今年、管理人が触れた作品の中で特に印象に残ったものを列挙する年末恒例にして、今回も越年発表になった当該企画。何のための年末企画なんやろうなぁ(遠い目)。ちなみに次点は『八代将軍吉宗』&『べらぼう』の往年&今年の大河ドラマの二作品で同時受賞。濃厚魚介豚骨味噌系つけ麺の『吉宗』と淡麗系醤油らぁめんの『べらぼう』は足して2で割ると丁度いい大河ドラマになる説、一理あると思う。是非、次回の江戸中期ものでは塩梅のいいものを期待。
それでは早速ランキングの発表に移りたい。
第5位 八月の声を運ぶ男(TVドラマ)
九野和平「僕はこの蜘蛛のように生きていきたいと思う。どんどん新しい糸を出して、自分の新しい明日を編んで……」
この一見、もの凄く希望に溢れた台詞の主、実は裏取りが出来ない真贋定かならざる話を蜘蛛の糸のように紡ぐことで自身の社会的・生活的安寧を固めるという、仄暗い古井戸を覗き込むような阿部サダヲの真骨頂とも評すべきキャラクター。中盤までの地味な展開が一気にサイコサスペンス風に転換するシーンの説得力は多分にサダヲの存在感に掛かっていたと評しても過言ではあるまい。終戦80年の節目に『記憶の聖域化』というデンジャラスな題材を描き切った本作は『人間の記憶が変化する以上、一世紀近くも前の記憶よりも現在進行形の戦争をありのままに伝えるほうが歴史の教訓足り得る』と考えてきた私の長年のポリシーを補強すると共に『じゃあ、記憶を語り継ぐことは無意味なのか?』という疑問に対しても、辻原と立花母子の交流を通じて『そんなことはないよ、ちゃんと意義があるよ』とのアンサーを用意してくれた。放送当日は『NHKの戦後特番もまだまだ捨てたモンじゃあない』との思いを新たにしたものである。尤も、同時期に放送された『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』で佐藤浩市の東条英機、奥田瑛二の木戸幸一、北村有起哉の近衛文麿、松田龍平の昭和天皇という完璧過ぎるキャスティングを問答無用の駄作で使い潰したことでプラマイゼロになったのはナイショだ。少し褒めるとすぐに図に乗るNHKさんさぁ……。
第4位 とんがり帽子のアトリエ(漫画)
ココ「悔しい! 悔しい! なんで助けられないの? どうして! 絶対に許さない! 魔法使いなのに『助けられない』なんて許さないんだから!」
2017年以来、二度目のランクインとなった本作。14巻ラストのココ&アガの希望に満ちた出撃シーンからの、前述したココの絶望シーンで締め括られる15巻ラストの落差のエグさよ。それでも、フツーの主人公であれば、2~3巻は再起不能の絶望を見せつけられながら、つばあり帽一味が去った彼方をガンギマリの覚悟の表情で睨むココさんの頼もしさは『サイコパス』の朱ちゃん~朱さんの変化に通じるものがあるように思える、思えない? 今年4月からアニメ化される本作、初見の視聴者が最新刊のココさんを見ても同一人物と信じて貰えるかどうか疑わしい、いい意味で。
恐らくは作品全体の折り返し地点であろう銀夜祭編が終了した本作。帳蛭の後始末、つばあり帽の策動、魔法と政治の均衡を崩そうと目論む島王、五芒星試験、イースヒースのトラウマ……とまだまだ描かれるべきことが盛り沢山であるが、次巻はキーフリーとオルーギオの過去編ということで、一休みではないにせよ、更なる積み重ねの期間になる模様。暫くは本編以上にアニメ版のオンエアを楽しみにしたいと思う。現時点で発表されているキャスティングはココとキーフリーのみなので、ここは予想というか願望丸出しでベルタルートに関俊彦さんを希望したい。ルルシィには茅野愛衣さんを推したいけど、遠藤綾さんもイメージ通りなんだよなぁ。何より、後述する某作品の影響で私の中の茅野さんのイメージがいい意味で崩れているのも悩ましいところである。
第3位 グノーシア(TVアニメ)
セツ「始めようか、私たちが生き残るための話し合いを」
いわゆる人狼ゲームをモチーフにしたゲーム原作のSFサスペンス……と言っても、私自身は本作が人狼ゲーム作品の初体験であったりする。ミステリーは好きでも、
人は必要のない嘘をつくからイイ
という歪んだポリシーを持つ私にとって、ロジック全振りの人狼ゲームにはなかなか手が出ずにいたが、本作がループものの要素を取り入れる&序盤は少人数によるチュートリアル的内容を何度か繰り返すことでシステムを判りやすく伝え、視聴者が慣れてきた頃に徐々にプレイヤーの人数を増やしてゆくという、いい意味でのゲームらしさを追求してくれたおかげで、すんなりと入り込めた。他にもククルシカショックとかいう原作ゲームクリア組が(私を含む)御新規さんの悲鳴を心地よく拝聴していた回のように、主人公の敗北で終わる展開があるのもゲーム原作&ループものの特徴を活かしていて面白い。更に第二クールに入ってからはAC主義者という必要のない嘘をつく役回りも登場(人狼ゲームでは●人というポジションが存在することも本作関連で知った)して、当初の苦手意識はほぼ解消されたといえる。また主題歌も凄いドツボで一日数回は脳内でリピートされてしまっている今日この頃。後述する第1位の作品といい、2025年下半期はテーマ曲のよさが光ったなぁ。
