小説 あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇 高田 郁呉服商いに向けて動き出す浅草太物組合。長く待たされた挙句にお上から伝えられたのは1600両という途方もない金額の冥加金。浴衣販売好調の足元を見てか。幸は挫ける組合仲間にある申し出をする。認可に望みをかけ呉服商いの準備を着々と進める五十鈴屋。秘策は家内安全の文字散らし、そして呉服切手。武家の婚礼を救い、評判を上げて商いの幅が広がる五十鈴屋だが、幸はお馴染みさんとの隙間を危惧する。そんな中、吉原衣装競べの話が持ち込まれる。