいな話があったよね。でも、本当に死と隣り合わせで生きている時は、逆に口に出さないものだよ」

 

『フェイク』『ブック』『アングル』といった所謂『台本』の存在が公然の秘密とされるプロレスにおいて、稀に発生するケンカマッチの顛末を特集した本著。このテの話題は『プロレスは最強の格闘技』を標榜したアントンに代表される新日本の独壇場になるかと思いきや、全日・インディー・女子プロからも広く逸話を集めており、特にスペル・デルフィンの股くぐり事件は『ファイトスタイルの違う海援隊☆DXの仕掛けにいちいち反応するのが面倒臭くて唯々諾々と従っていたら、最終的に下手なガチンコよりも観客がドン引きする事態になった』という点で、プロレスの持つ底知れぬ闇を垣間見た気がする。

また、冒頭で引用した川田利明の言葉も、封印していたタイガードライバー91の解禁&投げっぱなしジャーマン3連発など、当時の三沢の川田に対する明らかに当たりの強い試合を思うと、色々と納得してしまう。ホンマ、三沢→小橋はコイツだったら受け切ってくれるという信頼感があったのに対して、三沢→川田はコイツだったら良心が咎めないという負の感情が先行していて、格闘技顔負けのグロさがあったからなぁ。まぁ、川田は川田で垂直落下式パワーボムや自分の腕が骨折するレベルの裏拳を放っていくからお互い様ではあるのだが、奇しくも本著で佐山聡が定義した『プロレスのケンカマッチとは単純なシュートやブック破りではなく、ルールの範囲で相手を捻じ伏せようとする試合』を毎回やっていたのが三沢と川田な訳で、安易なガチンコネタだけではなく、情念を主体としたケンカマッチとしての三沢VS川田を取り上げてくれた本作には感謝しかない。

それにしても、稚気と客気に溢れたエロ親分肌として業界の信頼も篤かった三沢が、後輩の川田にだけは異常に当たりが厳しいのは理不尽さの極みに見えるが、学アマ時代、川田の都合で一つ下の階級に入れられた三沢が、減量がエグくてマトモに練習出来ずに、それでもどうにか勝ったところに川田から『三沢さん、練習しなくても強いっスねぇ』と心から祝福されてブチギレた逸話を知る者としては、川田にもそこそこ責任ありそうという視点も成立する。実際、プロレス入門時に川田が三沢にボコられた逸話に関しては、川田の言い分を一通り記してはいるが、

 

「三沢が川田をどついた理由は定かではない。誰よりも先に手を出すことで、他の先輩たちから川田が殴られるのを防ぐためだったのか。それとも社会人になりたての若者の多くがそうであるように、悪意のない失礼があったからなのか」

 

一切川田を庇わない文章で締め括っている辺り、取材者も何か察するものがあったのではあるまいか(邪推)

 

 

 

 

 

 

第1位『雪煙チェイス』(SPドラマ)

 

クリス「脇坂! 今どこ? ヤベーことになっている! うちに警察が来た! お前を探しに!」

 

クリス、日本語喋れたんかワレ!

 

2026年の初笑いシーン。何気に本作で一番爪痕を残したのはクリス役のジョエル・ショイヘイだったな。こういうネタ、狂おしくすこ。

さて、本作は自身に掛けられた殺人容疑を晴らすべく、アリバイの証人になってくれる『ゲレンデの女神』を探しにスキー場を駆け回る大学生コンビと、所轄と本庁の手柄争いの狭間で鬱屈しながらも彼を追う冴えない中年刑事が繰り広げるサスペンスコメディ。

予め弁明しておくと、全体的なクオリティは今まで紹介した2~5位の作品よりも見劣りはする。何せ、ロケ日程の都合か変わりやすい山の気候が影響したのか、シーンごとに天気がコロコロ変わってブツ切り感が凄いわ、主人公が容疑者認定された経緯があまりにもアホ過ぎるわ、真犯人の正体は『それ、何の前フリもなかったやろ!』と言いたくなるレベルのポッと出だわ、主人公の友人の警察不信の理由は最後まで明かされないわ、ゲレンデの女神もその時期に【ネタバレ厳禁です】するのは無責任にも程があるわと、ツッコミどころの元日エレクトリカルパレードで、好みが分かれることは間違いない。