第2位 髑髏城の七人(舞台)
贋鉄斎「マサコー! ミッチー! マサコー! ミッチー!」
息出来なくなるほどワロタwww
何が如何面白いのかは実際に御覧頂くとして、本作のDVDを御貸し下さった友人によると、これが贋鉄斎を演じた古田新太の平常運転らしい。時代劇で自転車とかローラースケートとかフリーダム過ぎるだろ。演出家は何をしているねん(誉め言葉)。まぁ、熟女好きの描写だけで次郎衛門の素性を早々に見抜いた私も頭がおかしい自覚はあるので、お互い様といったところか。
さて、基本的に舞台演劇は大掛かりなものよりも少人数による密室劇が好みで、場面転換の度にセットを入れ替えるドタバタ感、或いは全くセットを入れ替えずに役者の力量に委ねる開き直り感がイマイチ乗れなかった私であるが、所謂ステージアラウンドを用いた本作で『推しの子』2期で同様の理由で舞台を敬遠していたアクアがステアラで演劇への評価を一変したのが頭ではなく、心で理解出来た。実は本作を御貸し下さった方からは以前にも同じ会場で上演された別作品も御紹介頂いていたらしいが、そちらは殆ど印象に残らなかったことを思うと、本作はステアラの魅力を120%活かした作品であったと言える。決して同じ会場と気づかなかった私の責任ではない、多分、恐らく。
ただ、内容的には完璧に舞台向きであって、このノリを映画やドラマに持ち込まれると若干キツいところがあるのも事実。いや、本作の責任じゃあないんだけど、近年のアレな作品の幾つかに本作と同じようなノリがあることに今回見ていて気づかされたのよね。その辺、本作を御貸し下さった方と膝を詰めて議論したいところ。あと、沙霧たんハツラツ可愛い(*´Д`)ハァハァして、キャストを調べたら一橋治済のリアル嫁(当時は未婚)であることにも気づかされてしまった。やはり、昨年末の特大エレキテル天罰は大正義。
第1位 東島丹三郎は仮面ライダーになりたい(TVアニメ)
東島丹三郎「お、お願いして……いいかい? その……戦闘員姿になって貰うっていうのは……(*´Д`)ハアハア」
女子高生に戦闘員コスをねだる40歳独身男性主人公(多分ドーテー)。別にイメクラでコスプレを要求しているのではなく、モノホンのショッカーと全力で戦いたいから変身して欲しいというピュアなライダー愛が炸裂しているだけなのであるが、傍目には変態オヤジであることに変わりはない。
尚、バトルはJKショッカーの顔面にグーパンを入れて秒殺した。
男女平等パンチとかいうケチくさい話では全くなく、女性のほうも男性のアゴに膝を押しつけたまま全体重をかけて地面に叩きつける陸奥圓明流も真っ青の技を放ってくることからも判るように、本作は性別不問の仮面ライダーヲタ同士が言語の代わりに拳で語り合うトークバトルアニメといえよう。ちなみに上記のバトルはショッカーとの抗争とは全く無関係の、単なる味方陣営の序列決定という建設性のカケラもない戦いであることもヲタクの最強論争に通じるものがある……というか、ここまで書いても本作がどんな作品なのか微塵も伝わらないが、私も本作がどんな作品なのか完全に把握し切れていないからね、仕方ないね。
確かなことは人生からドロップアウトした連中でメンバーの半数近くが占められる主人公サイドが、何の武器も知恵もなく、ただただ憧れのライダーに近づくために極限まで鍛えた肉体で、実在するショッカー戦闘員や怪人と戦うアホバトル作品であること。必要最低限の知識は作品内で紹介してくれるので、ライダー初心者でも安心して(?)楽しめる。むしろライダーよりもプロレスの知識のほうが重要度は高い。どんな作品だ、これ。
出演陣のハマリ役っぷりも本作を第1位に推す主要因。主人公の東島丹三郎を演じる小西克幸はイケイケオラオラ系よりもダメ中年役のほうが圧倒的にハマるという私の持論を証明するに留まらず、今までは正統派ヒロインかほわほわ系お姉さんのキャラクターが強かった茅野愛衣演じる岡田ユリコ先生のドスの効いた残念系美人のハマリっぷりは、私の中で17歳教祖の正統な後継者という新しいイメージを確固たるものとした。もうガルパンのさおりんをフツーの目で見られない、マジで。
第3位の『グノーシア』と共に本作も連続での第2クールに突入した本作。第1クールのクオリティを維持出来れば、今年上半期ベストでの再ランクインも固いかも。
その他、今年上半期の有力候補では『閃光のハサウェイ』第2章が圧倒的下馬評有利。先日、第1章を見返して改めて思ったのはMSのバトルよりも細やかな人間心理のアニメ表現が本作の評価が高い理由なので、その辺を追求して貰えると嬉しい。『ガルパン』も今年中の公開が発表されたとはいえ、上半期に間に合うかはビミョー。アニメ『ダーウィン事変』は設定やストーリーはツボではあるが、作画動画が追いついていないイメージ。多分、原作を読んだほうがよさそう。尚、既にランクインが内々定している『雪煙チェイス』は真犯人の設定の弱さは気になったものの、それ以外はエンタメの王道を行く痛快サスペンスであった。特番ドラマとしても面白かったけど、劇場版にリブートしたらもっとイイ線行きそう。













