小さな親切大きな痛手 | ゼファオス~アラカンライダー~

ゼファオス~アラカンライダー~

ゼファーな日々とバリオスな日々とたまに仕事の日々

朝の7時前に

とあるバス停の脇道から

歩いてくるジィさんがいました


走りながら見てると

大きく手を上げてます


ジィさん、オレがあと数秒早けりゃ

乗り遅れてんゾ

と、思いながら

その辻の先にバスを停めて待ちます


が、しばらく待っても出て来ません

アレ?バス乗りたかったん違うんかな?


そう思った時にやっと出てきて

「スマンよ~スマンよ~、足がトロくてよ~」


「コケたんか思ったわ、よっしゃ行こか」


と、2分遅れて出発です


こんな早くに病院行くんかな?

と、思ってましたが


駅までも行かず、途中下車しました



着発地点から折り返し

およそ30分後に同じバス停を通るも


そのジィさんの姿はなく

バス停先の信号に止まろうとすると


フェンスにもたれ

天に届けとばかりに右手を上げる人が…




あれ?さっきのジィさん

バス停で待っとけっちゅーねん


そう思いながらよく見ると



アンタそれ

ロープダウンですやん!



あーもぅーっ!

と、信号の停止線にバスを停め


ジィさんの元に行くと、

シッカリ

フェンスの網目まで食い込んではります


「スマンよ~、コケてしもてのぉ…」

「起きれんのやな?よっしゃ、引っ張るで」


「スマンよ~足が動かんのや」

「後ろ支えるからゆっくり歩き、子供ら冬休みで誰も乗らんから、ゆっくりやで」


そういうとジィさんプルプル足を震わせながらゆっくり歩きます…が、

しもたぁ!何も考えんとバス停めた!


はい、

信号の停止線にフツーにバス停めたので

歩道からバスまで一歩余分に足を降ろさなければです

「ジィさん、一回車道に降りよか」


「うん」プルプルプルプル…

「行き過ぎてるな…もっと右、もう少し右」


「右け…」プルプルプルプル…

「なんで行き過ぎるねん…」

「あ、ゴメン…左やわ…

「ってかジィさん、右足アカンのやから右に杖持ちぃな」

「いや、パンが…」


そうなんです、このジィさん

朝早くから食パン買いにきたらしく、

杖と共に食パン一斤ブラ下げてます


「わかった、左手そのままでいいから右足下に着いたらすぐバスに右手つけて!」

「押すで!せーの!」


と言ってなんとかバスに到達

「オッチャン何kgあるねん?」


「なんでや?」

「けっこう重いな」


実は後ろから支えてる老犬に

ほぼ体重を預けてくれてます


ぜーぜー言いながら

なんとかバスに乗せ

先程をはるかに超える

8分遅れで発車です


途中で一人、また一人と乗車して

ジィさんの降りる所に…


さて、どうすっか?

せや!

出口に座り込んでもらおう、

座った後で

車高を上げて立たせればいいやん!


そうなんです

ノンステップバスは



一番低いトコから
10cm程度車高が上がります

オレ、頭いい!

そんな考えをヨソに
ドアを開けたらスタスタ歩いて
「迷惑かけたの、スマンよ~」

と、お礼なのか
500円置いて降車されました

ジジィ…
回復力半端ねーな…


ってか
お金より湿布が欲しかったわ…

はい、
老犬は今、筋肉痛に励んでます