一方で物語のフレーム自体はシッカリ&キャラクターの行動原理もハッキリしているので感情移入しやすくて、大学生も刑事も双方が事件の全体像を把握していないがゆえに生まれるニアミスや読み違いも面白くて、頭に『バカ』がつくレベルの主人公のお人好しぶりが事件の発端ながらも、そのお人好しゆえの善行がキチンとリターンされて、仲間や故郷を思う心の絆にもほっこりさせられるあまずっぺぇ青春群像劇で、最終的には寅さん的オチになりながらも、主人公の未来は希望とやる気に溢れていて、

 

正月特番ドラマはこういうのでいいんだよ、こういうので!

 

という緩い気持ちでニマニマしながら鑑賞するのに持ってこいの一作……とはいえ、上記した諸々の欠点を補強して、大規模で綿密なゲレンデロケを敢行したら、結構人気の出る映画になるんじゃあないかと思っている。誰かお願い、撮って。

 

 

 

 

 

さて、ここからは2021年の『白い砂のアクアトープ』以来、実に5年ぶりのラジー賞の発表に移る。まぁ、今年の拙ブログの筆調を御存知の方には概ね予想がついておられるとは思うが、改めて記しておきたい。

 

ゴールデンラズベリー賞『豊臣兄弟!』(大河ドラマ)

 

「どうしてもむりなんじゃ」

 

それはこっちの台詞だよ。

 

5年ぶりのラジー賞の栄誉に浴したのは、大河ドラマとしては『西郷どん』以来、8年ぶりの大河ドラマのラジー賞となった『豊臣兄弟!』。うん、まぁ、なんちゅーか、言いたいことは総評に取っておくとして、念のために申しあげておくと作品自体は単なる駄作とは呼べない面も確かにある。信長も義昭も光秀も長政も村重も半兵衛も官兵衛も権六も、それぞれのキャラクターは面白いし、歴史の解釈という点でも見るべきところはないでもない。しかしながら、それら一切の美点を主人公パートのクッソつまらなさが帳消しにしているところが、本作最大の問題点であろう。

原因としては『令和の太閤記』がやりたかったけど、諸々の事情で秀長メインになったことに端を発する主人公への制作陣の思い入れのなさ、小一郎を主人公にするなら必須の兄との役割分担が全くなく、二人でどうにか一人前の『秀吉』になってしまっているバディもののセオリーの欠落、身内には『我らは武士になったんじゃ』と人質を出させておきながら、自分はいつまで経っても武士の自覚が芽生えない主人公を『さすが小一郎じゃ』とワッショイする薄気味悪い構図……要するに『主人公さえいなけりゃ楽しめる』という、今までのスィーツ系駄作大河とはビミョー異なる作品といえるが、どう贔屓目に評しても、

 

『軍師官兵衛』以上『どうする家康』以下

 

の誹りは免れ得ないであろう。毎年の総評でやっている『当年の大河ドラマを食べ物に例える企画』も現時点の候補では、

 

舎利マズ創作寿司大河

ピストル大泉大河

負けた時の究極のメニュー大河

 

と悪い意味でバラエティに富んでいる。秀長は本能寺以降、名実共に乱世の表舞台に飛び出す訳で、ここからの巻き返しを期待……と言いたいところではあるが、それは流石に難しいであろう。

 

 

 

さて、今年下半期の注目作は新作では『ワールド イズ ダンシング』で二期目では『逃げ若』かな。この室町ブームに大河ドラマも乗っかって欲しいけど、再来年までは予定が決まっているのが残念。『攻殻機動隊』も注目はしているものの、草薙素子の声は偉大過ぎる先代のイメージが強いので、慣れるまでに時間がかかりそう。しかし、秋アニメは今のところ、これといった注目作がないんだよなぁ。2027年に入ると『ラーメン赤猫』や『あかね噺』の2期があるので、そこまでは我慢の日々か。

 

 

 

 

羽柴長秀「何とか説き伏せることは出来んかのう。わしはこの戦、一滴の血も流さずに終わらせたいのじゃ……まだ、はっきりとした策は浮かばぬが……やりたいのじゃ」

 

ノープランッ! ノープランだッ!

