朝一番
久しぶりに中学生のミキちゃんが
乗るバスに当たりました
「おはようございます」
「おはよ」
「朝から老犬さんの顔見たら元気になるわぁ」
「うん?そうなん?まぁほどほどにな」
「もっと喜べや!ミキがせっかく褒めたんやから」
「褒められた感はないけど褒めてくれたんか?」
「ミキが人の事褒めるとか奇跡やろ?」
「そうか?そうでもないんちゃう?」
「ウソ?なんかあった?」
「よくあの人優しいとか良い人やとか言うてるで」
「直接に悪い事言うてても、陰で悪口言うたりするより陰で良い事言うてる方がカッコいいし気持ち良いでた」
「なんか思ってた答えと違う…ミキの事褒めてくれてるん?」
「オレはいつも褒めてるがな…」
「ウソつき!」
「いつもミキの歌は下手や言うてるし」
「それは事実やから」
「言い方あるっちゅーねん、キズつくっちゅーねん、歌うからな!」
「どこがキズついとんねん…」
「スッキだと言えずにぃはっつぅこいはぁ~ふりこ細工のぉこーころぉ~」
「次なんやった?」
「ん?…さて、なんやったかな?」
「でたでた…ホンマは知らんのに、今はたまたま忘れたフリするヤツ」
「っておるやん?」
「そりゃアンタやろ?しかし前も言うたけど古い歌知ってるよな」
「ミキ好きやもん、村下孝蔵」
「え?普通のおっちゃんやで?」
「老犬さんが言うな!老犬さんより若いわ!」
「まぁ…そやな…50なる前に亡くなった思うし」
「さだまさしって知ってる?」
「知ってんで!あれはホンマにオッサンや」
「線引きが分からんわ…小椋佳は知らんやろ?」
「知ってんで、なんか少しハゲたオッサンやろ」
「え?マジでか?オバァちゃん好きやったんか?」
「おかあさんかな?おかあさん古い歌好きやから」
「小芝風花か?」
「小芝風花も知ってんで」
「それは分かる、小芝風花もおかあさんの影響で古い歌好きらしい」
「え?ミキ小芝風花と同じ?」
「あんなにも可愛くないけどな」
「鼻血出させたろか!」
「分かってるけどキズつくっちゅーねん」
「いやいや…充分可愛いよ、あぁ可愛い」
「そんな川柳っぽいみえみえのウソ要らんねん!」
「じゃあやめとく」
そこで
ミキちゃんが乗ってないと
心配してくれるオジさんが乗ってきました
「おはよー、今日はミキ乗ってるで」
「おー、そうか~おはよ」
「おはようございます…フフ…」
「………」
「………」
「もぉ!いちいち余計な事言わんで良いねん!見たら分かるんやから!」
「だってミキ、良い人やって「だからウルサイ!」…言う…」
こうして
結局老犬は怒られながら運行してました