夕方のバスに
いつものミキちゃんが乗ってきました
乗ってくるなり
「なぁ聞いて!卒業の時にお母さんに手紙渡すんやんか、覚えてるトコ言うから聞いて」
「あ、うん…前に書いてなかったか?」
「書いたけど、やり直してん」
と、しばらく手紙の内容を伝えてきました
「お母さんへの気持ちは分かったけど…お父さんは?」
「お父さんキライやもん!」
「いや、でもそれは言うたらアカン、その手紙は他の人にも公表するんやろ?」
「お母さんにだけやで」
「じゃ、いいか…」(←コラ)
その後は卒業間近になるからと
恋の悩みを打ち明けられて
やがて彼女が降りるバス停に…
「ミキ、終点まで行って戻るから」
しかし
暗闇の中に高校生男子が3人立ってます
「どこ行くん?」
と、声をかけると
「反対方向っス!」
「了解、もう少し待っててな」
と、ミキちゃんを乗せたまま
終点まで向かいます
「今の○○君や」
「なんか手振ってたで」
「振ってたコはミキ知らんで」
「知らんのに振ってたんか?」
「乗らへんって伝えてたんちゃう?」
「あ、なるほど…ミキたまに頭良いな」
「たまにとかいうなや!」
「いつもではないやろ」
「確かに…でもどうしよ、ミキどこ行くねん!って思われてるわ」
「ジュース買いに行った言えばいいやん」
「分かった、さらわれた言うわ」
「なんでオレが犯罪者になるねん!」
「捕まるん?」
「んな事ないやろけど」
「じゃあ窓開けて、助けて〜!って叫ぶ」
「やめんか!」
さすが
この年頃になると悪知恵が発達するようです
サル知恵の老犬は
歯がたちません