 

他の登場人物がコツコツと積みあげたクオリティを、主人公のゴミのような一言一句で切り崩してゆくことに定評がある今年の大河ドラマ。今週初登場のクロカンとか、コイツは如何にも才気が勝ち過ぎて、己の舌を過信して年単位で地下牢にブチ込まれて、晩年は猿の形をした猜疑心になった秀吉に警戒されて、関ケ原の戦いの結果を聞いて『弓も引かずにただ待つだけで天下取ったか家康よ&十万の兵士率いて敗れた石田三成愚か者』と武田鉄矢の歌声で愚痴りそうな雰囲気マンマンで、ヘタすると2014年の大河ドラマの『ぼんくら』よりもクロカンっぽくてワクワクするのですが、残念なことに今年の主人公はクロカンではなく、小一郎とかいうジェネリック『天地人』の偽善者なんだよなぁ。

そもそも、竹田城を無血開城させたいとか言われましても、そらぁ、誰でも戦争は血を見ずに終わるに越したことはないと思っている訳で、その前提が通じない時代の作品で、それを敢えてやりたいとしたら『何のために?』をキチンと言明するのが筋でしょう。国衆の懐柔とか、戦後統治を見据えた展望とか、銀山の労働力確保とか、何らかの理由を提示したうえで、更に通常の攻城戦とのリスクの差異を解説して頂かないことには、前線の将兵も後方のノッブも納得しないのではないでしょうか。これを見た視聴者が無条件で、

 

「キャー! 不殺を掲げる小一郎さんカッコイー! あげちゃうわッ、わたしのパンティー!」

 

と狂喜乱舞すると思っているのでしたら、そいつぁ随分とオカドチガイな考えと評さざるを得ません。そのうえ、無血開城のノウハウはノープランとか戦争をナメ腐っとるにも程があります。『何のために?』と『どうやって?』が欠落した主将の命令に誰が喜んで生命を預けたがるのでしょうか。

最終的には地味な持久戦&小手先の詭計の合わせ技一本で勝利した小一郎ですが、如何せん敵将の描写が余りにゲス雑魚過ぎて、これが仮に史実や巷説通りであったとしても、

 

こんな相手に勝ったところで小一郎の株があがる訳では全くない

 

という致命的な作劇ミスには言葉もありません。挙句にゲッスい太田垣を殴って、

 

小一郎「あ、血が流れちゃった、メンゴメンゴ(・ω<) テヘペロ

 

とか悪い意味での漫画の主人公のような軽い物言い、ホンマ薄っぺらい。

実際、本作の小一郎って欠点は乙女心に鈍いだけといういつの時代の少年漫画の主人公だよというレベルのくっさいキャラクター設定なんよね。近年の大河ドラマの主人公は『まーちゃんは意外と嫌われている』『メンヘラマジレスニート』『美化されたのは顔面だけの下半身モンスター』『キノコ』『ヘタレ白兎』『KY托卵女』『絶対フンドシコケにするマン』といった具合にキッチリと欠点も設定されていたし、本作も小一郎以外は冒頭で触れたクロカンのように短所を踏まえたキャラクター設定が出来ているのよ。それが小一郎に関しちゃあ、ラノベや転生もののでも滅多にいないレベルの薄気味悪い人格のっぺらぼうで、ノッブとか十兵衛とか権六とか高虎とか三成とかが必死に面白くしていたストーリーが、主人公が出てくるとオリジナリティも史実へのリスペクトの欠片もなく、歴史劇ですらないストーリーの連打に変わるの、ホンマどういうことなの? それこそ、先々週の嫁の過去編もそうでしたけど、いっこも面白くない創作を延々と見せられる苦痛といったら、基本的にドラマは役者の『間』を見るためにも通常速度で見ている私が、前々回と今回は倍速視聴に切り替えたくらいでしたからね。『耳障り』という言葉をドラマ化したら前々回&今回になると思う。

先日、旧Twitter界隈で『どうする家康』と『豊臣兄弟!』のどっちがマシかという議論が囁かれていましたけど、私的には『どうする家康』のほうがマシだと思います。『どうする家康』もハズした時のクソつまらなさは『豊臣兄弟!』とどっこいですけど、ツボるにせよ、スベるにせよ、そこに主人公がキチンと関わっていましたからね。この辺は、

 

同じ料理人でもシェフ大泉の料理とピストル大泉の料理くらい違う

 

のではないかと思います、思えない?

 

 

 

 

 

 

 

 

装鉄城さん主催の沼田ツアーに参加致しました。

 

詳細は装鉄城さんのレポートを御一読頂くに若くはないとして、一つ付け足すとしたらロックハート城でライヴをしていたケリー・ペティットのCDがメチャクチャよかった。若い頃に聴いていた古き善きニューミュージック感満載で、すっかりマイカー通勤の御供。調べてみると群馬県在住らしい。うーん、これは上州のポップスター! CDにサイン貰ってよかったぜ。

ツアー翌日は横浜まで足を延ばしてもう一泊。午前中に立ち寄った上野恩賜公園ではイマイチ歴史記事のネタが集まらなかったとか、30年ぶりに向かったハマスタでは到着した瞬間にダメ押しのタイムリーを食らうとか、色々と悔いが残る二日目でしたが、それでも半年ぶりのY氏とのサシの飲み会を楽しみ、帰着したホテルの個室の夜景がこれ。

 

 

人生最高のパーシャルオーシャンビュー。翌日、チェックアウト後に旧Twitterに画像をUPしたら『結婚式の夜ですか?』とのレスが……すまんな、一人旅なんやで(血涙)

ともあれ、装鉄城さん、御同道の皆さん、当日は大変お世話になりました。

 

さて、上記のツアーは『真田丸』放送10周年記念と銘打たれたこともあり、当日も大河ドラマが話題のド真ん中。そんな訳で今回は当日のツアートーク&現在の大河ドラマに関する話題を軽めに書き出していこうと思います。

 

まずは装鉄城さんの記事にもあった明石のタコさんによる『大河ドラマ・新九郎、奔る!』のキャスティング予想勝負。御手製とは思えない60人以上のキャラクターのガチンコ過ぎる相関図に、

 

 

と本気予想したものです。ありがたかったのは、

 

1.主人公の伊勢新九郎は中川大志

2.足利義政・日野富子はAB蔵&松たか子のヤング『花の乱』ペア

 

という基準点があったことかな。流石にノーヒントでは何処に照準を合わせるべきか判らないので。とはいえ、全員の予想は時間的に困難でしたので、恐らくは2番手クレジットになるであろう伊都(新九郎の姉)&ぬい(新九郎の妻)、物語中盤の中トメクレジットが予想される小鹿範満&福島修理亮、同じく物語中盤のトメクレ最有力候補の太田道灌、オリジナルキャラクターの左近次に絞りました。

 

伊都……飯豊まりえ

ぬい……伊藤沙莉

小鹿範満……横田栄司

福島修理亮……野間口徹

太田道灌……中村梅雀

左近次……石田彰(声のみ)

 

伊都に関しちゃウザさを愛嬌に出来る女優さんということで、京香ちゃんしかいないだろうと。『岸辺露伴は動かない』でNHKでの実績もしっかりあるからね。ぬいは原作初登場時から伊藤さんで脳内キャスティングしていました。太眉狸顔系で最も認知度が高い女優さん(主観)。『善人のマクベス』とも言うべき範満はシェークスピアの舞台劇の経験豊富&むさ苦しいヒゲの似合う知的で篤実な俳優で、横田さん一択。和田別当は例外やぞ。福島は範満に向かう筈のヘイトを一身に受けて貰わなきゃならないので、ダーク系バイプレイヤーの野間口さんかな。太田道灌は腹黒系丸顔なら何でもこなせる梅雀さん。左近次は……ハイ、反則と判っています。でも、コイツ、どんなに考えても石田の他には一人しか思い浮かばなかったんだけど、それはもっと反則臭いので、敢えて却下しました。

石田を除く予想は結構自信があって、特にぬいは問題用紙を配られた瞬間から『外す訳がない』とタカを括って、自分に解答の順番が回って来た時は、

 

「ふっふっふ、ガチで当てにいきますよ!」

 

と大口を叩いた挙句、伊藤さんの名前を挙げた際に明石のタコさんから『ん? 誰でしたっけ?』と真顔で返された気まずさといったら……装鉄城さんはツアーレポート記事で『与力さんがなかなかあと一歩!というくらいに近い配役をされていたのは内心驚嘆の念を禁じ得なかった』と懸命にフォローして下さいましたが、

 

 

とパイ生地をムダにされた大泉並みに大荒れの心境になったのはナイショだ。

ちなみに私が挙げたキャラクターの明石のタコさんの配役は、

 

伊都……長澤まさみ

ぬい……上白石萌歌

小鹿範満……田中美央

福島修理亮……小市慢太郎

太田道灌……伊藤淳史

左近次……イッセー高橋

 

でした。伊都は凄く納得した! 私が挙げた『ウザさを愛嬌に出来る女優』の先駆者で、中川大志との年齢差も好適。何よりも『サービスサービスゥ!』の台詞からも判るように伊都のCVは確実に三石琴乃さんだけど、三石さんの声を実写化したら長澤さんになるよな。ぬいは『俺はまだまだエンタメを判っていない』と自省した。確かに伊藤さんはガチ過ぎるんだよな。あと、こちらも中川大志の年齢を考えたら上白石妹のほうが向いている筈ですし。範満の田中さんも『いい人系』に振ると有り得る。福島の小市さんは伊都に次ぐ納得感。これが思い浮かばなかったのは『波よ聞いてくれ』での『いい人系』のキャラクターが印象に残っていたからかも。道灌は丸顔よりも童顔になりそう。『どうかん』だけに(エアグルーヴのやる気が下がった!)。左近次のイッセー高橋はさぁ……いや、それは俺も考えたよ! 考えたけど! 流石に年齢的に難しいと思って外したんだよ! ただ、明石のタコさんの左近次は年齢不詳のキャラクターだからセーフ理論も一理ある。そもそも、石田のほうが現実味の欠片もないキャスティングなので、強く反論出来なかったッス。

他の配役で印象に残っているのは、

 

今川義忠……片岡愛之助

足利義視……大沢たかお

伊勢貞宗……野間口徹

 

の三人かな。ハイテンション義忠は『鎌倉殿』の三郎兄貴のイメージがピッタリ。足利義視の大沢さんは『花の乱』リスペクトの極致でジワジワきた。私が福島に推した野間口さんが貞宗なのは驚いた。いや、貞宗は確かに政治面では腹黒いけど、実務面や家庭面ではキチンとしたタイプで、私の脳内ではノイエ版のキャゼルヌのイメージなのよ。野間口さんは『相棒』のサイコパスの役柄の印象が強くて、こちらは思い浮かばなかったなぁ。

ホント、このキャスティング表はよく出来ていて、ツアー終了後、東京に向かう新幹線の中でも隣に座った明石のタコさんとあれこれ話が弾みました。御労作感謝致します。

 

 

ところで、当日は今年の大河ドラマも話題になりましたが、私的にはテンションは低め。主人公兄弟に対してイマイチ乗り切れない旨を表明しました。ここからは私の個人的意見になるけど、秀長と秀吉は長所短所が歯車のように噛み合っていなければいけないのに、二人とも全く無個性のままで話が進んでしまっているのよね。如何に信長や義昭や十兵衛のようなデカいカラクリを仕掛けていても、物語の一番の大本になるゼンマイの歯車がツルッツルでは動きようがない。そもそも、バディものである以上、

 

小一郎藤吉郎「1+1は2じゃないぞ! 俺たちは1+1で200だ! 10倍だぞ、10倍!」

 

になって然るべきなのに半人前の小一郎と半人前の藤吉郎で辛うじて一人前の羽柴秀吉にしかなっていないじゃん。百歩譲って秀吉大河でしたらまだアリかも知れないけど、秀長を主人公に据えたからにはコイツが退場したら間違いなく豊臣家が詰むじゃんと視聴者に思わせてナンボでしょう。要するに小一郎と藤吉郎のキャラクターや役割分担が全く出来ていないのよ。

この辺は『まだ物語前半だから』との見解もあるかもですが、往年の『おんな太閤記』や『黄金の日日』の秀吉って、よく見ると実は秀吉は序盤から気が●っとるのよ。周囲に寧々や小一郎や大政所がいるから制御出来ているだけで、それらが居なくなるにつれて徐々にストッパーが外れて、色々と取り返しのつかない事件がボコボコ起こる訳で、そういう描き方は序盤からでもやれるのよ。況してや、秀吉の老害化が顕著になるのは秀長没後である以上、せめて序盤から暴走する藤吉郎と制止する小一郎の構図を視聴者に示さないでどうするのよ。これは当日のツアーでも出た話ですが、主人公を最終回直前に退場させてラスト1話で御家滅亡をダイジェストで描く『平清盛』スタイルでも用いないかぎり、本気で秀吉晩年のアレやコレやを描く気があるのかという疑問を禁じ得ないんですよね。

いや、本当に主人公兄弟以外はいいんですよ。先々週の秀次を人質に出すか出さないかで苦悩する宮澤エマさんの芝居は本当によかったし、先週までの浅井長政も『もうコイツが主人公でいいだろ』レベルの仕上がりでしたし。ただ、そこに主人公が絡むと途端に嫌ぁな空気が流れるのよね。この二人の件でも小一郎は姉に人質を出させる時には『わしらはサムライになったんじゃ!』と言い、その翌週に長政を説得する時には『サムライの誇りが何じゃ!』と言う。何だ、この薄っぺらいキャラクター。御市相手に三谷幸喜の赤い洗面器の女ネタのように話の続きを語る場面も、ただただ結論も出ないままにダラダラと続いて、

 

「その話、ラブファントムの前奏より長い?」

 

とイライラしてしまいましたので。比叡山焼き討ちの件も身内の説得で終わった小一郎よりも、義昭のためにノッブに取り入ろうと必死で汚れ仕事を果たしたのに、当の義昭に『お前、何してくれてんの?』と難詰されて『お前のためにやったんやで!』と静かにブチギレる十兵衛のほうが、よっぽど好感度高かったし、主人公っぽさがあったわ。

 

うーん、今年の大河ドラマに対する数週間分のストレスを一気に吐き出してしまいましたけど、あくまでも私個人の感想でツアー参加者の皆さんの意見とは別個のものですので、念のため。それと最新回の信玄の退場は上記の案件に輪をかけた絶許事案ですが、ネット界隈で語られる『史実と違う』という批判には同調出来ないですね。史実じゃあなくても面白けりゃあいいんだよ。今回は大物俳優を起用してまで登場させる必然性があったとは到底思えないキャラクターを何の前フリも伏線もなく、呆気なく退場させたことが批判されるべきであって、史実云々はカンケーない。大河ドラマでウソ(創作)をやりたきゃ、キチンと手順を踏まなきゃアカンというだけのこと。昨年の総評でも書いたように『べらぼう』の写楽パートは好きではなかったけど、あれはウソ(創作)を描くためのプロセスは全うしていたから許容出来た訳で、あれと『出さなくてもいい信玄』でやらかした今年の大河ドラマは比較するのはナンセンスの極みです。単純にシャケの切り身にたいして美味くもねぇ自家製オーロラソースをかけるくらいだったらパパッと塩コショウふって焼いて出せという類の話。

 

あ、大河ドラマでは他にも2028年の、

 

 

も当日の話題になりました。私自身、このニュースを旧Twitterで知った時は『逆賊の幕臣』は追加キャストも豪華だなと新作大河の話とは夢にも思わず、結構長い間放置していました。いや、ジョン万次郎は『いつかはやって欲しい題材』ではあっても『今やる題材』ではないかなぁ。人物云々の話ではなく、流石に来年の題材と時代が丸被りするのはマズいでしょ。あ、でも、どうせなら他の大河ドラマとの差別化を図る意味でも、こちらは史実に忠実に、

 

無人島サバイバルを3ヵ月間やる

 

というのはどうでしょう?